内田康夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
渾身の書下ろし長編
旅情あふれる文芸ミステリー誕生!
被害者の消された「故郷」とは!? 男が辿った道を求めて、浅見光彦、三州(さんしゅう)、吉備(きび)、木曾(きそ)へ! 推理の旅から浮上する過去の秘密 行く先も目的も告げず、男は旅立った。二度と帰らない覚悟で
〈もう、帰らないと、決めていたが……〉
被害者の遺した謎のメッセージ!?
桜の季節、愛知・岐阜県境の奥矢作(おくやはぎ)湖に他殺体が浮かんだ。被害者は業界大手、白陽インテリア会長の瀬戸一弘と判明。瀬戸は、二度と還らないと決めていた過去へ旅立つという手紙を残していた。それは、ずっと隠してきた故郷への旅だったのか? なぜ、いま旅立たなければ -
Posted by ブクログ
比較的短い話だったけど自分的にかなり面白かった!
まず、被害者が年に一度休みを利用して独り行っていた「社寺巡り」。
あらかじめ百枚の千社札を持って出て、回った寺社の柱など建物周辺に札を打ち付けてゆき、その札がなくなるまでお参りを続ける・・・というものらしいが、自分はこれを読んで初めて知った。
四国八十八箇所巡りに似た印象を受けるこの巡礼の旅、何かしら人には言えない、心に罪を持つ人が行う密やかな贖罪の旅であり
読んでいてふと、「私も巡ってみたい・・・」と思った。
またこの物語では、私も旅行したことのある伊豆や東北の(先の地震でやられた)岩手、大船渡や陸前高田などの地名が出てきて大層嬉しかった。
-
Posted by ブクログ
浅見シリーズ第二段☆
この巻では、浅見が本気で惚れた女性が登場する。
そしてまた・ドラマではふったりフラレたりで永遠に?実ることのない恋を繰り返す浅見が、なんと、、、結婚を匂わせる終わりでもって物語が幕を閉じる(衝撃!)
作者はどうやら当初、先の「後鳥羽・・」とこれの二作で浅見シリーズを終わらせるつもりだったらしい。
だが今でも続いているってことは、人気が出てしまったんだろう(^-^;(笑)
ドラマではあまり押しの強くない浅見が、この話ではかなりストレートに意中の女性と接している。
そのせいか、彼女に自分の推理を語り聞かせる部分で、ちょいと押し付け気味の場面も見られ、(私の気のせいだろうか -
Posted by ブクログ
ネタバレ「トラベルミステリーかと思いきや、やっぱり社会派だった」という印象。2003年の作品。浅見光彦シリーズはほぼ10年ぶりに読んだため、最近の作風がどうだかはわからないが、かなり異色なのではないだろうか。後味はあまりよくないが、当時の世相や事件なども反映されている。話のスケールはものすごく大きいのだが、浅見光彦の立場だからこそ、それも可能という意味では、軽いものから重いものまで扱える、かなり万能な主人公だなぁと改めて感じた。重い社会派的内容を、ライトに読ませることができるエンターテインメントという意味でも、今のライトな本が受けている世の中の傾向を考えると、入門変としてもすすめられる作品のような気
-
Posted by ブクログ
有名な作家さんの割に今まで読んだことがありませんでした。
まだまだ読んだこと無い作家さん一杯。それはそれで楽しみなのですが。
取り合えず。もう宝くじは買うのをやめようと思いました(笑)。
仕分けされても結局予算は通ってますしね~。官僚様の天下り先の確保とは恐れ入りました。大体、宝くじで収益を出して色々寄付とかしてますが経費をさっぴいた全部は福祉とかに使えばいいんじゃないか?と思います。
最初は何でサッカーくじの話?と思ったのですが色々リンクしていてとても面白かったです。でも最後、あれは解決と言うのかなあ?作者と言うか日本人の良心なのか。
先の戦争の問題と愛国心の辺りも興味深く読み -
Posted by ブクログ
TVシリーズには決してできない傑作品!!
あらすじ
詩織の母は今わの際に「トランプの本」と言い残して病死。そして、詩織の父・大輔も出張先の広島で「トランプの本」を見つけたというダイイング・メッセージを残して、非業の死を遂げた。さらに大輔の部下、野木もまた九州・柳川から「面白い物を見つけた」という葉書を詩織宛に書いた直後に失踪。途方にくれる詩織が頼れるのは浅見光彦しかいない!
※ 最後の最後に意外な結末が待っています。こればかりは、実際に読んでみないとわかりません。とてもスリルあるサスペンスな読み物です。
この本は浅見光彦シリーズの作品を少なくとも5冊以上読んでいただいてから、本作品 -
Posted by ブクログ
ひさしぶりに読んだ浅見光彦シリーズ。なかなか面白かった。
名前こそ変えているが、「東日流外三郡誌」をモデルにした青森県の古代史を題材に使い、事故死、病死と思われていた事件が、ある巡礼の殺人事件をきっかけに、浅見の手により次々と明らかになっていく。そして地元の若い女性の悲しい出生の謎も解き明かされていくが、その女性はその真実を知ることはない・・・。
やっぱりこの人は上手いなあ、とうならされる。ちょっと長くて読み応えがあったが、全編に流れる旅情、悲しみ、そしてたくみに張り巡らされ、解き明かされていく謎。日本ならではのすばらしいミステリー作家である。
ちなみに、テレビでもよくシリーズ化されてい -
Posted by ブクログ
茨城県農業研究所職員が秋田県の西馬音内盆踊りの最中に謎の死。
やや遅れて長岡農業研究所職員が水死体で発見される。
二つの事件の背景には、スギ花粉症緩和米の開発を目指す研究者の夢と、開発に伴う巨大な利益をめぐる陰謀が・・・
遺伝子組み換え食品の効用と危険性。どちらに偏るでもなく、ほとんど現実の世界で進行中の議論をリアルに描写(解説?)してくれていて、考えさせられました。
ただ冒頭の、西馬音内(にしもない)盆踊りで始まるエピソードは一体なんだったのか?必然性がさっぱりわかりませんでした。内田さんお得意のプロット無しの執筆スタイルだったので・・・ということかしらん?
(2010/11/12 -
Posted by ブクログ
五島列島の取材で知り合った元刑事が御前崎の海岸で死体となって発見される。殺された原因を探るうちに、三十年前に長崎の軍艦島で起きた連続殺人事件が浮かび上がってくる。。。
軍艦島かぁ、、、名前はどこかで聞いたことがあるという程度の認識でしたが、本書を読んだのを契機に調べてみました ⇒ 日本一有名な廃墟。昭和のタイムカプセル。世界最高の人口密度(東京の9倍)。産業遺産。世界遺産への登録運動実施中。昨年から一部の整備地区に限って観光客が上陸・見学もできるようになったとの由。
うーん、殺人事件より、こちらのほうに、俄然興味が出てきました。
(2010/1/12)