あらすじ
あなた、本当にわかってる? 基本を理解していないと、誤解を招き、ダマされる!
これまで自分にはよくわからないことゆえ、信用して鵜呑みにするほかなかったお上の論理も、マスコミの盲点も、何より根拠が見いだせないバカな経済論の数々を、本書を読むことによって自分で見抜けるようになるだろう。
将来、とくに経済面について漠然とした不安を抱くのは、もうやめにすべきだ。本書を通じて、しっかりした根拠に基づき、シンプルにものをとらえ、考える力がつけば、いままでいかに政治家や官僚から都合よくダマされ、マスコミやバカな経済論者に翻弄されてきたのかがわかるはずだ。真実味のない「大暴落」「崩壊」「沈没」「破綻」などの言葉に一喜一憂しなくて済む。日本の「どこがよくて」「どこがダメなのか」もよく見えてくるだろう。
【本書の内容】
失業率とインフレとデフレの関係/マネタリーベースと為替の関係/「世の中のお金の量」は日銀が調整している/金利は「ゼロ」以下にもできる/株価で経済を読もうとする間違い/日本は負債も多いが資産も多い/わかってる?国債の仕組み/MMT論者とリフレ派/デフレの原因が人口減少という間違い/貿易収支と経済成長率は無関係/日本の経済格差は微小/ベーシックインカムの何が問題か?/財政再建のための増税は必要ない/消費税は社会保障に適さない
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Posted by ブクログ
非常にわかりやすい内容だった。
自分は経済に強くないけど、漠然と考えてたことと似通っていたので共感できたと思う。
ただ、高圧的(?)な表現もあるので、その部分は気になりました。
この本に書かれてますが、本の内容を鵜呑みにするのではなくて、本当に正しい内容なのか自分で考えて読むことが大切だと思います。
Posted by ブクログ
政府の持っている資産の利益の出る範囲で借金をしているだけであり、全くリスクのある国債発行は行っていない
そもそも国債は政府が発行するもの。政府が発行した国債は、民間か日本銀行が所有する。
現状の国債総額は1000兆円で、500兆円は日銀が所有している。日本銀行が得た利益は全て日本政府に収める決まりになっているため、実質的に政府が払う必要がある借金は500兆円ほど。日本政府は対外純資産を600兆円ほど所有しており、その利息で日本銀行以外に支払う必要がある500兆円の利息は相殺される。
→つまり現状では、政府の持っている資産の利益の出る範囲で借金をしているだけであり、全くリスクのある国債発行は行っていない
現在の借金の1000兆円までは日銀が買い入れ続けることも可能。
この資産側の話を財政緊縮派や財務省はしないため、借金が積み上がっているということに対しての危機感のみが煽られている。
ただ、今後政府が国債総額を600兆円くらい増やすと、さすがに一気にインフレ率が上がるらしい。
Posted by ブクログ
「さざ波」発言で一躍有名になった人くらいの認識でしたが、プロフィールには〝「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」「ねんきん定期便」などの政策を提案〟とあります。なかなか面白そうなので、読んでみることにしました。
残念ながら私は経済のことは全く素人です。ですので、この人の主張が正しいのかどうかはわかりません。でも、とても面白く読むことができます。いや逆に、素人の方が気軽に読めるのかも知れません。
ただ、物言いは穏やかではありませんね。例えば、p.199「しかし、頭の出来というものは、そう簡単には変わるものではない。こう聞いて頭にくる人もいるだろうが、天才は生まれながらに天才だろうし、凡人はいつまでたっても凡人なのだ。」とあります。本人もそのあと、「ひどい物言いだと思うだろう。」と言っています。こういう言い方が気になる人もいると思いますが、私はかえってこの方が主張が分かりやすいような気がしました。
私が面白いと思った節としては、
p.103 消費税は社会保障に適さない
私たちはまんまとだまされたわけです。社会保障のために使うと言われれば、仕方ないと思う心理を利用されたわけです。
p.147 マスコミは「一番おおもとの資料」にあたっていない
