高橋洋一のレビュー一覧
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大阪府知事だった橋下氏が、大阪市を改革するために現職の大阪市長を破って現在に至っているのは事実ですが、大阪市議会議員の協力無しに、大阪市民の支援を受けて大阪市長になったことは凄いことだと思います。
但し最近電車のつり革広告で、橋下氏を批判しているような記事を見かけることがあります。彼がやろうとしている改革を阻止(骨抜き)するために、背後で動いている人がいるのでしょうか。
この本では元財務省の官僚で、彼らのやり口を十分に理解している高橋氏が、橋下氏のやろうとしている改革について解説してくれています。
日本はもう20年以上も停滞を続けてきていて、特に大阪ではかなり厳しい状況になっているようで -
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小泉政権下で竹中平蔵のブレーンとして知られた高橋洋一氏が、確率・統計的な思考について解説する。
本の構成としては、前半が統計と確率についての基本的な考え方の解説。後半が東電問題や復興政策についての話。
読んだ感想を一言で表すと「前半部分を掘り下げたほうが面白いのでは?」というものだ。
特にベイズ確率やモンティ・ホール問題の話などは、日常的に生活していて「八割がた大丈夫」みたいな言葉の理論化という意味でとても興味が湧いた。今、日本で確率や統計について、一般の人々にも皮膚感覚で分かりやすく解説できる希有な存在だと思う。
一方、おそらく著者の主眼であると思われる後半については、著者がいろ -
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第1章で、確率・統計の基本的な考え方をベイズ理論をメインに説明している。
ただ、本のタイトルのうち、前半部分とマッチするのはこの章だけ。
ベイズ理論は主観確率をその中心におくが、伝統的な統計学に馴染んでいるとやや頭の中を整理するのにワンテンポ必要かもしれない。
第2章以降は東電問題や復興財源の話など、どちらかというと政策論に近く、タイトルの後半部分に相当するのだろう。
ただ、第1章と第2章以降のつながりが見えにくいのは残念に思う。
政策論のことは、著者が従来より主張してる内容をより一般向けにしたものといえる。
多くの部分で賛同できるところもあるのだが、自身の他の著書を参考にすべしというよ -
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最近テレビや新聞のニュースを見る機会が減ってきている私にとって、「日本の大問題」は何なのか、また、その「解決策」が何なのかがあまり認識できていません。この本の著者は以前に「さらば財務省」という本も書かれた財政通でもあり、難しい問題を分かりやすく解説しています。
難しい問題を難しく書くのは多くの人がやっていますが、易しく解説するには本質が分かっていなければできないと思います。この本は普段、新聞だけを読んでいては認識することのできない視点で書かれていて、私にとってはためになる本でした。特に、日本政府がドル買いをするという具体的な内容(=短期国債を発行)は初めて知ったこと(p79)でした。
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ネタバレ本書のタイトル通りなら1章だけでいいかと…
1章に書かれている事はわかっていても忘れてしまう、つい勘違いしてしまうようなこともある。例えば統計の取り方、質問の仕方で結果が変わっちゃうとか。
うっかりどんな質問をしてその集計結果が出たのかまで頭が回らずに、結果だけ見てその解説を読んで「そうなのかー」って思いこんじゃうことはありがち。
「増税に賛成ですか?」と「復興のための増税に賛成ですか?」では集計結果が異なるだろう。でもどちらも「増税に賛成か?」なんだからグラフタイトルはそうなっちゃうとか。
「可能性は極めて低いが0ではない」が「ないとは言えない」と結論付けられたり。
1章はベイズ統計以降も -
Posted by ブクログ
放射線散布におけるシミュレーションデータの重要性、主観を考慮に入れた「ベイズ確率」の意義、政府、日銀や財務省の発言のカラクリなどを実例を交えつつ解説。
お上が述べる理屈の根拠になってる数字が、何を基準にして何を対象にしてるかを確かめろ、というのはよく分かった。
景気の伸び率や、対GDP比でカネがいくらか、などと言った話しはその典型例。
一方で、後半半分は確率云々の話と言うより、日本の財政や政策の話に終始してた。
4%成長の必要性、日銀直接引き受けの話、各種埋蔵金の活用など、話自体はとても面白かったが、それは本を改めて語って欲しい。
統計・確率のもっと突っ込んだ実例や、扱い方を知りたかった。 -
Posted by ブクログ
元大蔵官僚で竹中平蔵氏のブレーンであった著者による金融政策の有効性を解説した本。全体的にインフレ目標を掲げず、金融政策を軽視する政府、金利引き上げなど金融の引き締めに走る日銀への批判が多めになっている。
マンデル・フレミング理論に基づく変動相場制における財政政策(公共投資)の無効性、世界恐慌時のニューディール政策も、公共事業の前に金融操作を行ったために効果があったことなどがわかった。
今のデフレ状況の下でも、単なるお金や公共事業のばら撒きに終始することなく、金融政策も視野に入れた方針が求められる。今も昔も、政官財界の複雑すぎる利害に雁字搦めにされている政府には期待を持てないところ