萩尾望都のレビュー一覧
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少女と少年の境界は実に曖昧だ。現実に美しい少年もいれば雄々しい少女もいる。女の子2人でおままごとをするにも、男の子2人でたたかいごっこをするにも、状況によって彼らの人間関係に男役・女役が、登場人物としてではなく性分として分かたれながらバランスを取っていたりする。打つ者打たれる者、許す者許される者、裁く者裁かれる者というような具合にだ。そして彼らは似ているものと似て非なるものとを峻別し、心身の生育にしたがって第二次性徴を迎える。幼年期の終わり、それは自らの性にめざめ、自らに内在する異なる性に恥じらいを覚えることでもある。少女マンガは一種の防波堤のように発達をせき止め、過去の曖昧へとこぎ返す波のよ
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Posted by ブクログ
かつて宇宙航行のために開発された人口変異種である一角獣種の生き残りを巡る物語がメイン。
「A-A'」・・・一角獣種のアデラド・リーはプロキシマ計画のスタッフとして選ばれたが事故で死亡、しかし危険任務のためクローンの製造が許可されておりクローン体が代わってプロキシマにやってくる。
しかし、プロキシマに着く前までの記憶しか持っていなかった。
80年代初頭作品が中心で、宇宙やESP能力といったものを扱っているものが多い。
表題作の自分の死んだときの保険にクローン体と記憶を残しているっていうのは今読んでも面白いテーマ。
表題作では愛する人が記憶を無くしてと言う意味ので葛藤は描かれるけど、 -
Posted by ブクログ
他人の夢に入り込んで調査することを仕事とする渡会と彼の家族、そしてバルバラの夢を見る少女青葉を中心に織り成す、久しぶりに読んだ萩尾望都の本格的SF。
相変わらず登場人物がべらぼうに多く、相関関係が分かりづらい。別に覚悟して読んでるからいいんだけどね。この人の場合、それが醍醐味だし。
少女版手塚治虫と呼ばれる萩尾望都の本領発揮という感じです。ディテールがやたら細かく、話の広がりが途方も無いです。これをよくまとめますな。本当に。
話は発刊がフラワーの割になのか、だからなのか、わりと大人向け(すぐ寝ちゃうしね)。けど萩尾望都読んだことの無い人にはちょっと抵抗あるかもしれないマニアックな出来。