感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2021年01月05日
中学生の青春。バンドに恋愛。セリフも、主人公たちから見た情景描写も若々しいたどたどしさがとてもうまく表現されていてとてもよかった。舞台は昭和63年~64年、当然携帯やスマホが登場しないのに、時代の古さを感じさせるものが少ないのもすごい。中学生の心理の普遍的な部分を捉えているからなんだろうな。
Posted by ブクログ 2020年04月18日
ガンズ・アンド・ローゼスに心酔した中学生ガクは、親友マロと幼なじみリリイとバンドを始める。そしてギブソンのフライングVを持っていてギターがうまいと噂の問題児かけるを、バンドに誘うのだった。
昭和の終わりの頃の中学生の青春。めちゃくちゃでアホでどうしようもないけど精一杯がんばる日々。けんかして、意気...続きを読む投合して、思いやって、仲間になっていく。
いつも一緒にいて、自分のことを自分以上に知っていて、当たり前だと思っていたふたりの関係が変わる時。
ガクの視点とリリイの視点が交互に現われ、同じものを見て同じものを聴いて同じ場所にいるけど、二人の視点が交差することでしか見えないものがある。
音のない小説で音楽を書くこと。音のない小説だから書ける音楽。
それぞれの音はいい感じなのに、合わさった時にギクシャクしてしまう。自分の音だけを聴いていたらいけない、相手の音を聴くことにより、相手と合わせることができる。一度合わせられれば、もう聴こえなくても聴こえている。仲間の音と自分の音が重なり音楽になる。
好きな気持ちで心が一杯になる。そんな青春小説でした。
Posted by ブクログ 2017年09月21日
映画化された『指輪をはめたい』(2011)や『ドライブイン蒲生』(2014)は観たのに、読んだことがなかった著者。『3時のおやつ』の収載作品がとても気に入ったので本作を購入。そうしたら、これまで読まなかったことを激しく後悔。なんて愛らしいんだ!
タイトルは、片仮名に弱い爺ちゃんが孫のギター「ギブソ...続きを読むンのフライングV」と「バンド仲間」の区別を付けられず、孫の友だちを「ぎぶそん仲間」と呼ぶことから。平仮名なところがいかにも爺ちゃんの言葉。
中学2年生のガク、リリイ、マロはバンドを組んでいる。ある日聴いたガンズ・アンド・ローゼズに魅せられて、どうしてもガンズの曲を演奏したいと、ちょっぴり不良だけどギターはスゲェ上手いと噂のかけるをスカウト。語り手はガクとリリイが交替で。
著者は関西出身で、本作の舞台は大阪・狭山市ではあるけれど、少年少女が主人公のうえに、著者が大阪を離れて長いということもあるのか、ベタベタというよりは可愛らしい大阪弁。思いっきり平成風なのに、たいそう具合の悪い昭和天皇が出てきます。もしも天皇が亡くなったら文化祭は中止になってしまう、そら困ると、天皇のために献血しに行こうという辺り、単細胞で浅はかで、でもそのアホさがたまらなくカワイイ。爺ちゃんの悪口を言われると、なんでか無性に悔しいねんというかけるの言葉にはしんみり。ニヤけたり、ふきだしたり、知らず知らずのうちに温かい気持ちにさせられます。
「なんやねん」という言葉がそんなにも便利な大阪弁だったとは。少年よ、ギターと大志を抱け。
ちなみに、一度もタイトルは出てこない、ガクがどうしても演奏したかったガンズの曲は、“Welcome to the Jungle”ですね。
Posted by ブクログ 2014年02月19日
育った環境も個性もバラバラの4人でバンドを結成して、文化祭で演奏することになり、そのことを通して一つになっていきます。そして音楽にも友達をつくることにも前向きになれる本です。
Posted by ブクログ 2012年12月08日
まさに青春って感じでした。
昭和末期の中学生たちの話です。
初々しい子どもたちの心情がちゃんと描かれていると思います。
こういう気持ちは忘れちゃいけないと思う。
私は好きです。
Posted by ブクログ 2012年03月29日
やっぱりこういう話は好き。真っ直ぐで、無垢で、眩しい。若いうちにこうやって何かに一生懸命になって馬鹿やるのっていいな。きらきらしてる思い出に絶対後悔なんてしないからとか考えてしまう自分を見てると年取ったかもしれないなあと思います。
Posted by ブクログ 2010年11月13日
なかなか文庫にならなかったので先にコミックスで先に読んでいた。ゴツボ×リュジの漫画も好きなので面白かったが、原作の方が当然ながら話が詳細なのでもっと面白かった。
中学生ぐらいの年だとちょっとしたことでも大きな変化になる。クラス替えの当り外れや何かの弾みで部活辞めたりとか、大人からしたら大したことじゃ...続きを読むなくても大したことになってしまう。でも、その分、大したことじゃなくても物凄く嬉しかったりする。
最初はガクだけ張り切ってて、他の3人はガクとは繋がってるけどそれぞれはバラッバラば感じだった。でも何がどうって言う大きなきっかけじゃないけど最後はちゃんと4人組になっていた。4人でバンドだから!同じ曲を演奏する4人だから?
