【感想・ネタバレ】天城峠殺人事件のレビュー

あらすじ

名探偵(ルポ・ライター)・浅見光彦は事件に巻き込まれた。――天城峠付近の崖下(がけした)で発見された老人の死体。そして、疑惑に満ちた、アイドルタレント・桜井夕紀の心中事件。浅見と夕紀は、前に雑誌のインタビューで会って意気投合していたのだ。老人が残していった千社札を尋ね歩くうち、この二つの事件が交差した!?……伊豆に伝わる手毬歌(てまりうた)が、おそるべきトリックを暗示する本格推理。

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Posted by ブクログ

比較的短い話だったけど自分的にかなり面白かった!
まず、被害者が年に一度休みを利用して独り行っていた「社寺巡り」。
あらかじめ百枚の千社札を持って出て、回った寺社の柱など建物周辺に札を打ち付けてゆき、その札がなくなるまでお参りを続ける・・・というものらしいが、自分はこれを読んで初めて知った。
四国八十八箇所巡りに似た印象を受けるこの巡礼の旅、何かしら人には言えない、心に罪を持つ人が行う密やかな贖罪の旅であり
読んでいてふと、「私も巡ってみたい・・・」と思った。
またこの物語では、私も旅行したことのある伊豆や東北の(先の地震でやられた)岩手、大船渡や陸前高田などの地名が出てきて大層嬉しかった。
またこの遠く離れた二つの土地(伊豆と岩手)が、千社札によって事件が結びついているのが解ったりして・・・物語の展開もなかなかだった。
そしてラスト近く、犯人を追い詰めるため、浅見はちょっとした「脅迫者」をやってのける。これがまた、上手い!
私の想像でしかないのだけど、きっと浅見は岩手地方の方言をかなり上手く喋ったのではないだろうか??

(毎度のことだが)まったくの朴念仁で頭が固く腰重く、機転の利かない警察、それと対照的に浅見の言うことを一を聞いて忽ち理解する兄陽一郎の慧眼、そしてこの一回りも歳の違う弟に絶対の信頼を寄せる彼の愛情に心温まった。

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2011年06月28日

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