高橋洋一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・「世界標準」から外れた日本でしか使っていない「おかしな」考え方(仕組み)を見直そうというのが著者のスタンス。
例)高速道路の無料化 →料金を細かく設定して、利用料をコントロール(ETCを上手に活用)
新規国債発行額、国債依存度 →プライマリー・バランス
→確かに食料自給率のカロリー換算だとかも同類に思える
・年金を賦課方式から積み立て方式に移行するのは無理
→社会保障個人勘定(口座)を創設して、個人単位で税金、年金、医療、介護、生活保護などをひっくるめたシステムを作るべき。(社会保障番号の導入が前提)
→個人単位で、所得の補足の精度が上がる為、法人税は下げても良い(法人税と所得税の2重課税の解消) -
Posted by ブクログ
多くの人が現在の日本経済低迷の原因をアメリカのサブプライムローン破綻によるものだと考えています。ところが、実際サブプライムの影響は極僅かにすぎず、日本経済で円高・株安をもたらしているのは日本の金融政策の失敗であると書かれています。金融政策の基本として、中央銀行(日本であれば日銀)が金利を上げる(金融の引き締め)と世の中に出回るお金の量が減り、お金の価値が上がるデフレの状況になり、また金利を下げる(金融緩和)と世の中に出回るお金の量が増え、お金の価値が下がるインフレの状況になります。2006年3月に日銀は、2001年3月から続けていた金融緩和をやめ金融引き締めの態勢へとシフトチェンジしました。著者高橋氏はこの決断が現在の日本の経済低迷の大きな要因であると述べています。それを説明したのが、1929年を代表とする大恐慌の際に必ず行われたインフレを目標とする金融政策でした。貨幣供給と物価指数との相関図を用いて、経済状況を反映する金融政策の影響の大きさを証明したのです。(今でも金融政策が経済に影響を与えることが少ないと考えられているのは、金融政策を敷いてからそれが実際の経済状況に反映されるまでにタイムラグが生じているからである。)
ここで今現在の日本経済の円高・株安を説明するために、2種類ある金利について書かれています。2種類とは名目金利と実質金利です。名目金利は目で見るままの数字であり、実質金利とは名目金利をインフレ予想率(量的緩和やシニョレッジなどの金融政策で操作可能)で引いた実際の経済に影響をもたらす金利です。要するに大事なのは実質金利であって、この実質金利(インフレ率か名目金利、もしくはその両方)の二国間平衡が崩れるとその二国内で通貨の価値の高低が発生するのです。たとえば、1ドル=100円のコーヒーが日米で売られているとしましょう。名目金利が変わらないとし、アメリカの実質金利がゼロ、日本を2%とします。これは実質金利=名目金利-インフレ率(物価上昇率)より、アメリカの物価上昇率はゼロ、日本の物価上昇率は-2%と言い換えられます。つまり、1年後のコーヒーの値段はアメリカでは変わらないまま、日本では-2%で98円となります。円高となるのです。実は今の例と同じ現象が、サブプライム問題発生以降の市場で起こっていたのです。
サブプライム破綻によって、アメリカの中央銀行であるFRBは公的資金注入などの金融政策により、名目及び実質金利の引き下げ(金融緩和)を行い、景気の回復に努めました。欧州やその他の国々もアメリカに続き、次々と金融緩和にて金利の引き下げを行いました。その一方で金利の引き下げを行わなかった国があります。それは日本であり、この実質金利の平衡の崩れが今の円高を発生させたと言えます。これが高橋氏の言う日銀の失敗です。円高になると日本国内の株式市場を担う輸出産業がダメージを受け、その株価が下がることになります。つまり、金融政策は株価にも多大な影響を与えていることがわかります。
以上のように、現在の日本経済低迷にはサブプライムではなく、日銀による金融政策の失敗が大きく起因していると高橋氏は述べ、金融政策の重要度の高さを主張しています。さらに、日本の景気回復には、アメリカのような日銀(中央銀行)と政府との理解及び協力が必要だと促していました。 -
Posted by ブクログ
全体的な評価としては、読みやすい本だったように思う。
この本は約30程度の政治トピックスに関して解説や著者の意見が述べられているのだが、
1:個別トピックスの説明はわかりやすく、また自分の意見を基準を示して述べているので読みやすかった
2:大きな構成として、トピックスが五月雨式だったりレベル感がバラバラだったので、全体像をとらえるのが難しかった(もしかすると無いかも)
文章の書き方としては、民主党の政権獲得以降の政治的なトピックス(高速道路無料化や子供手当などの財政トピックスから成長戦略)に対して、マスコミが取り上げるような国民視点の疑問をスタート地点として、著者の解説とそれに対する意見・視点が述べられている。
