高橋洋一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どの国でも同じ状況だと思いますが、乳幼児の死亡率が減ってきて皆が豊かになってくると自然と少子化になると思います。大昔のヨーロッパ、そしてアメリカ(新しく入ってくる移民を除く)、日本、中国の例を見てもそうです。今人口が増えている、インド・アフリカも同じ道をたどるのではないでしょうか。
人口減少が危機だ、と唱えている人の気持ちになると、人口が増えることを前提とした体制に組み込まれた中で仕事をしている人・業界にとっては、大きな変化を伴うことなので、聴きなのかもしれません。しかし一般の生活者にとってはどうなのでしょうか。この本はその観点から書かれていると思います。
以下は気になったポイントです。
・日本では過去3回、自治体が大合併した歴史がある、1888年(明治21)で7万以上の自治体があったが、1889年の明治の大合併で、1万5859の市町に再編、昭和、平成の大合併を経て、2014年には、1718となっている。人口減少で自治体が消滅するという相関関係は必ずしも成立しない(p15)
・2013年に民法改正され、嫡出と非嫡出の法定相続分の規定がなくなったが、社会的な偏見はある(p33)
・デフレは人口の減少とは無関係であり、むしろ貨幣量と大きな関係がある(p63、78)
・2017年1Qには、バブル経済がピークだった1992年同期以来、25年ぶりの人手不足感に見舞わられた(p81)
・移民政策は、人口増加、経済成長、さらには社会保障制度を支える財源増加にはあまり寄与しない(p97)
・1961年当時、日本の厚生年金制度は、当初積み立て方式であったが、インフレに弱いので徐々に賦課方式となった(p111)
・公的年金(国民年金、厚生年金)は、ざっくり言うと40年間納めた保険料と、20年間でもら年金額が同じになるように設計されている、20歳から60歳までの40年間納めた金額を、60歳から80歳までに受け取る(p117)
・年金定期便の「これまでの保険料納付額」は、累計の納付額が記載されている、厚生年金は労使折半なので、会社が半額を負担しているため、国はこの欄に書かれた2倍の額を受け取っている(p119)
・法人税は、そもそも所得税をきちんととれていれば徴収する必要のない税金だから、日本は所得の捕捉率が低いから、法人税率が下がらない(p126)
・人口減少は、この20年間ずっと続いているが、安倍政権・小泉政権以外の時は、就業者数が増加していないという事実を知るべき(p162)
・新しいモデル就業規則では、副業・兼業が新たに書き加えられていて、これまでの原則禁止から、届け出により原則自由となる(p165)
・パチンコは日本の法律ではギャンブルに入らない、三店方式といって、その場で換金せず、景品所で球数を精算して、建物の外にある換金所で換金するので、競馬や競艇とは異なる理屈(p202)
2019年5月5日 -
Posted by ブクログ
これまでの著書から数字に強い印象がある高橋氏が書いた統計の本ということで、買ってみた。ベイズの定理、条件付き確率については、これまで何冊も読んできたことがあるが、「パーセントではなく、実数に置き換えて計算する」とよくわかるという解説に強く納得した。
ちなみに本書は半分以上が震災後の経済政策が間違っているという解説書になっている。パラパラ読みでまだ十分に読みこなせなかったので、他著を年末にでもじっくり読みこなしたいと思う。池上彰や「デフレの正体」を批判しているあたり、(特にデフレの正体には非常に納得していただけに)緊張感があってますます他を読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
高橋さんの本はみんな淡々と描かれていて、本当かよと思うんだ。なんか、クラスみんなであーだこうだって言ってる時に、一人だけ別なことやってて、突然変なこと言い出す奴みたいな。
多分、問題を物凄く簡単に切り分けられてしまうんだろうね。実のところ、本質ってのはそういうものかもしれない。
年金は、保険である。しかも、誰もが強制的に入んなきゃいけないもんである。んで、賦課方式なんだ。
多分これで十分。
問題はそこに利権とか、いろんなものが関わって来てるってことにみえる。
年金は破綻しない。しないように設計されているから。
ただ、世間が破綻と言ってるのは、年金だけで生活ができなくなるということで、著者は、そこはあためえだと言ってるわけで。その通りだよな。人口が減って来ること自体も、問題は、人口だけでなく収入全部だってこと考えてるのか。
敵が多いのも判るわな。 -
Posted by ブクログ
本日は2018年(平成30年)5月1日、来年の今日には、新元号元年を迎えていることでしょう。平成は30年続いたことになりそうですが、果たしてどんな時代だったのでしょう。そして、この次の時代は平成と比較してどのようになるのでしょうか。昭和から平成の移り変わりは、私は大学を卒業してから社会人になることろだったので覚えていますが、平成になって、明らかに日本経済を覆っていたバブルモードが変わった時代だと思います。
