伊藤たかみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
だんだん悪くなっていく空気
自分が悪いとわかってながら止められない言葉
素直じゃない態度
相手を思いやる余裕
大切なものを大切にする
ゆっくりと空気が柔らかく溶けていく感じ。
あぁ幸せだなって言葉にしなくてもにやけちゃう感じ。
そう言う気持ちを思い出したのは自分にも同じような経験があるから。
傷つけあって、守りあって、繰り返して。壊れて。
まだ自分は壊れていく過程しか知らない。
強くなっていく過程を知らない。
1人でいる時間が特別なんだって、一人暮らしの楽チンさは特別なんだって。
いつか誰かと生きていく時間を当たり前にしたい。今が特別なんだって。 -
Posted by ブクログ
作中最大の関心事に見える「主人公が指輪をはめたかったのは誰?」という謎の解明は、実は添え物であることが次第に分かってくる。
だって、答えは書いてなくても、次第に主人公の気持ちはなんとなく汲めるようになってくるから。
つまるところ、本作は謎解きミステリーではない。
自分がプロポーズをしようと思っていた女性が一体誰なのかを見極める過程を通じ、アダルトチルドレンである主人公が大人になってゆく成長模様を描写した物語である。
という視点で、気になった部分を再度読み返してみると、特に気にも留めていなかったような些細なものも、実は何かのメタファーとなっていたり、また違った世界が見えてくる。
バーチャル・ -
Posted by ブクログ
ネタバレほんの一部分だけ記憶喪失、でもそれが大事なプロポーズしたい相手・・
29歳同棲してた女に振られた腹いせのごとく結婚したいなんて、
そこがまず子供!って思ってしまいました。
私も優柔不断だけど好きな相手は1人に絞って欲しい。
むしろ絵美里1人だけが本当の好きな人だから、
何となく心地よい3人とお付き合いしてたのかな・・
男の人って全員が全員こうじゃないですよね?
この本を読む10日前にたまたま29歳の優柔不断男に振られたから小説の彼とその彼を比較してしまいました。
好きな人がいるのに何となく私と遊んでいたこと、
過去にも現在にも未来にも属していないようなところがすごく似てました。
ただ、私は -
Posted by ブクログ
おもしろかった。
途中三股相手についての薄い描写が続くなどで飽きそうにもなったけど、最後の急展開、そして曖昧に終わらせた感じが、逆に読後感をよいものに。
また、解説がよかった。
失敗したくない人は先に読んでみてもよいかも。
Memo:
「価値観さえ合えば、結婚したくなる。価値観とは、何を大事にするかという大きな意味じゃなく、きっと、どの時間を一番大切にしたいかという意味なのだ。プライベートな時間とか、仕事の時間とか、そういう脈絡の中における価値ではなく、過去、現在、未来のどれを大切にするかということだ。」
「結婚できない男たちは、過去でも現在でも未来でもなく、止まった時間の中にいる。まさに氷 -
Posted by ブクログ
離婚により別居していた父親と娘が
一緒に暮らし始めるところから話は始まる。
父親は離婚後、
地元に戻りチンピラのような生活を送っていた。
娘と暮らすことになり、
生活や身の回りを取り繕ってみるが、、、
娘にはバレバレ。
娘は、苦手な元妻譲りの厳しい性格でもあり…。
現代っ子でクールな娘は、
そんな父親に呆れながらも、気になっている。
(でも簡単には認めるつもりはない…)
父親と娘の
違った形の愛情が見える作品。
一番印象的な場面は
父親の実家から帰る車の場面。
父が娘の気持ちを読み取れない不器用な感じ、
娘の少しずつ変わり始めた家族への感情と、
そんな繊細な思いをぶっ飛ば