あらすじ
明治・大正・昭和と、三井財閥のトップとして、日銀総裁として、大蔵兼商工大臣として、怒濤の人生を走り抜けた池田成彬――。しかし、日本の財界をリードしつづけたその業績と較べると、彼の名前はあまりにも知られていない。金融恐慌、2・26事件、そして太平洋戦争と、逆風吹き荒れるなか、世間の悪評を物ともせずに突き進み、歴史の荒波に消えていった池田成彬の人生に光を当てた長編小説。
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Posted by ブクログ
池田成彬・・・知らなかったな~。いずれにしても明治の人は今の我々とは人種が違う、と考えざるを得ない。成し遂げるものの結果と、努力の度合いが違いすぎる。
Posted by ブクログ
嘘をつかずに一生を通す。自分を曲げない。
できそうでできないこと。自分の子供の徴兵回避を交換条件にされても、自分を通す。
自分には到底できない。
池田斉彬が対立するものからも頼られたのは、この単純な(かつ難しい)信念と常識的な感覚を両立した人物だったからではないでしょうか。
テーマとした人物の魅力が良く分かる小説です。一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
池田成彬という人を知らなかったけれど、明治の人は本当にすごい。お金、地位、名誉でなく信念で動く。決めたら悩まず行動する。人が財産。人を見て融資する。全ての行動の根底に貫かれているのは自己責任であり、そこから逃げない、誰のせいにもしない姿勢。弁明せず、自分ではどうにもならない現実にただただ対処する。もっと知られていい人だとしか思わない。
Posted by ブクログ
激動の明治時代に日銀総裁、大蔵大臣などを努めた「池田成彬」の生涯を描いた経済小説。
聞いたことが無い人物だったので手にとって読んでみた。
池田成彬を一言で表すと剛毅木訥(ごうきぼくとつ)の人。
剛毅木訥とは、意志が強く、飾り気がなく、口数が少なく、くどくどと言葉を飾り立てて弁明しない人物。超合理主義で筋が通った頑固者。
いろんな人に信頼され、慕われ、尊敬された人物。
おそらく敵も多かったことでしょう。
三井銀行時代は担保に融資するのではなく、経営者の人格に融資するという姿勢をもっていた。
明治の暗い時代。日中戦争、二・二六事件、東條英機との対立などが描かれている。500ページを超える小説だけどあっという間に読めた。
明治維新前から第二次世界大戦までの激動の時代。この時代の話は本当にいろいろな人物が出てきて面白い。
“人こそ財産”
今の時代に物申しているのでしょうか・・・
Posted by ブクログ
どんな場面でも筋を通す池田成彬の生き方に尊敬の念を抱いた。
私心がなく、自分よりも三井、三井よりも日本のことを考えて行動するすごさは見習いたい。私心で動くリーダーばかりの現代にこそ必要な人材。
Posted by ブクログ
池田成彬。実は初めて知りました。こんなまっすぐな人(悪く言えば頑固)いたんですね。今の経営者、政治家にぜひ読んでもらいたい。彼らは言うだろう。時代が違うと。しかし、人間の本質はいつの時代も変わるまい。「弁明」ばかりしてないで本気でやれって言いたい。こういう人はもう出てこないんでしょうか?