伊藤たかみのレビュー一覧
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ああ、わかるなあ、ほんと、結婚生活ってこういうところあるよなあ…・・と、少しずつ、大切に文章を拾っていきながら読みました。
初めの一つからずれて置かれた上に、積み木を積み上げていくような結婚生活。グラグラと揺れながら積み上がっていく危うさ。初めから積み直せばいいのに、もう、面倒臭くてそれも出来ず、最後は崩れるしかない。その一つを置くのが自分なのか相手なのか。
些細なことが重なって、本当に一つ一つは些細なことなのに、それがどんどん我慢出来なくなっていく。小さなことに拘って後に引けなくて、馬鹿みたいに譲れなくなってしまう様は、哀しくて、滑稽で、静かに痛かったです。
話をしようと座れと促すの -
Posted by ブクログ
「ミカ!」から「ミカ×ミカ!」になって、ホントにタイトルどおり二乗分面白い。続編って鮮度が落ちそうな気がするけど、こいつに限っては全然大丈夫。
さてさて、やっぱり男性作家が描く男の子は無理がない。「DIVE!」や「バッテリー」の主人公たちのようにカッコよくはないけど、肩が凝らない。で、普通の中学生の男の子から見る女の子の不可解さがすごく巧く描けてて納得できちゃうのである。だんだん遠い存在になっていくミカと家族として理解しあっているミカの両方を受け止めるユウスケが微笑ましい。年の近い姉妹がいるってこういう感じなのかなあってね。おいらは兄しかいないので、なんだかちょっと羨ましい。なんて言って -
Posted by ブクログ
大きな出来事は起こらない、淡々とした日常だけれどじわじわ面白かったです。
3篇とも、入り込み過ぎないし離れすぎないでいて絶妙でした。初めから離れている、表題作の明日離婚する夫婦は置いといて…人と暮らすのって難しいなと思いました。「何もかも本気だったのだ」、しみじみわかります。誰からも理解されなくても、間違ってなかったって思っていたいあれこれ、ある。
長年連れ添ってたら乗り越えられることもあるかもしれないけれど、かといってそれまで待つ気力も体力も残ってない関係も確かにあると思うので。
解説が津村記久子さんで、なんか同じ空気を感じる作家さんがいた気が…津村さんか!となりました。解説の冒頭で、津村さ -
Posted by ブクログ
双子のミカとユウスケ。物語はユウスケの語りで進んでいく。親友のヒロキ、ユウスケの事が好きなちづる,オトコオンナと言われた活発なミカがコクって振られた畑山、ある日飛んできてそのままいついたユウスケだけに こっそりしゃべる青いインコのしあわせ。中学生のちょっとした日常,でも両親が離婚していて父に引き取られ、新しいおかあさんになるかもしれない香坂さんとのできごと。なんだかいろいろ複雑なんだけど、ワクワクしてしまう。しあわせは、死んでから幸せを運ぶ青い鳥になったのかもしれない。ミカと畑山、ユウスケとちづる,それぞれ仲よくなって幸せで。大学生編のミカ✕ミカ✕ミカがでると嬉しいのだけれど。