約30にわたる個々のトピックスに対しては、その解説もわかりやすく(日常的にニュースを見ていればだいたい理解できる程度)、著者の意見もコストベネフィットの考え方や、効率性では行政は市場を上回る事が出来ないという経験則に基づいており、基準が明確でわかりやすかったような気がする。 -
Posted by ブクログ
記録によればこれが高橋氏の38冊目の本となり、最新本(2026.10.31現在)だと思います。著者の高橋氏は、必ず一次情報を調べて、論理を展開しています。私がニュース等で見る情報は、加工された情報が多いので、手を惜しまずに原始データを調べて解説してくれているので嬉しいです。
それを元に数学を専攻した彼らしい解説をしてくれるので、それも参考になります。インターネット上には様々な情報が溢れていますが、違った考え方も含む様々な本を読んで、ニュースが伝える真の姿を理解したいと考えています。
以下は気になったポイントです。
・税控除には「給付 所得 控除」と「税額控除」の 2 種類 が ある、税額 控除 は ほとんど 例 が なく、政治 資金 の寄付金や「ふるさと 納税」ぐらい で ある。例えば 100万円 を ふるさと に 寄付 し て税 格 工 上 扱い に すれ ば 税金 を 納め た の と 同じ こと に なる、この アイディア を 伝え た の が 筆者であり、財務省と総務省が青ざめていた。税額 控除 は 給料 所得 控除より 減税 効果 が はるか に 大きい から で ある(p25)
・高市 政権 の 特徴 は今 まで 政府 投資 が 少なかっ た 分野 に 集中 的 に 投資 を 行い 民間 から の 密 投資 を 引き出し そう と し て いる こと で ある、過去 30 年間 G 7 諸国 と 比べ て 日本 の 政府 投資・ 民間投資は少なかった、低 成長 の 一員 で ある 過小 投資 を 是正 する 動き に つい て 市場 が 好感を 持っ た の で 日本 の 株式 市場 は 上昇 し た(p43)
・高市政権のカラー が本当に反映されるのは12月に策定される2027年度予算である、予算 決定 まで の 間見通し など を 巡っ て 株価 は 落ち着か ない 展開 と なる で あろう(p47)
・今回 の 日本 の 金利 上昇 は 円安 に よっ て 名目 成長 率 が 上がり 同時 に 税収 が 上がる 中 で の 上昇 で ある。 足元 の 名目 成長 率 が4% 程度 あり長期 国際 金利 が 2.8% 程度 な の で財務 破綻 の 仕 用 が ない(p52)
・ 日本 の 公共 投資 が 求め られ て いる に も 関わら ず 投資 を 抑制 し て いる 要因 と し て、国土 交通 省 が 公共 投資 の 費用 と 現役 を 分析 する 際 に 採用 する「社会 的 割引率」が ここ 20 年 ほど 4% と なり あまり に も 高い から で ある。高すぎる社会的割引率は公共事業の阻害要因となっており失われた30年間と呼ばれる低成長の一員である、先進諸国では社会的割引率は長期国債の実質利回りに設定されることが多い、現在 の 国債金利 で 機械 的 に 適用 する と 社会 的 割引率 は 0 か マイナス で ある(p61)
・ 日本の蓄電地の性能構造は追いついていない技術的な壁として「高いエネルギー密度」「安全性」「低 コスト」の 3 つ を 同時 に 満たす こと が 課題 で ある(p79)
・ AI の 進展 は 凄まじい もの が ある、これ から は 頭脳 労働 より 肉体 労働 の 市場 価値 が 高く なる か もしれない、実 は ブルー カラー の 方 が 変わり は 効か ない(p96)
・ 日本 銀行 が 2025 年 12 月、政策金利 を0.5% から 0.75% と いう 30 年 ぶり の 高 水準 に 引き上げ て から 大儲け を し た 業界 が あるこれ は 銀行 で ある。メガ バンク の 当座 預金 を 200兆円 と する と 約 1.5兆円 の お 小遣い が 生まれる から で ある(p127)
・ クラウドファンディングが資金調達者と出資者を直接結びつけたように、 SNS は情報提供者と視聴者を直接結びつけた、tiktok や Xは、記者 より はるか に 早く 正しく ニュース を 伝える、時 に は デマ も ある が デマ を 乗せる の は 新聞 や テレビ も 同じ で ある(p128)
・高圧 経済 と は供給 を 需要 が 上回る こと で投資 など が 加速 し さらに 需要 圧力 が 高まる 経済 状況 の こと で ある、この ため に は 財政 緩和 と 金融 緩和 を 続け て加熱 状態 を 維持 する 必要 が ある、ノーベル 経済 学 賞 を 受賞 し た クルーグマン は インフレ 率 4% まで は 許容 す べき と いう 考え 方 を 取っ て いる(p131)