漫画で読んでも文庫で読んでも清々しかった。
Posted by ブクログ 2023年12月13日
青春だぁ〜!
のめり込むように読んで、文化祭のライブは目頭が熱くなった。最後のリリィとガクの初々しい一生懸命な感じも良い。
かけるとマロもかわいいし、みんながみんなにとって必要な関係になっていて最高だった。
橋本紡さんの解説にも書いてある通り、さやま団地のこと、バンドエイドで半泣きになったリリイの...続きを読むこと…質感まで伝わってきて、いいよなぁ〜。
Posted by ブクログ 2019年04月01日
昭和63年、「ガンズ・アンド・ローゼス」に心酔した中学生ガクは、文化祭に向けてバンドをはじめる。
親友のマロと幼なじみのリリイ、それに、「ギブソンのフライングV」を持っていてギターがうまいと噂の問題児――かける。ケンカや練習を経て、4人は次第に仲間になっていく。
かけるの家庭環境(酒乱のおじいちゃ...続きを読むん)や彼が暮らす団地は、見ようによっては劣悪。けれどかけるは、(じいちゃんが言うところの)ぎぶそん仲間によって、団地住まいの自分を飛び越える。わだかまりも、もどかしさも、そして一つの時代をも飛び越えていく彼らに、エールを贈りたくなる1冊。
Posted by ブクログ 2016年09月25日
いやあ、今どきのラノベ作家に比べると、ホント、上手い。なんて言ったら芥川賞作家に失礼かもしれないが。
文章が生き生きとして、気が利いてる。なんてことない話を面白く書けるのは才能だと思う。
最近あまり見かけないが、この路線で続ければよかったのに。芥川賞が重すぎたんじゃないのか、と思ってしまう。
青春小...続きを読む説のお手本のような作品。
ただ、昭和天皇崩御の頃って、今の中学生は生まれる前だから、そこがどう受け入れられるのかはわからない。自分が生まれる前は昭和64年だろうが終戦直後だろうが、たいして違わないと思っている子も多いから。ガンズ・アンド・ローゼスも知らないだろうし、ギブソンやフェンダーを知ってる子も少ないと思う。
大阪のあまり豊かでない地域が舞台で、そこに住む中学生のお手本とはなりにくい大人たちの様子や、家庭・学校の雰囲気もちゃんと読み取れる。
この路線でまた書いてほしいな。
Posted by ブクログ 2013年05月04日
自分も通ってきた「バンド」という青春、音楽の世界観がとても心地よかった。大きな事件が巻き起こるような展開はないが、爽やかな雰囲気が大変よろしいと思います。
Posted by ブクログ 2012年10月12日
対象の読者は主人公らと同じ中学生なのでしょうが、大人が読んでも十分に楽しめる青春小説です。むしろ、疲れ気味の社会人への一服の清涼剤となると思います。音楽系ドラマの王道ですが、このあるある設定が心地よいですね。
Posted by ブクログ 2011年03月11日
青春!
もうまぶしいくらいに青春してる。
本作は児童書になるのかな?
YAってとこか。ぜひとも中学生に読んでほしい。
大人が読んでも、もちろん面白い。
Posted by ブクログ 2018年10月16日
中学二年生のガク、マロ、かけるの男子三人と紅一点のリリイの、関西弁で彩られたささやかで確かなバンドの日々。酔っぱらいがちな祖父や駄菓子屋、一緒に帰る帰り道、文化祭ライブ、地続きで飛び上がらない淡い恋。時折覗く昭和六十三年ならではのちょっとしたノスタルジーと、いつの時代でも普遍的な素朴な微笑ましさ。
Posted by ブクログ 2011年08月26日
☆3:ギブソンはギターの名前です?
感想:ナレーションがメインの男の子と女の子で変わり、独特の情景描写で語る所が特徴的である。基本的には、似たような語り口だが、男はバカで女がませてる、という微妙なキャラ設定の違いが青春っぽさを感じさせる。内容も軽めで読みやすかった。
紹介文:ぼくはガクと呼ばれて...続きを読むいる。学校で変わった男のかけると出会う。かけるはギブソンでガンズアントローゼスを完璧に引いて見せた。ガクはかけるのテクニックに惚れて、幼馴染のリリィと中の良いマロとバンドを組んで文化祭でのライブを目指す。
Posted by ブクログ 2011年02月12日
まさに青春!!!
自分も音楽やバンドに
興味があったので、
読んでみることに。
読みやすいし、
4人に共感できる
ところが沢山あった。
読んだあと、
無性に洋楽ロックが
聴きたくなる♪
Posted by ブクログ 2011年01月26日
想像していたようなバンドが主題の小説ではなく、バンドを織り交ぜながら進む少年たちの日常的な話という感じのものでした。
登場人物たちの煮え切らないというか、やきもきさせるやり取りに足をジタバタ、顔をニヤニヤさせながら読んでいる自分いました。