倉阪鬼一郎のレビュー一覧

  • 若さま大団円 諸国を駆けろ

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    ランニング、料理、将棋、俳句・川柳、猫などがお好きな倉阪鬼一郎さん、若さまシリーズ№8「諸国を駆けろ」、2017.8発行です。著者の得意な分野をぜんぶ網羅したハッピーエンドの作品と言っていいと思います(^-^)読みやすく楽しめました。

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    2017年09月06日
  • 元気が出る俳句

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    タイトルに偽りなしのアンソロジーです。何度となく読み返すたびに「俳句っていいな」と思います。
    白眉は「いそぎんちやくその他生きとし生けるもの」の京極杞陽の項ですね♪

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    2017年06月12日
  • 猫俳句パラダイス

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    猫好きな俳人が詠んだ、猫の描写の俳句アンソロジー。猫好きな人なら「あるある」と思うでしょう。著者もまた、猫好きであり、解説が猫にメロメロな様子が表れて微笑ましいです。「俳句はわからない」と言う方で猫が好きの人におすすめの1冊ではないでしょうか。

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    2017年02月17日
  • 赤い球体 美術調律者・影

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    ピクトマンシ-、すなわち絵画魔術というものが文学上にあって、最も有名なものは、『ドリアン・グレイの肖像』であろう。従って、ほとんどのピクトマンシ-は、ゲームに登場するものを含め、「あるものを絵の中に写すことにより、その対象を封じ込めたり操作する」というスタイルをとっている。
    本作のなかのピクトマンシ-も基本的には同じなのだが、一種の呪物である負のエネルギーに満ちた絵画を用いる事で、不特定多数に致死的な呪いを振りまくという凶悪なバリエーションを作っている。
    これは怖い。作中にも語られているが、今は容易に映像や音、画像がインターネット上でどんどん拡散複製されていく時代だから、もしそういったものがC

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    2015年07月13日
  • あられ雪~人情処 深川やぶ浪~

    購入済み

    じっくり、しみじみ…

    穏やかな文体が心に優しくしみて、江戸を感じる単語達がさりげなくちりばめられ、そして静にリズム良く進むストーリー。大切に何度も読み返したい小説です。

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    2015年09月15日
  • 怖い俳句

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    寺山の歌集に衝撃。
    しかし頭の悪い高校生ゆえ季語を知らない。
    切れ字もぴんとこず。
    とはいえ川柳というと言葉が低俗な印象。
    やっぱり俳句より短歌だ、
    俳句ではわずかに山頭火くらいだな、
    とまったく無駄なこだわりを持ち続けていたが、
    まったくの誤りであると眼を見開かされた。

    言葉少なく指し示すことの豊饒さ。

    ホントニ死ヌトキハデンワヲカケマセン

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    2015年03月14日
  • 怖い俳句

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    【怖い~を読む―2】
    いそうでいない…とか、見えそうで見えない…
    ってのが、「怖さ」を引き起こすんだろうなぁ。
    俳句は17音…すべてを語るには短すぎる…
    わかりそうでわからない…う~む、やっぱり怖い…

    本書にもあるように…
    「鑑賞する主体によって、感じる怖さはおのずと違ってきます。」
    …というわけで、ボクが怖いぃ~と思ったのは、
    こんな句でした…絞りに絞って10句…

      稲妻に道きく女はだしかな            泉鏡花

      戦争が廊下の奥に立つてゐた         渡邊白泉

      葱を切るうしろに廊下つづきけり        下村槐多

      うしろとは死ぬまでうしろ浮き氷    

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    2013年06月07日
  • 怖い俳句

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    そういえば最近、
    (怖い思いをした事が無いな・・・。)

    本書を手にとりながら、そう思った。

    夜中のトイレも
    母親の小言も
    ホラー映画の中のゾンビにも

    ビビらなくなったね。私…。

    ふと、
    (怖いもの…

    どこへ消えたんだろう?何時の間にいなくなっちゃったんだろう?)