その前の時代は歴史を勉強することで予想するしかないのですが、大正天皇は、大正15年の年末に崩御されたので事実上の昭和の始まりは昭和2年となりますが、有名な昭和恐慌が起きています。その前は、江戸から明治時代になるときですから、すごい変化を経験しています。
これから類推されることは、次の時代になったらすぐにでも、多くの、そして大きな変化が起きることです。天変地異が先か、地域紛争が大きくなるのが先か、更には、どこかの国の経済がおかしくなるのが先かわかりませんが、日本もそれらに少なからず影響を受けることになると思います。
さて前置きが長くなりましたが、日本で(アメリカもそのような感じがありますが)メディアが報道する内容は、少しおかしいなという部分があります。それを明確に、一次データを確認して本にしてくれているのが、この本の著者の高橋氏で、元大蔵省の官僚でもあることから、政府の事情もよくご存知です。
日本国債が多くなって日本は破綻するという議論は、少なくとも私が社会人になった時位から行われています。これに対して、明確に根拠をしめして反論している数少ない有識者であると思っています。この本では、日本の真の実力というものを、彼なりに解釈しています。どの国にも問題点はあり改善する部分はあると思いますが、日本の若者には夢をもって、来年以降に始まる新しい時代を生きて行ってほしいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・森友学園問題は、最初から競争入札にしておけば価格の妥当性も問題にはならず、価格公表も入札時に終わっていたはず。だが財務局は法律の範囲ではないので、自分たちでつくった政令に基づいて事後処理をしたので、そこから始まっている(p19)
・大学による学部の認可申請と、文科省による学部の認可を混乱してはならない、大学の学部認可とは、行政法では「運転免許」のようなもの、学部認可の「申請」は、いわば自動車学校への入学と同じ、入学したからといって免許合格は保証されていない、合格を見極めて発行する権限は文科省にある(p25)
・法の世界には、「否定する者には、挙証責任はない」という格言がある。「ない」ことを証明するのは困難だから、なので「やっていない」という相手に「証拠を示せ」と迫るのは、無謀である。「やった」という確かな証拠を見つけ出し、その事実をもって問うべきである(p28)
・世界の中央銀行は、景気や雇用にも事実上の責任を持っている、FRBには失業率目標がある(p35)
・同盟関係を結ぶ基本的な考え方は、敵にすると一番怖い相手と組む、ということ。第二次世界大戦後、2007年までに38の戦争が起きたが、アジア地域での戦争に最も長期に渡って関与した国がアメリカである(p51)
・日米安保を締結し、国内の基地に米軍駐留を認めている時点で、日本は集団的自衛権を行使していると世界からは思われている(p52)
・ノーベル経済賞を受賞した、スティグリッツ氏(2017.3/14)は、国の「債務」は国の「資産」とグロスで考えなさい、と言ったし、もっと端的に言えば「財政再建の必要はないし、消費増税もやめなさい」ということ。(p65)
・経済関連でとくに重要なのは、財務省と日銀、記者クラブは財務省が「財政研究会」、日銀が「日銀クラブ」と呼ばれていて、大手新聞の経済記者にとっては幹部への登竜門ともいわれる(p74)
・メディアが事実をきちんと伝えられない原因は、1)日刊新聞紙法(日本の新聞社が他企業から買収されない、商法の適用除外)、2)再販規制、3)軽減税率、4)国有地低廉売却、がある(p83、85)
・電波オークションが実施されれば、総務省がテレビ局に睨みをきかせる、テレビ局にとっては既得権を守る、がなくなってしまう(p88)
・最初の就職がうまくいくかどうかは、その後の人生を決める大問題である(p95)
・時間がない、という言葉は、時間の使い方がうまくない、という意味でしかない(p124)
・パレートの法則によれば、2時間で80%の成果が出たならば、残る20%を獲得して成果を100%にするには、さらに8時間を費やさなければならない、ということ、80%から先の部分は、そもそも自分の力量が足りないから未完成、だから早くパスを出して、パートナー・第三者の知恵を借りた方がいい、これがサッカースタイルの仕事(p129、130)
・実際に、2016年12月に経済産業省は、AIに国会答弁を下書きさせる実証実験を始めた、過去5年間分の議事録を読ませて、質問に対して過去の問答内容を踏まえて答弁できるかを検証してきた、これにより徹夜をすることがなくなったと述べている(p134)
・感性に基づいた仕事については、コンピュータの代替確率が低い、AIにはできない仕事を少ない人口でやっていくことになる(p137)
・ネット負債では、日本は465兆円(2016年)でGDP比は、87%、アメリカは104%、中央銀行も含めた統合政府でみれば、日本は169兆円で32%、アメリカは87%、この傾向は20年近く一貫している(p162)
・年金の場合のバランスシートの負債相当部分は、給付額(年金債務)で、資産に相当するのが、徴収する「保険料」となる、年金債務:2030兆円に対して、将来保険料:1470兆、国庫負担390、積立金170兆円となる(p175)
2018年5月3日作成