あらすじ
品種改良は、神への冒涜なのか――? 茨城県農業研究所の職員が、秋田県の西馬音内盆踊りの最中に謎の死を遂げる。茨城県霞ヶ浦では、長岡農業研究所の職員が水死体で上がった。お手伝いの須美子の依頼で調べ始めた浅見光彦は、巨大な利益を生む「花粉症緩和米」が事件を繋ぐと直感する。「米」をめぐり浅見光彦が奔走する傑作社会派ミステリ。
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戦争を知らない人たちへ
私も戦争を知らない者ですが、この本を読んでいるとその当時の風景とか人々の感情とかがわかるような気持ちになります。
若い青年が国の為に命をかけて敵と戦う。
靖国神社に対する感情も今までとは違った気分になりました。
実際にはタイムマシンで未来に行くなんて現実にはあり得ないけど。最後の主人公と回りの人たちのやりせない気持ちに涙が止まりませんでした。
今の時代に産まれたことが、こんなに幸せなんだと思い知らされた一冊です。
読んで良かったと思います。
花粉症緩和米
須美ちゃんから頼まれた事件です。
花粉症緩和米という画期的に聞こえる商品も、遺伝子組み換えと聞くと拒否反応が出る、確かにそのとおりだなぁと思いました。
警察の合同捜査にこじつけて、しかも捜査員たちの前で事件の解説をしていたところが面白かったです。
最終的には警察の捜査で全容が明らかになりましたが、最後まで光彦主導で解決してほしかったです。
Posted by ブクログ
茨城県農業研究所職員が秋田県の西馬音内盆踊りの最中に謎の死。
やや遅れて長岡農業研究所職員が水死体で発見される。
二つの事件の背景には、スギ花粉症緩和米の開発を目指す研究者の夢と、開発に伴う巨大な利益をめぐる陰謀が・・・
遺伝子組み換え食品の効用と危険性。どちらに偏るでもなく、ほとんど現実の世界で進行中の議論をリアルに描写(解説?)してくれていて、考えさせられました。
ただ冒頭の、西馬音内(にしもない)盆踊りで始まるエピソードは一体なんだったのか?必然性がさっぱりわかりませんでした。内田さんお得意のプロット無しの執筆スタイルだったので・・・ということかしらん?
(2010/11/12)
Posted by ブクログ
花粉症を食べるだけで解消してくれる米。確か、パンだか何だかはすでにあったように思うけれど、ここでは米という設定で描かれている。この本でも描かれているとおり、日本というのは、遺伝子操作に関する拒否反応はかなり強い。
それと、製薬会社については、よく書かれているとおり、自然食品では利益にならないために、薬品といった形で利益を得ようとすると批判される。
この作品はそういった製薬会社の体質についても皮肉りたかったのかと思える設定だった。
Posted by ブクログ
友人の同僚が、殺人事件に巻き込まれ
お手伝いは坊ちゃんを頼る事に。
今回はお母さんからお咎めなし、の事件のようでw
調べれば調べるほど、妙な方向へと走っていきますが
こんなものがあるなら、ちょっと興味はあります。
ただ、遺伝子レベルでどれくらいの問題がでるのか。
そこが問題かと。
どこの会社になっても、分野になっても
派閥やら横やりやら、はあるのだな、と。