伊藤たかみのレビュー一覧
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小四息子の夏休み課題図書として読みました(息子が活字嫌いのため、いまだに読み聞かせ^^;)
なぜ?どうして?と思ったことをひたすら自分で調べてみる。実験してみる。
表紙の絵のイメージから、勝手にファーブルが青年だった頃のお話かと思って読み進めましたが、あとがきをみたところ、これを書いた時点で、ファーブルはなんと55歳。
すばらしい探究心ですね!
我が家の三男も虫が大好き。日々忙しく、なかなか子供のペースに付き合ってやれないことも多いのですが、このような探究心を大切に育んでいってあげたいなと思いました。
近頃はすぐにGoogle検索する癖がついてしまっていますが、探究心を持っていろ -
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いやあ、今どきのラノベ作家に比べると、ホント、上手い。なんて言ったら芥川賞作家に失礼かもしれないが。
文章が生き生きとして、気が利いてる。なんてことない話を面白く書けるのは才能だと思う。
最近あまり見かけないが、この路線で続ければよかったのに。芥川賞が重すぎたんじゃないのか、と思ってしまう。
青春小説のお手本のような作品。
ただ、昭和天皇崩御の頃って、今の中学生は生まれる前だから、そこがどう受け入れられるのかはわからない。自分が生まれる前は昭和64年だろうが終戦直後だろうが、たいして違わないと思っている子も多いから。ガンズ・アンド・ローゼスも知らないだろうし、ギブソンやフェンダーを知ってる子も -
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ネタバレ震災を経て人々が抱える空洞。
遅延した電車のなかで、飲み仲間たちとのたわいのない会話。
同級生同士の夫婦は、別居しつつ排卵日に合わせて会う生活を送っていることへの違和感と、バイの綾瀬。
連れ子同士での再婚家族。
母が亡くなって、遺骨を自らの手で粉砕したいと願う父と、戸惑う息子と娘たちの葛藤。
子宮筋腫で手術を迫られている妻と、壊れたユメモ。子宮は諦めて下さい。好きです。
東日本大震災と阪神淡路大震災。
直接の被害を受けたわけではないけれど、その影響は少なからず、みんなの心に何かしらの靄がかかる。
著者の性格なのか、だいたいの本で登場人物の男性の性格が穏やかで非常に優しいよね。
母を砕 -
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ネタバレ【本の内容】
活発で男まさりのミカ。
スカートなんてイヤ!
おっぱいなんていらない!
思春期の入口にたつ不安定なミカを、双子のユウスケがそばで見まもる。
両親の別居、姉の家出、こっそり飼っていた「オトトイ」の死…。
流した涙の数だけ幸せな未来が待っている。
第49回小学館児童出版文化賞受賞作。
[ 目次 ]
[ POP ]
まばゆいばかりの瞬間瞬間をぎゅっと閉じ込めた、本当に宝物のような一冊だ。
子供の頃のことを思い出すとき、人は少なからず甘酸っぱさを混ぜ込んでしまうもの。
嫌なことや辛いこともあったはずだけど、不思議にいい思い出があふれてくる。
本書は、輝いていた「あ -
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ネタバレ【本の内容】
「女らしいってどういうこと?」ある日突然、男勝りのミカがユウスケに聞いてきた。
青いインコによれば、ミカはどうやら振られてしまったらしい。
恋をして変化するミカに戸惑うユウスケ。
そんなユウスケにも告白してくる女の子が現われて…。
中学生になった双子の日常を爽やかに描く「ミカ!」第二弾。
[ 目次 ]
[ POP ]
双子という存在は、兄弟姉妹の中でも特に不思議に思える関係である。
男女ひとりずつの双子は特に。
自分とそっくりな顔をしているのに性別が違うというのは、いったいどんな感覚なのだろうか。
この小説の主人公ユウスケとミカも双子の兄妹である。
大人びた -
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小学生高学年でオトコオンナのミカと
双子の兄ユウスケ。
男の事して生まれたかったミカは暴れん坊で
すぐ男の事ケンカしちゃいます。
んで、胸が膨らんでくるとか、
男の子がそれで手加減し始めるとかが余計嫌で、
密かに泣いてます。
オトトイの側で。
ユウスケは頭がすこぶる良いわけでも、
運動能力に秀でてるわけでもないけど、
妹の心配もしつつ、
いろいろ悩みがあり子供心を痛めたりしてます。
心の優しい子だよね。
こいつ。
で、ミカにオトトイを紹介されます・・・
ん、悲壮感は少ないけど
ちょっとだけ複雑な家庭事情もありところどころ
うるっときますね 。
オトトイって結局なん -
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伊藤たかみが書く人間が好きです。
力の抜け加減が絶妙なのです。
本当の人間はそうそうのことがない限り大声をあげては泣かないし歯茎を剥き出しにしては怒らない。
実際私は泣いているときだってアクビは我慢できないし
怒っていたって心の隅にいるもう一人の自分が時間を気にしていたりする。
そういう説明のつかない人間のおかしなところが作中に散りばめられているから伊藤たかみの書く人間は魅力的でリアルな個性を持つのだと思う。
この物語は人との別れ、親子の再生、と簡単な言葉で本筋は説明できてしまう。
よくある話をそう感じさせないのはやはり出てくる人々が生きていると思えるリアルさがあるからなのかな。