高橋洋一のレビュー一覧
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元財務相の官僚であった、「埋蔵金」を発掘したり、日本政府のバランスシートを初めて作成した、高橋洋一氏による、年金問題を解説した本です。
この本の結論は「年金は破綻しない、しかし現時点でもらっている人のように貰うことはできない、破綻をさけるためには、年金を支える人たちの保険料(給料天引き)を増やす、年金支給時期を減らす、年金額を減らすしかない」ということです。また、年金は政府が半額、さらに企業も負担しているので、国民年金を未納している人は不利であることも強調されています。
私も50歳を超え、年金定期便に、65歳以降に貰える見込み額が記載されるようになりました。その額を見ていると、十分とは言え -
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2014年10月〜2016年1月までに「現代ビジネス」掲載された著者の連載コラムを抜粋してまとめたもの。と言うことで、タイトルから予想していたのとは違って、主にアベノミクスの財政政策や日銀による金融政策について、統計データに基づいて議論しているというものでした。著者によると、データから言ってアベノミクスの政策は概ね正しく、野党や主要(左派)新聞の反アベノミクス論調はデータに基づかず的を射ていないし不勉強とのことです。著者は東大理学部数学科と経済学部経済学科を卒業して2008年まで大蔵省・財務省に勤務していただけあって、個々の政策に対する数字データを用いた説明に説得力はある。日本政府の借金(負債
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ネタバレ2016年、58冊目です。
日本は、深刻な財政状態ではないとの主張が基軸になっています。
借金は、実質100兆円であり巷間言われている1100兆円ではないとも。
日本は様々な資産を保有しており、なおかつ日本銀行は政府の銀行であり、
会社で言えば子会社に相当するという考え方(国際的にはそう見られる)でバランスシートを作成するとそういう数字になるとのこと。著者は元財務官寮でであり、実際にそういった資料を作成していたと書かれています。
しかしこのままでは日本の財政状況は悪化していくことは分かっている。
それを回避するには、「増税を実施し、社会保障や地方交付税の大幅削減」しかないというのが財務省のシ -
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今月(2016.10)上旬に発刊された、2008年まで財務省官僚をしていて、埋蔵金(隠れ予算)や日本国全体のバランスシートを作成した功績のある、高橋氏の最新本です。
この本は、巷に流れる、世界や日本の経済報道ニュースについて、彼の鑑識眼によれば誤解を招くものや、明らかに誤った報道がされているとして、それらに対して、彼が入手したデータをもとに、彼の専門である「数学的考察」を加えて、説明しています。
そのように論理的に説明されてしまうと、私としては反論する力もなく「なるほど」と思ってしまいます。誰か本やネットで反論してくれて、そして対談でも実現すると、楽しい番組になりそうですが難しいでしょうか -
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元財務官僚であり経済学者である高橋洋一氏のマイナス金利の解説。
リフレ派なのでマイナス金利について積極的推奨側のスタンスであることを差し引いても、詳しい実情やはじめて知ったことなど学べることも多数。
読んでいるとマイナス金利(をはじめとした日銀政策)によって上手くいくと錯覚してしまいがちですが
「実は、これまで解説した債務の解消のプロセスは、デフレが前提条件となっている。デフレ下でのみ、機能する話なのである。」(P.181)
ここが読み終えてもどうしても気になって仕方がない。
P.35では賦課方式なのだからGPIFの運用は不要と切り捨てているのも、少子化に進んでいることと積立方式も平 -
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戦後荒廃後も民生工場が多数残存し、資本主義の土壌があったので原材料があれば復興できる状態であった。経済成長は民間主導、自由貿易によっていた。民間躍進も技術力だけではなく、固定相場制の為替による高レートの恩恵を受けていた。固定相場制の維持のために政府によるドル買い円売りは金融政策を封じることになる。ニクソンショックは金本位制の限界から予想された話しで急なインフレはオイルショックで始まったわけではない。バブル経済は一般物価の高騰は顕著に見られず、株、不動産のみの値上がりだった。デフレの今は、金融政策によりマネーサプライを充実させてマイルドインフレを目指し、需要を拡大する必要がある。
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元財務相の官僚であり、以前「霞が関埋蔵金」がどの程度あるかを発表して一世を風靡したころから、この本の著者の高橋氏の本を読んできています。この本は今年(2016)8月に発行された現時点での彼の最新本で、現在の日本の状態を解説しています。
メディア情報によれば、参院選後に憲法改正がしやすくなったような報道がなされていますが、実は容易ではない様ですね。イギリスのEU離脱の影響、マイナス金利が日本経済に与える影響、日本の借金1000兆円と言われていることに対する本当の見方、集団的自衛権とは何かの解説までわかりやすくされています。
新聞やテレビをそのまま見ていても理解できない様な内容が書かれていてた -
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今年(2016)初めに出版された、高橋洋一氏の新しい本です。その一か月程前には「地政学入門」という本も出されていますから、凄い執筆活動をされていますね。
出される本が私の興味をそそるものが多く、この本もその一つになります。帯に書かれているコピーに思わず惹かれました。高度経済の要因は殆どが為替であり、通産省の指導はあまり関係ない、バブル期には物価は上昇しておらず、していたのは資産価格のみ等、彼の根拠には実際のデータの裏付けがあって、私としては納得できるものが多かったです。
真実が分かられば、現在日本経済が低迷していて、それに対する解決策を官僚が示すことができないのも理解できますね。この本を読 -
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面白かった。政治の裏舞台をここまで赤裸々に語って大丈夫なのか!?とハラハラしてしまうような一冊。
ハトに餌をやりに行くという表現が印象的。ハト=マスコミ、餌=官僚にとって都合の良い情報。官僚は自分の進めたいシナリオに導くべく情報操作を意図的に行っている、マスコミはこれを鵜呑みにし、拡散する。かくして、日本は一部の官僚の描くシナリオに沿って進む、とか。うーん、ってことは、この本自体も、実は二人のシナリオの基にかかれてたりするのか?と逆説的に考えてみたり。
とにもかくにも、何が正しいかをキチンと自分で考えることが大事。考えるときには視野を広げ、比較軸を持ちながら客観的に考えるべき。突き詰めて行 -
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この手の本を読むのは初めてだったので、今まであまり本を読んでこなかった私にはなかなか読みごたえがあった。
内容はアベノミクス肯定派の意見である。といっても、ただひいきにかかれているわけではない。著者も自身で述べているが、立ち位置云々ではなく、「論理的」にかつ丁寧に論述されている。
今までは私自身も、メディアの意見を鵜呑みにしてきてしまったが、この本を読んで、今回の政策がこれからの日本を変えていく上で、また、デフレから脱却するためにはいかに重要であるかを理解した。
私のような初心者でも、アベノミクスとそれに関する内容を学ぶには必ず頼りになる一冊であるのは間違いない。 -
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元財務官僚の高橋洋一氏のアベノミクス解説本。
本書は3部に分かれており、1部はリフレの誤解を解くためのQ and Aで16答。2部は、本書の根幹になりそうな著者のアメリカでのリフレと政策の出会いと帰国してから政策提言の実情や説明、3部がアベノミクスの死角となっている。
高橋洋一氏の本は何冊か読んでいるが、数学科卒の人間からすると、文系の法学部出身が多い官僚は、ロジックよりもシンパシーを大切にする人間が多く見えるのだろうなと思った。個人的には、経済学は理論通りではなく、生ものの面があるとは思うが、著者の考えに沿えば、日本の狭いスタンダードに惑わされるのはよくないと思った。