あらすじ
愛知・岐阜県境の奥矢作湖(おくやはぎこ)に他殺体が浮かんだ。身元はインテリア会社会長と判明。彼は奥三河(おくみかわ)の歴史の街・足助(あすけ)の「観光カリスマ」として知られる人物の新聞記事を持っていた。事件を知った浅見光彦は調査を開始、最後の旅に出るという手紙を被害者が残していたことを掴む。二度と帰らない覚悟でどこへ向かったのか。新聞記事は何を意味するのか? やがて封印された過去が蘇るとき、もう一つの事件が浮上した……。
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Posted by ブクログ
「人には、それぞれ、帰る場所があるー。もう、帰るまいと、決めていたが…」
一人の男が半世紀に渡り、心に抱き続けた悔恨の情。悪しき大樹を伐り、悪の芽を摘み取らんと決意し、その地へと赴き遺体となって発見される…
「男の正義」をテーマに、林業を巡る政官財の癒着構造を描いた社会派ミステリー。激動の昭和初期を生き抜いた男の「還らざる道」への覚悟に心揺さぶられます。著者の近年の作品の中でも一際、優れた作品といえるでしょう。
Posted by ブクログ
インテリア会社の会長が「人には、それぞれ、帰る場所がある」という言葉を残して旅立ち、奥矢作湖で他殺死体として発見された。会長の孫娘と浅見が犯人の手懸りを50年前の過去にあると睨んで探求の旅。
相変わらず行くところあらゆる場所で手懸りに遭遇するという都合が良すぎる展開ですが、今回は、浜名湖、足助、奥矢作、木曽、王滝、などなど、お馴染みの地名がたくさん出てきて、飽きさせてくれませんでした。
また、公式には犯人がうやむやのままの終幕も、最近のよくあるパターンでした。
(2011/7/10)
Posted by ブクログ
渾身の書下ろし長編
旅情あふれる文芸ミステリー誕生!
被害者の消された「故郷」とは!? 男が辿った道を求めて、浅見光彦、三州(さんしゅう)、吉備(きび)、木曾(きそ)へ! 推理の旅から浮上する過去の秘密 行く先も目的も告げず、男は旅立った。二度と帰らない覚悟で
〈もう、帰らないと、決めていたが……〉
被害者の遺した謎のメッセージ!?
桜の季節、愛知・岐阜県境の奥矢作(おくやはぎ)湖に他殺体が浮かんだ。被害者は業界大手、白陽インテリア会長の瀬戸一弘と判明。瀬戸は、二度と還らないと決めていた過去へ旅立つという手紙を残していた。それは、ずっと隠してきた故郷への旅だったのか? なぜ、いま旅立たなければならなかったのか? 事件の真相を追って、三州(さんしゅう)、吉備(きび)、木曾(きそ)へ、浅見光彦も推理の旅に出た。