・第 1 次 石油危機 で は 1973 年 10 月 の 中東 戦争 を 勃発 で 原油 価格 4 倍 に なっ た 後 国内 の 物価 が 24% も 上がっ た、しかし 物価高 の 本当 の 原因 は その 1 年 ほど 前「日本 が 円 を 切り上げ た」こと に ある、円高 の 加速 を 懸念 し た 政府 が ドル 買い 介入 を 行っ た こと で マネタリー ベース が 急増 し過剰 流動 性 を もたらし て物価 が 急 上昇 し た、重要 な の は 原油 価格 より も 金融 政策 の 方 が 国内 の 物価 と 景気 に 影響 を 及ぼす と いう こと で ある(p137)
・路線価と は道路 に 面する宅地1平方 m あたり の 評価 額 で ある、国税 庁 が 毎年 7 月 1 日 に 公表 し 主に 相続 税 や 贈与 税 の 算出 基準 と し て 使わ れ、金額 は 地価公示 価格 の 80% を 目安 に 設定 さ れ て いる(p146)
・日銀が政策金利を上げると物価が下がるということが分かる、メディア が 報じ た 石油 価格 の 上昇 と いう 要素 は 実 は さほど 大きくない、影響 が 大きい の は 利上げ の 方 で ある(p152)
・トランプ関税で輸出企業は大変なことになるという経済学者がいたが現実にはそうならなかった、なぜかと言うと円安のプラス効果が関税 の マイナス 効果 を 相殺 し た から で ある(p155)
・円安 が 成長 率 と 税収 を 上げる こと は 財務 官僚 なら もちろん 知っ て いる、それ で も財務 省 に とっ て 円安 悪者 論 が 好 都合 な の は 円安 で 被害 を 受ける 人 向け の 経済 対策 を 政治 家 に 売れる から で ある(p161)
・フロー の 出入り(お金の出入り)として、円安 は GDP 増加 を もたらす、ストック(お金の総量)として、外為 特会に含み益をもたらす、日本 に は 1ドル 110円 程度 で 取得 し た ドル 債 が200兆円 近く あり 含み益 は 全体 で 50兆円 は ある だろう、 2026 年 の 為替 介入 で は 2.5兆円 程度 の 含み益 が 実現益と なり 税 外 収入 と なっ た はず で ある、よく 園 外 介入 と 呼ば れる が実際 の オペレーション は財務 省 が 外為 特 会で 保有 し て いる ドル債 を 償却する だけ で ある、介入と いう の は 大げさ で ドル債を 売る だけ の 単純 な 交換 業務 に すぎ ない(p163)
・トランプ関税に対して日本の自動車メーカーは関税 分 だけ まるまる 輸出 価格 を 引き下げ 輸出 総量 を 維持 する と いう 行動 を 取っ た、輸出 価格 で 関税 を 吸収 する こと に より トランプ 政権 が 高い 関税 を 課し て も 米国 で の 販売 価格 は 不変と なり 台数 ベース で は 輸出 は 減ら なかっ た。そこ に 拍車 を かけ た の が 円安 で ある1 割 程度 円安 に なっ た の で 15% ドル 建て 価格 を 引き下げ て も 日本円 の 手取り は 数 % の 減少 に 留まっ た と 思わ れる、一方円安は日本 国内 へ の 輸入 価格 を 高める、10% の 円安 が 起き た 場合 物価 の 押し上げ 効果 は 0.2% と さ れる(p168)
・ 世界 の 外国 為替 市場 の1 日 あたり の 取引 額 は約 216兆円 で ある、この 状況 で いくら 財務 省 が 為替 介入 を する と 言っ て も外為 特快 で 保有 するドル債 の 売却は 10 兆 円 程度 1 日 の 取引 額 の 5% 程度 に 過ぎ ず円高 へ の 効果 は 一定 期間 あっ た と し て も効果 は すぐ 消える(p171)
・もし 仮 に 日本 で 全国 都 道 府 県 別 の 貿易 収支 統計 が あっ たら どう なる か、東京 都 は おそらく 大 赤字 で ある 平均 所得 が 高く 地方 から 物品 を 輸入 し てる から で ある(p175)
・2025 年度 の 一般 会計 税収 が 84兆円 を 超え過去 最高 を 更新 し た、物価高 や 好調 な 企業 業績 が 税収 を 押し上げ た と 報じ られ て いる が、最高 税収 の 根本 原因 は 円安 で ある。よく 円 の 価値 を 日本 の 強 さ と 勝手 に 勘違い し て いる 人 が いる が、円安 は 経済全体 に とっ て はプラス で 円高 の 方 が マイナス、円高 不況 と いう 表現 が 用い られ た こと が ある が この 方 が 正しい(p179)
