柏葉幸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「と、とじこめられたわ!」
五月は、自分のあごのあたりにある大きなドアノブにかじりついた。押そうが引こうが、ぴくりともしない。
「おちつきましょう。はしたない。」
「これでどうして、おちつけるっていうのよ。ひとりでにしまったんだよ。」
「自動ドアを知らないわけじゃないでしょう。」
「これが、自動ドアだっていうの!」”[P.32]
夢姫の性格がちょっと意外だった。
“「すごい!夢姫のげっぷ!いま見たのって、二年まえのリッツの誕生日の日のことよね。あれが、さっき、夢姫が食べた夢の内容?」
五月も夢姫をふりかえって見た。
「はい。そうです。わたくしがさっきいただいた夢とまったくおなじでした。こ -
Posted by ブクログ
ふたつの物語が併走して全体が進んでいく。
ひとつは、突然幽霊がクラスメートになって戸惑う主人公の視点、
もうひとつは、その幽霊が何十年も前に大好きだったという幻の連載小説そのもの。
前者は、いわゆる普通の小学校5年生の日常が描かれていて、
後者は、魔女の呪いにとらわれた哀しい少女たちが、
どうにかしてそこから自分たちと世界とを救おうとする話が描かれている。
全くテイストが違う両者なのだが、根底では、
「死んだものがよみがえるということ」という同一のテーマで繋がっている。
淡々としたタッチの魔法の国での話も予想外に惹きつけられて、
一気に全部読んでしまった。
面白い。
のだが、柏葉ファンとして