内田康夫のレビュー一覧
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時は戦国時代。
僧職男子・随風は修行の旅路で、明智光秀、織田信長、豊臣秀吉ら戦国の英傑たちと運命的な出会いを果たします。
上巻では桶狭間の戦いや足利義昭の上洛、信長による比叡山の焼き討ちなど、戦国時代の歴史的な出来事が随風の視点で語られました。
旅の途中で出会った男(のちの秀吉)に木下藤吉郎とゆう名前を授けたり、忍者の服部半三を部下にしたり、比叡山から命からがら脱出したりと、創作的な部分も含めて楽しめます。
下巻では「本能寺の変」と「中国大返し」が語られるとのことなので、随風がどのように関わるのか、そして徳川家康とどのように出会い、いかにして彼の懐刀と呼ばれるようになったのか…そのあたりを -
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内田さんの文庫の新刊本ということで、内容を確かめもせず購入してしまったんですが、浅見探偵が出てこないどころか、歴史物でした!
読み進めるうちに、表題から想像されたのは徳川家康の知恵袋だったとされる天海大僧正だったのがその通りでした。天海(若い頃は随風であったそうな)の視点を中心にして戦国時代の有名な出来事の真実?(随風の出自も含めて)が明かされていく。
浅見探偵は出てこないですが、随風のキャラには通じるものがありました。
真保さんの歴史物にひき続いて、内田さんの歴史物も初体験。しかもほとんど同じ題材で、従来の歴史の定説とは異なった物語。どちらも下巻が楽しみだが、どちらから読んでやろうか・ -
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泉鏡花の「草迷宮」のモデルになった旧家の老人が石川県「安宅の関」で死体となって発見される。
ここ数年、自分が読んできた浅見ものは、公式には犯人がうやむやのまま終わるお話が多かっただけに、犯人に同情の余地なしの普通に逮捕されるエンディングは、少々がっかりともいえるし、ほっとしたともいえる。
あと、身分がばれて、手のひらを返すような待遇変化もなかったような。
最新の単行本は読んでいないのでわかりませんが、マンネリ打破ということでしょうかね。
「草迷宮」は、どうなったんじゃ?というか、何か関係あったのかい?と言いたくなるような読後感でしたが・・・
(2011/10/27) -
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原発推進か否かで結果が注目された山口県上関町長選。そのニュースにふれて思い出して再読した。
殺人事件の背景にある「原発問題」。舞台となっているのは瀬戸内海に面した「寿島」と「大網町」。この寿島は祝島を、大網町は上関町に、まさに置き換えられるわけだ。
この作品は1983年に発表されている。この当時からすでに30年。ずっとこの町=上関町は、原発によって町が二分されてきたのだと、妙に実感できる。著者が登場人物に言わせている次のセリフが、福島原発事故を受けたこんにち、考えさせられる…
原発問題なんてものは、そこに住む人間か当事者でなければ、なかなか深刻には考えませんからねえ。 -
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ずっと言われ続けている問題ですよね、靖国参拝。ワタシからしてみれば、何をそんなに大騒ぎしたり批判したりする必要があるんだろう、過去、日本ために戦った人に敬意を示すことの、何がそんなに問題視するんだろうっていう感じなんですが、そこは外交とかいろいろな問題もあるんでしょう。
でも、そこで外国の顔色ばっかり窺ってる今の日本政府ってどうなんだろうね?と、真剣に考えてしまいます。人によって考え方は違って当然だし、戦犯合祀の問題もあるでしょう。
でも、思想統制でもされてるのか?って思うくらい最近の日本は自分の意見を言わないし、自分の頭で考えないし、行動しようともしない。情けないな、と思います。 -
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本土への空襲が激化するなか、夜間戦闘機「月光」に乗りこんだ海軍中尉。B29の編隊との戦闘で被弾し、厚い雲に突っ込み意識が薄れてゆく。気がつけば現在の厚木基地にタイムスリップしていた…
負傷しながらも、タイムスリップして助かった海軍中尉が、タイムスリップした事実を受け入れ、戦後の発展や現代の日本の問題を知り、自分が生き残った意味を問うていく。その中で靖国神社の問題を知る。
戦友と死んだら英霊になり靖国で会おうと言い合い、祀られることを名誉に思っていた兵士が、現代の靖国神社に関する論争を知って衝撃を受け、ある行動にでる。
タイムスリップというSF的な話から始まるので、どんな展開になるのかワクワクし