倉阪鬼一郎のレビュー一覧

  • 学校の事件

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    田舎の面白さを書かせたときに、倉阪さんの右に出る人はいないのではないだろうか。田舎の人間の適当さ、身の程知らずからくる謎の自信…でも素直であるがゆえに憎めない。殺人事件の話なのに、どれも犯人に同情を禁じ得ない、人間味あふれる作品だと思う。
    彼の作品を読むにつけ、人とは1人で思考を深めていくと、とんでもない方向に走ってしまうものだと気付かされる。

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    2019年11月09日
  • 怖い短歌

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    面白かったです。
    怖い、と一口に言っても様々な怖さがあり、こちらはカテゴリ分けされてたくさんの短歌が挙げられていました。
    俳人は勿論、中島敦や折口信夫の歌もありました。夢野久作の「猟奇歌」は、これとその系譜でカテゴリありました。
    間武と笹井宏之の歌はちゃんと読みたいです。
    少ない言葉でこれ程の世界が広がるところ、素敵。
    手元に置いて愛でたいです。俳句の方も読みます。

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    2019年07月30日
  • 怖い俳句

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    世界最短の詩文学・俳句は同時に世界最恐の文芸形式でもあります。日常を侵犯・異化するなにか、未知なるものとの遭遇、人間性そのもの…作品の中心にある怖さはそれぞれですが、どれも短いがゆえに言葉が心の深く暗い部分にまで響きます。一句二句、暗唱して秘められた世界に浸ってみてください。不思議なことに、そこはかとない恐怖がやがてある種の感動へと変わるはずです。数々のホラー小説を手がけ、また俳人でもある著者が、芭蕉から現代までたどった傑作アンソロジー。(裏表紙)

    基本的には575の17文字なんだから、確かに「世界最短だわな」と改めて思う。
    とはいえ、17文字の世界のなんと広いことか。テーマの「怖い」一つと

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    2019年06月26日
  • 花たまご情話~南蛮おたね夢料理(四)~

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    悲しいことばかりが続く安政の世。
    内からは、大火事に地震、嵐に高波。おまけにコロリが猛威を奮う。
    外からは黒舟を始め、外国が開国を求めて押し寄せてくる。

    それでも、力を合わせて生きていくゆめやの人々。
    江戸のひとたちはみな毅いなぁ。

    和やかな雰囲気を表したいのだろうけれど、毎回同じ言葉が出てくるので、ちょっと退屈しちゃうところも。

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    2019年05月07日
  • ようこそ夢屋へ~南蛮おたね夢料理~

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    初めての作家さん。

    時代小説で人情物。料理屋が舞台。
    好き要素しかないのに、手放しで「好き」と言えないのはどうしてかと考えると、女性が主人公なのに、なんだか硬くてそのわりに女々しい印象だからだった。

    続きも読みたいとは思うけど積極性にかける。
    (寝ぼけて2巻にレビュー書いていてびっくり!)

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    2019年03月25日
  • 怖い短歌

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    かつて『怖い俳句』で「俳句が世界最恐の文芸形式だ」と書いた。なのに俳句より怖さで劣る『怖い短歌』を編むのかという声が聞こえる。たしかに瞬間、思わずぞくっとする感じでは俳句にかなわないかもしれないが、言葉数が多くより構築的な短歌ならではの怖さが如実にある。総収録短歌593首(見出しの短歌136首)を、「怖ろしい風景」「向こうから来るもの」「死の影」「変容する世界」「日常に潜むもの」など9つの章で構成し、「怖さ」という見えない塔をぐるぐると逍遥【ルビ:しようよう】(そぞろ歩き)するかのような奇想の著。(裏表紙)

    様々な「怖さ」に焦点を当てた短歌集。
    『恐ろしい風景』『負の情念』など、9つのテーマ

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    2019年03月16日
  • 怖い短歌

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    短歌というと、俵万智の、
    <「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日>
    のような爽やかな、そして少し甘いイメージのもの、あるいは、百人一首に出てくるような、恋や情景を歌ったようなものだと思っていた。
    一方で、悲しみや、恐れを抱くものとして、寺山修司の
    <マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや>
    に代表されるものや、斎藤茂吉の喉紅きつばくらめ〜といったものをイメージしていた。
    石川啄木に至っては、故郷の訛なつかし停車場の〜といった東北人らしい情景を描く詩人だと思っていたら......。
    <どんよりと
     くもれる空を見てゐしに
     人を殺したくなりにけるかな>(34

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    2019年02月11日
  • 桑の実が熟れる頃~南蛮おたね夢料理(五)~

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    物語の歴史背景が楽しみ。

    人間関係の丁寧な描き方に加えて、その裏の歴史的背景を楽しませてもらっています。外来野菜がどんな風に料理に取り入れられていったかも興味深いものがあります。

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    2019年02月02日
  • 兄さんの味 小料理のどか屋 人情帖23

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    倉阪鬼一郎さん、小料理のどか屋人情帖シリーズ№23「兄さんの味」、2018.7発行。倉阪さん、このシリーズも、他の作品も、マンネリ感とキレのなさを感じてましたが、久しぶりに人情と料理を味わいました! 良かったです!

