柏葉幸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
楽しかった!
これぞ柏葉ワールド!!
日常からふわりと異世界へ、
そこで出会う個性豊かな仲間たち、
立ちはだかる謎と困難、
知恵と工夫と勇気で乗り越えていくヒロイン…。
と、いういわゆる「テッパン」を、
形式的・教育的にならずに書ききることができるのが
柏葉さんの最大の武器だと思う。
そして、毎度のことだけど、
「異世界」の雰囲気や世界観が素敵!
今回は深い森と大きな洋館(妖館?)が舞台で、
そこに先日までサーカスの一団が来ていたという
それだけでなんだか胸がドキドキしちゃうような設定。
姿を見せない主とか、
お人形のように固まってしまった女の子とか、
ちょっと怖い要素も加わって、
どん -
Posted by ブクログ
誰かに気にかけられる人はしあわせ。
誰かを気にかける人はしあわせ。
誰かの人生の「つづき」を気にかける。
途中まで読んだ本のつづきが気になるように。
色々な本の中から飛び出した登場人物(?)たちが、
新米おばちゃん司書とドタバタを繰り広げます。
自分の本を読んでくれていた誰かの、「つづき」が知りたくて。
そんな彼らとつきあいながら、変わっていく主人公。
自分が読んでいた本の中の登場人物が、
自分のその後の知りたがっているなんて、とても素敵な想像。
たしかに逆はよくあること。
人生という名の本の、半ばまで生きてきた主人公の「つづき」が
意外にも思える形でラスト -
Posted by ブクログ
柏葉幸子の物語と、佐竹美保の挿絵は、私の中で最強コンビ!
小学校5年生の僕・カズは、ある夜、幽霊を目撃してしまう。
翌日、その子は同級生あかりとしてクラスにいた!
僕以外のみんなは、何のわだかまりもなく、その子と接しているが……
と、よくあるお話風。
ところが、柏葉さんは違います!
郷土史研究から帰命寺の不思議な由来を絡ませてきます。
一心に祈ると、亡き人が別のどこかで生き返る、
そんな信仰がかつてあったと。
さらに入れ子構造の別物語までご用意……
そこにこの幽霊あかりちゃんと重ねてみせるのです。
一粒で二度おいしい……(笑)
正直、あのエンディングはどうなのかな……
いや、むしろ -
Posted by ブクログ
大人が読んでも心が「ほっこり」しそうだし,少しものがわかるようになった小学生ぐらいの子供に読んで聞かせてあげるにもいい感じの童話集に仕上がっている。
連作かと思っていたが,それぞれは独立したお話。でも,まぁそれもあっさりしていて,かえって童話らしいのかもしれない。最近はちょっと人気が出るとすぐにシリーズものや連作化してしまう傾向が強いように感じるので,さまざまな短編を単発に読むという習慣ももう少し見直されていいように思う。そういうただ一遍の小説にも,大人になるまでどこか心に残るものや,独特な読後感を持つものなどがあるものだ。また,一度受けた設定に依拠して話を展開するよりも,個人的には,その