【感想・ネタバレ】60歳からの知っておくべき地政学[電子版特典付き]のレビュー

あらすじ

トランプ復権でアメリカはどう変わる?
石破内閣誕生でアジア版NATOは発足する?
地政学で世界情勢の「今」と「未来」がよくわかる!

米中対立にウクライナ戦争と、世界ではまだまだ紛争が絶えず、これらが第3次世界大戦の引き金になるとさえいわれている。ロシアや中国といった大国の指導者こそ変わらないが、今年 11 月には米国の大統領選挙、その前後では日本でも自由民主党総裁選挙と衆議院解散総選挙が行われたばかりだ。
とりわけ 60 歳以上の読者にとっては、これまでの60年間の人生の中でも、世界の情勢や日本の外交政治が大きく変わる転換期といえる。
中には60歳で定年を迎え、あとはのんびり余生を過ごせばいいという人もいるだろう。だが、日本はいつ戦争に巻き込まれるかわからず、決してひとごとではない。「日本にとって何が正しく、どう行動すべきか?」それを知るために有効な学問が「地政学」だ。
本書では、中国、ロシア、欧州、米国といった大国を地政学的に解説するのは もちろんのこと、インドをはじめとした経済成長著しい新興国、さらには日本でも昨今問題になっている移民政策についても解説していきたい。
髙橋洋一 (本書「はじめに」より)


【本書の内容】
序 章 「戦争を知る」ことが地政学
第1章 「イデオロギー」の冷戦時代
第2章 「中国経済」「ロシア軍事」包囲網時代
第3章 「機構」から読み解く新冷戦時代
第4章 国益に繋がる経済・通商政策
第5章 新冷戦時代の外交・安全保障
終 章 喫緊に迫る「危機」と未来の「希望」
追 章 「米中露」大国の地政学

[電子版特典]は「終章」の後に「追章」が追加されております。
※既にご購入済みの方で「追章」がない(表示されない)場合は更新(アップデート)してください。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

難しい内容だったが、読みやすかった。高橋氏の本は難しいことをわかりやすく書いてあるものが多い。終章で書いてあった通り、学ぶ事を止めない姿勢は大切だと思う。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

日本はいつ戦争に巻き込まれるかわからない。
日本にとって、何が正しく、どう行動すべきか?
それを学ぶための学問が地政学。
やっと最後までとばしながらではあったが、読み終えた。
ただ私には難しすぎてよく分からなかった。
この本の終わりに
戦争は外交の失敗!
大切なのは学ぶ姿勢を止めないこと。
その通りだと思う。

0
2025年07月29日

Posted by ブクログ

高橋先生の解説が凄いのは、、、

上辺だけの国際情勢を語るのではなく、過去の歴史、遺恨を知りながら、その上で統計的な「数字」で語るから、説得力があるし、的を射てるんだなと再認識。。

0
2025年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もうすぐ誕生日が来ますがまだ60歳です、新刊をチェックしている高橋氏の本が出たので読みました。この本は単なる地政学の解説本ではなく、地政学の意識を持って巷に溢れる情報を理解しなさい、という趣旨で書かれていると思います。

米国ではトランプ政権が開始され、予想以上の大変革が起きます。この機会を活かすも殺すも、それまでの準備と、今後起きる変化に上手に対応していくことが大きな差を生むことになると思います。この本に書かれていることを参考にして、自分の生き方を考える良い機会を与えてもらったことに感謝します。

以下は気になったポイントです。

・世界で起こっている事象を深く理解するための一つの視点が「地政学」だ、世界の戦争の歴史を知ること、そして国や地域が置かれた地理的条件から物事の深層を考えるという学問である(p14)

・朝鮮戦争において、釜山から対馬、さらには九州にまで脅威が迫る中、日本が本格的な戦争に巻き込まれないようにするために防衛策として掃海艇の派遣が下されたことは十分に理解できる、日本は現実的な判断から集団的自衛権を行使し、同盟国と自国を守ったと言える(p24)

・日本は長年、ロシアを過度に敵視せず、中国だけに対抗するというスタンスだった、しかしウクライナへの侵攻を機に、仮想敵国としてロシア、中国、北朝鮮の三方面に対応せざるを得なくなった、冷戦の火種は今もなお燻り続けている(p34)

・死者の絶対数は第二次世界大戦だが、人口換算後のランキングでは、一位は、中国唐(8世紀)の安史の乱(3600万人に対して、4億2900万人)2位は、モンゴル帝国の制服、以下、中東奴隷貿易、17世紀の明朝滅亡である(p36)人類は20世紀以降、急速に平和的になったと指摘されている(p36)