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    2018年07月18日
  • 廻船料理なには屋 帆を上げて

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    倉阪鬼一郎 著「廻船料理なには屋 帆を上げて」、2017.12発行、新しいシリーズのスタートです。小料理のどか屋シリーズに少し似た感じもありますが、テンポ良く進行し読みやすいです。上方の「浪花屋」の主の弟、その妻、料理人が江戸に出て「なには屋」を開店。今回は、上方嫌いの東都屋から嫌がらせを受けるという話です。なには屋の常連に与力や同心たちがいて、事なきをえました。

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    2018年05月17日
  • 決戦、武甲山 大江戸秘脚便

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    忍者活劇、幻術合戦、どんどん読むスピードが上がってしまい、あっという間に読み終わりました。

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    2018年01月22日
  • 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人

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    馬鹿だなぁ(笑) もう「ロリン」とかめちゃくちゃ笑いました。さて、谷を隔てた二つの館「黒鳥館」と「白鳥館」で起きる密室殺人というのがほぼこの小説の全てだ。読んでもらえればわかるのだが序盤から妙な違和感が常にある文章になっている。胡散臭さは抜群でただ一見すると何がおかしいのか判らない。読み進めることで違和感の幾つかには察しがつくだろう。ヒントと伏線の量は過去類を見ないレベルの大量さなので嫌でも気付いてしまう。それでも最後には斜め上の無駄すぎる努力の浪費具合に笑い感心し嘆息してしまうだろう。まさにバカミスだ。

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    2017年09月11日
  • きずな酒 小料理のどか屋 人情帖20

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    倉阪鬼一郎さん「きずな酒」、小料理のどか屋人情帖シリーズ№20、2017.7発行です。時吉、おちよ、千吉の親子3人が営む横山町「のどかや」を舞台にした人情話。今回は「おとっつぁんだまし」、今でいう「振り込め詐欺」がテーマです。このシリーズ、倉阪鬼一郎さんの趣味、料理、ランニング、俳句のすべてが駆使されています(^-^) あっ、猫も登場します(^-^) 今回は少なかったですが~。

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    2017年07月13日
  • 料理まんだら 大江戸隠密おもかげ堂

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    そうきたか

    不思議な味わいで面白く読んでいます。
    今回の、太古からの悪しき神、ひょっとしてと思いつつ、神の名を絶叫する場面でにやり。
    ルビもふってないし、個人に任されているようですが、クツゥルーと来ましたか。存在描写がそのものだったので予感はしてたのですが。
    江戸にクツゥルー神を降臨させた本は初めて読みました。
    私の読み方が合っていれば、の話ですけど。

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    2017年05月23日
  • 娘飛脚を救え 大江戸秘脚便

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    料理屋「あし屋」の看板娘、おみかは憧れていた「娘飛脚」に。料理とランニングが趣味の倉阪鬼一郎さんの「娘飛脚を救え」2016.12発行です。飛脚の物語だけあってテンポがいいです(^-^)

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    2017年04月11日
  • 京なさけ 小料理のどか屋 人情帖19

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    倉阪鬼一郎さんの人情小料理屋(旅籠)「のどか屋シリーズ」№19「京なさけ」2017.3発行です。京都の老舗料理屋の若旦那の依頼で料簡違い(皿が上から出る、客を見下す、見てくれだけ、自慢ばかり)の大おかみと板長を諫めるため京に出かけた時吉。結局は「料理は心」ということが通じず、若旦那、若おかみは店を出て、時吉の教えを受けながら新しい店を始めることに。京都にも小料理 のどか屋が誕生しましたw。マンネリ気味でしたが、今回はメリハリが効いてました!

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    2017年03月31日
  • 桜と富士と星の迷宮

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    アートなバカミス??バカミスでは恒例となっている、あの部分は相変わらずの力作で毎回次作は出るのかと心配になるくらい。ミステリ部分は、ここ数年の中でかなり脱力系。何と言っても、ヒントの部分が凄く脱力。

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    2016年11月22日
  • ほまれの指 小料理のどか屋 人情帖17

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    のどか屋で働く、おしんちゃんとその父親の新たな門出と、多助とおそめちゃんの結婚、それに時吉、おちよ夫婦の一人息子 千吉の成長と今回はほっこりする話(*´-`)千吉が通う寺子屋の先生がおっしゃった「人は死んでも終わりではありません。その思いは、さまざまなかたちで、後に残された者に伝えられていくのです」に感激!今回の話そのものだなぁ(^^)

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    2016年11月05日
  • 母恋わんたん~南蛮おたね夢料理(三)~

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    芝に名物あり 一に芝浜・江戸前の魚 二に伊皿子坂・夢屋の料理 三に街道筋・屋台のワンタン麺 倉阪鬼一郎さんの名調子です。薄幸の母と幼い息子、一度は切れた親子の絆に、夢屋のおたね、おりき、およし達、そして芝浜の男衆の人情が! 「母恋わんたん」、2016.8発行です。

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    2016年09月04日
  • 若さま影成敗 あまから春秋

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    倉阪鬼一郎 著「あまから春秋」、若さま影成敗№6、2015.12発行です。団子坂に「あまから屋」があります。主は湯島「田楽屋」で八十八に修業した旗本三男坊の飛川角乃進、おかみは同じく湯島「田楽屋」の隣「湯屋」の看板娘おみつ、内縁の妻として所帯を持ち仲良く暮らしている。角乃進は料理はそこそこ、でも剣も将棋も天下無双、さらに、実の父親は時の将軍、徳川家斉。角乃進は出自について、おみつに隠し続けてきたが、最後の峠を無事に越すことができるのか~~~!「おれの父は・・・、上様だ」「将軍 家斉だ」
    倉阪鬼一郎さんの若さまシリーズ№7「あまから春秋(若さま影成敗)」2015.12発行です。将軍徳川家斉の落胤

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    2017年03月19日