・人口減少の対策としてあげられるのは、機械化・AI 化である 、長らく 人手不足 が 叫ば れ た 農業 の 分野 で も 近年 は ロボット 技術 や、IOT(モノのインターネット)、 AI と ビッグ データ を 活用 し た スマート 農業 が 始まっ て いる。人間ができることは「センサー を 備え た ロボット」によってほとんど対応可能である、人手不足とされるタクシー業界や宅配業界でも、海外ではすでに AI 化・ロボット 化 が 実現 し て いる(p191) これ は1人 当たり の 生産 性 上昇 に 寄与 する、一方 で 移民 と 経済 成長 率 と の 間 の 相関 関係 は 低く 移民 に よる人口 増 が 経済 社会 に 与える 影響 は むしろ マイナス が 大きい (p192)
・人類 の 歴史 で は人口 減少 より も 人口 増加 の 方 が 大 問題 で あっ た、人口 増加 率 と1人 当たり 実質 GDP 成長 率 は 無相関、あるいは 逆 相関 の 関係 に ある、人口 増加 で 経済 が 良く なる と いう データ は あまり ない、人口を無理やり増やそうとせずに人手不足の分野でロボット化 、無人化を進める こと が 大事 で ある(p195)
2026年10月18日読破
2026年10月31日作成 -
Posted by ブクログ
外国人労働者は本当に必要かの議論が面白い。
2018年に成立した改正入管法によって在留資格「特定技能」が新設され、人手不足が顕著な14業種(介護、看護、宿泊、飲食、建設等)において、単純労働に外国人労働者が就くことが事実上認可された。移民に関するコストについては、企業は安価の労働力を得て、それによる経済成長のマクロ便益もあるが、日本人の労働を奪うのでマクロ便益は軽微になる。一方安価な外国人を受け入れるので、社会保障はかなりマイナスとなり、日本全体ではマイナスとなる。日本は島国であり、古来から外国人労働力に頼ることなく、国として十分に成り立ってきた。
日本における外国人労働力の問題は、外国人労働者の流入によって予測される社会問題の大きさとの比較で考えられるべきものである。
戦争が起こるリスクについて
有効な同盟関係を結ぶことで、戦争のリスクは40% 減る
相対的な軍事力が一定割合増すことで、戦争のリスクは36% 減る
民主主義の程度が一定割合増すことで、戦争のリスクは33% 減る
経済的依存関係が一定割合増すことで、戦争のリスクは43% 減る
国際的組織への加入が一定割合ますことで、戦争のリスクは24% 減る
韓国にとっては、日米間関係の緊密化が対北朝鮮に関しての防衛上の国家戦略とならざるを得ず。北朝鮮の動き方によって日本に対する韓国の対応の考え方も変わってくる。
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Posted by ブクログ
デュベルジェの法則、興味深い。
比例代表制により、与党の人数が分散、政局不安定、政策実行力が弱くなる。
比例代表制が、首相がたびたび変わる要因となっている。
比例代表により、当選した弱小政党の意見が反映されることはないというのがデメリットだということであるが、与党が過半数を割った場合は、意見を反映させる可能性がでてくる。
弱小政党は、市民に寄り添った政策を掲げることが多く、市民目線での政策を通す(大局で見れば犠牲にされて優先順位が落ちる政策)とすれば比例代表性の存在は無視できない。が、その場合は国民の大半の支持を受けている(票数的に)与党の掲げる政策の実行力が落ちるという問題もある。
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Posted by ブクログ
日銀の国民への影響力は、かなり大きく、これまでの日銀総裁の判断によりかなりのミスをしている。
バブル時の失敗。土地や株価は、日銀の範囲ではないのに介入。物価はそれほど上がっていないのに。日銀の範疇ではない。にもかかわらず、三重の総裁は公定歩合を何度も引き上げ、景気を冷え込ませた。失われた20年。
アベノミクスは、雇用を創出。失業率を下げ、自殺率を下げた。自殺の原因は家庭や会社、学校、病気などがあるがこれらはいつも一定。経済状況で変わる。雇用を良くした事で下げることに成功。黒田総裁の金融緩和。
フィリップ曲線。横軸に「失業率」、縦軸に「物価上昇率(または賃金上昇率)」をとったグラフで表される、経済学の概念。2つの指標の間には「一方が上がるともう一方は下がる」というトレードオフ(反比例)の関係があり、ニュージーランド出身の経済学者A.W.フィリップスが1958年に提唱。景気が良くなると企業の求人が増えて失業率が低下、同時に労働力が逼迫するため賃金や物価が上昇しやすく。逆に、不景気になると失業率は上がりますが、物価は安定(または下落)。