読むの大変ですし、時間もありませんからね。
p.153 「大暴落」「沈没」「崩壊」に漂う〝うさんくささ〟
しょっちゅう見かける言葉ですが…。
p.179 「ふんわりした理解」が誤解を招く
これは私も反省です。政治や経済の専門用語は、ふんわりした理解で済ませていました。
p.199 「川を上れ」「海を渡れ」このふたつでたいていのことはわかる
川を上るというのは時間を遡ること、海を渡るというのは海外の例を参照することです。そして筆者は、「私は本書を通じて、まずあなたに考える基礎となる知識を知ってもらい、それらを用いることで、最終的には自分なりに考えることができるようになってほしいと思っている。」と言っています。
私もこれからは、少しずつ自分なりに考えるようにしていこうと思います。
なお、YouTubeの「髙橋洋一チャンネル」で、この本に書いてあるような著者の主張を手軽に知ることができます。そちらもお薦めです。
Posted by ブクログ
141ページ
「マスコミの脳は小鳥の脳だから、それに見合う情報だけを与えておけばいい」
これが財務官僚の認識である。
マスコミが不勉強で自ら真実を探究しようとしないため、財務省が自分たちに都合の良い情報を、都合の良いタイミングで流したことに乗っかっている。
それがマスコミの真実。
筆者は上記の理由から、新聞は読んでいないそうです。
筆者の大蔵官僚だった経験から、表に出ない内情が書かれており、そこを知ると、世の中に溢れている情報が全て正しいわけではないことがわかる。
この本の最終章に「読者がこれからすべきこと」とまとめてあるが、「考える力」が問われると冒頭にあります。
この本は経済の勉強にと手に取ったのですが、筆者は経済の知識を発表したくてこの本を書いたのでなく、この最終章にある「考える力」を読書に伝えたく、筆を取ったのだとわかります。
情報は簡単に誰でも収集出来る時代ですが、それが全て正しいとは限らない。正しい情報とは何か?また正しい情報を持って、その先や、なぜ?を考えなければならないのだと痛感しました。
またこの章に耳の痛みの痛いことが書いてあります。
「自分の納税額すら知らない」おめでたさ。
私は納税額について全く意識がありません。手取り額だけに興味関心がある人は多いと思います。減税徴収されているので、納税の仕組みを知らなくても生きていけます。ただそれでいいのでしょうか?筆者はそこに意識を持つ様に提言されています。大事ですよね。。。
意識を変えよ!考えよ!
そんなことを強く筆者から訴えかけられる自己啓発本の様でした。
それと難しいこともわかりやすく書いて頂いており、何度も読み返したいと思える本です。
Posted by ブクログ
本書は経済や金融を易しい言葉で解説をしてくれており、ほんの少し学生時代に触れたことがある程度の知識でも十分に内容を把握できる。
著者の髙橋氏は、本で知識を得たら、後は一次資料を使い自身の頭で考えることが本当の勉強であると主張する。そのためには先例を調べ、海外のケースと比較することが必要だとも述べられているが、まさにインプットだけでなくアウトプットが強く求められる昨今においては分野を越えて読まれるべき著作であると感じた。
所々に苛烈というべきか、力が入っているような発言も見られるが、氏がこれまでの辛酸をぶつけている、そんな本気が伝わってきた。
Posted by ブクログ
とても読みやすかった。
経済はシンプルに考えれば分かりやすい、経済理論の裏付けがない印象に頼った論に騙されるな、マスコミはアオリ文句ばかりなので鵜呑みにするな、など具体例をあげながら、最終的には自分の頭で考えようという事だった。一次資料が信頼できるとも。
「川を上れ」「海を渡れ」という二つの事を大事にして来たという言葉が印象に残った。
確かに大新聞に書いてあるとうっかり信じてしまいそうになるなぁ。自分で考える癖をつけなくては。
Posted by ブクログ
平易な言葉で経済モデルに従った論説のため理解しやすい。経済モデル自体はIS/LM分析の範囲が主だが、過去の筆者の経験を基に当時の論調・風潮と経済モデルからの推測結果の違いを述べている点は面白おかしく読ませて頂いた。経済学などを学ぶうえでのキッカケになる。