    無敵の私は、ほんのちょっとだけ寂しくなり、

    歌人達が一体何を怖れているのかが、
    突然気になりだした。


    ねぎを切る うしろに廊下 続きけり

    戦争が 廊下の奥に 立っていた

    口開けぬ 蜆(しじみ)  死んでいる 


    ぞくっ、とする。

    私には全くみえない

    亡霊が 歌人の目には  見えている    おそまつ。

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    2013年03月23日
  • 不可能楽園 〈蒼色館〉

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    ネタバレ

    前代未聞の不可能誘拐劇!
    東京⇔東北に張り巡らされた超絶の罠は、解き明かされるのか?
    往年の美人女優と双子の妹を巡る、絢爛たる犯罪の宴

    読み終えてあまりの馬鹿らしさに壁本になりかけたが、
    作者の企みは尋常ではない。
    こういったタイプは泡坂妻夫の某作品でしか触れたことがなかったので、
    逆に、これぞ小説の仕掛けだと感じてしまった。
    何から何まで利用してくるなんて。

    ミステリ:☆☆☆☆☆
    ストーリー:☆
    人物:☆☆☆☆
    読みやすさ:☆☆☆☆

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    2013年01月31日
  • 怖い俳句

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    世界最短の詩である俳句。

    その俳句の世界で、誰もがその名を知る「俳聖」松尾芭蕉は
    「言ひおほせて何かある」(すべてを言いつくしてしまって、何の妙味があるだろうか)
    と言っている。
    (この言葉は本書の中でも紹介されている)

    要するに「チラリズム」

    ただ、俳句で「怪奇」や「恐怖」を表現した場合、短いだけに、かえって想像が掻き立てられてしまう。
    本書では、そんな怖い俳句を紹介している。

    その怖さの種類にも
    「幽霊画を見たり、怪談話を聞いているような怖さ」
    「作者自身、もしくは作者がおかれている状況が怖い」
    「作者が体験したことが怖い」
    といったものがある。

    「幽霊画を見たり、怪談話を聞いて

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    2012年12月01日
  • 赤い球体 美術調律者・影

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    新シリーズのアートホラー。狂気の芸術家・黒形上赤四郎の作品を巡って起こる惨劇。だけどこの禍々しい作品……なんとなく惹かれてしまうのではないか、と思ってしまうのは気のせいかなあ。
    絶大な人気を誇るアイドルグループ(どっかで見たような?)の活躍に仕掛けられた、恐るべき罠。「霊的爆弾」って、こんなものやられちゃひとたまりもありません。どこかしらで目なり耳なりに入ってしまうんだから。本当に悪辣極まりない!
    事件に対決する影プラスチーム美島の活躍は、応援したくなりますね。そして明かされる影の秘密。これはますます今後の展開も気になるなあ。

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    2012年10月23日
  • 怖い俳句

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    これはすばらしい。俳句はあまり知らなかったが、この1冊で、とたんに興味が湧いてきた。俳句とは写生であるという理論もあるが、その場合も描写される現実をあるフレームで切り取るということになり、その構成の中に暗示された「背後の意味関係」が重要になる(それがなければ凡庸な句にしかならない)。そういった暗示性が、たとえば幻想や想念と組み合わさったときに、「怖い」俳句が生まれるのだろう。

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    2013年01月06日
  • 下町の迷宮、昭和の幻

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    文庫版再読。レトロホラー短編集。ホラーなのでもちろん怖いのだけれど、とてもノスタルジックで優しさを感じられる作品もあります。しんみりと浸って読みたい一冊。
    お気に入りはやっぱり「廃屋」。この句があまりに怖いのは相変わらず。「おかあさんはざしきにいる」がもはやトラウマのような言葉となっています。いろいろ不穏な想像をしてしまうぞ……。
    「まどおり」も怖いなあ。よく考えると、こういう場所って実際あちこちにある気がします。立地条件は悪くないのに何をやっても流行らない場所。そうかやっぱりそうなのか……。