・半導体製造装置メーカは世界でも限られる、ASML(オランダ)、アプライドマテリアル(米国)ラムリサーチ(米国)、東京エレクトロン、KLA(米国)の5社が8割を占めている(p43)

・国際金融のトリレンマとは、自由な資本移動、独立した金融政策、固定相場制、を同時実現できない。中国は共産主義体制なので、自由な資本移動を許していないので、自由な資本移動を制限し、固定相場制と独立した金融政策の2つを選ばざるを得ない。こうした制約があるので、中国が主導するAIIBからは低コストでの資金調達は難しい(p51)

・海中の原子力潜水艦は、空からは簡単に捉えられない、さらに長期に渡って燃料補給を必要せずに連続航行ができ、余剰電力で海水から酸素を作れるため、数ヶ月以上の潜航が可能、その意味では現時点で最強兵器とも言える(p58)

・プーチンが停戦に応じるためには、ウクライナがNATOに加盟しないことが絶対条件となる、しかしウクライナがNATOからこれだけ軍事支援を受けている状況では、事実上NATOと一体であるとプーチンには見えるだろう、これがプーチンが和平を回避して戦争の長期化を望むインセンティブとなっている(p75)

・旧ソ連諸国を中心とした陣営には、集団安全保障条約機構(CSTO)がある、現時点での加盟国は、ロシア・アルメニア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ベラルーシであり、NATOに対抗する地域的な軍事同盟と位置付けられている(p88)

・経済は、アジア太平洋・欧州・北米州の3極がある、米大陸にはUSMCA(2020.7,米国、カナダ、メキシコ)の貿易協定でNAFTA に代わるものである、欧州にはEU、アジア太平洋には、RCEP(2022.1)があり、参加国は、ASEA10カ国(インドネシア、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、フルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー)と、それらのFTA(自由貿易協定)パートナーである日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、2024年6月にはチリが正式加盟した、ロシア中心のEAEU(ユーラシア経済連合)もある(p101)

・債務返済に苦しんでいるスリランカに対して、日本、インド、先進国からなるパリクラブはスリランカの債務問題に対処している(p113)こうしたスリランカのような事例が相次いだことで、一帯一路の評判は低下の一途を辿っている(p114)G7から参加したイタリアも2023年12月に正式に離脱した(p114)

・TPPへの参加で日本は自由貿易の恩恵を受けられるようになった、自由貿易とは、可能な限り国家間で関税をかけずに輸出入を行うことを指す、自由貿易のメリットを受けるのは主に輸出業者と消費者、デメリットは、輸入業者と国内生産者である、そして自由貿易の恩恵とは、メリットがデメリットを上回ることを意味する、これは経済学の200年の歴史において最も確実な理論である(p131)

・ISD条項(国家対投資家の紛争処理条項)について、日本はこれまでに50以上の投資協定に署名しており、その中にもISD条項が含まれているが、対日訴訟は1件も起こっていない、世界では多数発生しているが、訴えられるケースの多くは国内法が不備な途上国である。ISD条項は、投資家や企業が国際投資で相手国に不平等な扱いを受けないようにするためのものであり、日本のような先進国には有利に働く(p133)

・カントの提唱したのは、民主主義の程度・経済的依存関係の構築・国際的組織への加入、の3つで、この中で民主主義にフォーカスしたのが、民主的平和論である、民主主義国では、選挙で選ばれた政治家は、国民の視線を意識せざるを得ず、三権分立や二院制のような権力機構の抑制が存在するため、戦争という行動が選ばれにくい(p156)平和の5要件とは、1)同盟関係、2)経済的依存関係、3)国際的組織への加入、4)民主主義、5)相対的な軍事力である(p160)

・第二次世界大戦が終わった日は、日本人としては「8月15日」であるが、他国の人々は「9月2日=戦艦ミズーリ艦上での日本政府のポツダム宣言に基づく降伏文書に署名した日」である(p171)

・核シェアリングとは、NATO加盟国が抑止力を共有する仕組みで、核保有国(主に米国)が非核加盟国に核兵器使用に関する協力や訓練を行う、但し実際の核兵器の管理、運用権は核保有国にある、これにより非核国も核抑止力を使えて安全保障を強化できる。すでに、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコでは実施されている(p201)

2025年1月19日読破
2025年1月23日作成

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2025年02月05日

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