本筋から外れるが筆者が日本のマスコミを全く評価していない点はとても親近感を覚えた。
Posted by ブクログ
著者の明快な説明とマスコミや他の経済学者達をこきおろすところはとても痛快!ただ、自分に経済の知識がなさすぎて理解が追いつかないところも多々あり。再度読み直してみたい。
Posted by ブクログ
タイトル通りの経済をわかりやすく説いた本。
デフレ・インフレから始まり、円安・円高、積極・緊縮財政とマクロ経済学を著者の豊富な経験からまとめてくれていて、初歩の経済読み物としては最適。
ただ、リフレ派の著者としてのMMT批判や財務省批判などバイアスを含んだ書き方も多々あり。
Posted by ブクログ
言われていることは、ごもっともということが多い。しかし、ことを断定するからには、データでもっと丁寧に説明してほしいと感じるところが多々あった。歳入庁がない日本は変な国というが、なぜできないのか。国のお財布には埋蔵金があるというが、説明不足で納得できなかった。財政再建のために増税は必要ないというが、高齢化で増大する社会保障費をどのように賄うのか、景気を上向かせれば税収が増えるというが具体的に見えてこない。リテラシーが低いマスコミ、まさにそう思う。ちゃんと経済がわかり、批判的な精神で、政府にちゃんとものを言っているジャーナリストはほとんど皆無である。対処療法、ミクロでものをいうことはできるが、大局的に経済のあり方、政策のあり方を見続ける人材が見当たらない。政府をしっかりチェックできるマスコミにするにはどうしたら良いのだろうか。社会を変える建設的な提言が聞きたくなった。
Posted by ブクログ
言葉の意味をきちんと理解する重要性がよく分かる。
「川を上れ」と「海を渡れ」。
物事を考えるにあたって、まずは上記2点を押さえること。前例がないかどうか。海外と比較してどうか。
きちんと原典にあたる重要性も、なんだか大学時代に学んだことのような当たり前の話だが、きちんとできていない、というより面倒だからやらなかった。
言葉の定義をきちんと丁寧に明確にして、曖昧な表現や感情的なメディアに踊らされず、自分の頭で考えることを大切にしたい。
Posted by ブクログ
統合政府で考えれば、日本の財政は健全と主張する高橋先生。それは、日銀が買い取った国債を「銀行券」で金融機関に支払っているという前提だから。しかし、これは実際とは異なる。実際には、日銀は買い取った国債代金を、銀行券(紙幣)ではなく、金融機関の日銀当座預金口座に支払っている。紙幣に金利はつかないが、日銀当座預金には、金利がつく。
公定歩合なき現在において、日銀は日銀当座預金の金利で政策金利をコントロールしている。高橋先生は、インフレ目標に到達するまで金融緩和してもよいと言う。しかし、インフレ目標ほぼ達成の2023年においても、緩和をやめられない。その理由は、日銀当座預金の金利を上げたら、その金利分だけ日銀の負債が増えていくからだ。
そこについては、本書は言及していない。
だからと言って、本書が読む価値がないかというと、そうでもない。リフレ派は、MMT派とは別物で、そこに数理的根拠がなく、MMT派がリフレ派にすり寄ってくる現状を迷惑そうに解説しているのは、面白い。
Posted by ブクログ
客観と主観が入り混じり、経済の見方や考え方の基本的な部分については良い内容がある反面、主観的な意見については趣旨と関係のない内容や根拠が曖昧なものが多い印象。
読み流す程度で十分。
なんとなく鼻につく人だと感じる。(主観
Posted by ブクログ
言っていることも正しいし、この方が出演しているラジオもよく聞いていて好きなのだけど、
どことなく、鼻持ちならない。
伝える、と伝わる、は違うという好例。
Posted by ブクログ
言いたいことはよくわかるし平易な文体で読みやすいが、著者の上から目線な感じも気にかかる。
中央にいる人は、いわゆる愚民理論などの考えがあるのだろうか。
また、中央寄りの立場の人は、大枠を定めることに長けていると思うが、そこからこぼれ落ちる人たちへの想像力はあるのだろうかと疑問に思った。
インフレになれば数年後には雇用は安定、など、今日のいま困窮している人への想像力だけでも巡らせてほしいと思った。
自分の頭でしっかり考えろという姿勢は、賛同した。