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    2012年06月30日
  • 五色沼黄緑館藍紫館多重殺人

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    お疲れさまでした!作者の徒労を眼前に明かされて、他にも労力の使い道があっただろうにと思う一方、その無邪気な稚気が微笑ましい限り。意表を突く行動で蓋然性の欠如を拾っていく最後の様は爽快的。ページ数の問題で文庫化したら話が成り立たないんですが…

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    2011年12月31日
  • 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人

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    作中に「倉阪鬼一郎は、すべての文章、ひいてはすべての言葉が伏線になっているミステリーが理想」と記されている。これを偏執的ともいえる努力で完成させた本書の前では、読者はただただひれ伏すしかない。作者のことば、著者近影にまで伏線張り巡らすとかばかでしょ…。一癖も二癖もある作品で万人受けしないだろうが、私は本書で倉阪鬼一郎により一層愛着が湧いた。

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    2011年12月24日
  • おそれ

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    ネタバレ

    他の聖域修復師シリーズのような、「嫌悪感からくる怖さ」みたいなものはあまり感じなかったが、読み物としては面白かった。
     

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    2011年10月31日
  • 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人

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    今まで読んできた中でも最高峰のバカミス。
    あの狂気的とも言えるこだわりにはひたすら脱帽です。

    「作者のことば」や「著者近影」も必見です!私は本屋でブックカバーを着けてもらったことに後悔しました。
    文庫化どうするんだろう・・・?といらない心配もしつつ(笑)、非常に感心しながら読んでしまいました。

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    2010年03月23日
  • 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人

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    何を書いてもアレだな...ネタバレになってしまいそうです。
    という元に書いてますので...ご了承を。

    で、... ... ...最高です。素晴らしいです。素敵なバカです。
    なんじゃこりゃ? 作者の書きたい目的が明らかに歪んでます(笑)。
    目指してる方向自体が、完全にオカシイ。なのに、ここまで
    完璧に書ききった尽力は尊敬と感動を生む。倉阪氏の仕掛けた
    無駄に大きく、偏執狂的に深い落とし穴にすっかり嵌ってみると
    その穴の中の異常性に驚かされます。

    正直本丸自体は結構早い段階で気付き、密室や殺人事件の
    トリック自体の大枠は分かるものの、そこから先は常人の
    領域ではないw。解決篇を読まずしてこの「

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    2010年02月10日
  • 田舎の事件

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    田舎で起こる、田舎ならではの数々の奇怪な事件。

    究極の麺を追求するがゆえに、田舎の片隅である男が開業した蕎麦屋。
    究極の麺を味わわせるために、客には水で蕎麦を食べさせる。

    主人はある日、その店の前に毎日そばつゆを置いてゆく謎の人物を殺害してしまう・・・


    などなど、シュールなミステリー短編集。シュールすぎる。

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    2010年03月11日
  • 鳩が来る家

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    「純度120%の恐怖譚」とは言いえて妙。それぞれにテイストの違う物語が集まって、そしてよりいっそう怖くなる。これぞ恐怖小説! 著者近影のミーコちゃんが、ちょっと和ませてくれますけどね。
    好きなのは表題作「鳩が来る家」や「天使の指」。オーソドックスなホラー、といった感じ。だけど中でも一番凄まじいのは「蔵煮」。タイトルからして、わけのわからないぞくぞくした感じをうけるし。なんといってもこの表現の気持ち悪さは一流かも。とりあえず、こんな缶詰を目にしても、手にとってはいけません(笑)。
    「緑陰亭往来」は、逆に静かな恐怖を醸し出す一品。この雰囲気は非常に好き。じっくり読み込むのが良いなあ。

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    2009年12月31日