アレクサンドル・デュマのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クライマックスに近づきつつある6巻
緊迫感とスピード感がさらに加速し、さらには予想外の意外なストーリーが展開していく
(ハイ、興奮しております)
モンテ・クリスト伯ことダンテスの隣人であったカドルッス
軽率で浅はかな隣人であったが、当初はそこまで悪党ではなかったはずだ
それでもダンテスを裏切ったことには間違いない
モンテ・クリスト伯はブゾーニ司祭になりすまし何度かカドルッスに情けをかけチャンスを与えるが、欲深さが増していきとうとうホンモノの悪党に
そのカドルッスの最期
モンテ・クリスト伯は自分の正体を明かす
モンテ・クリスト伯の憎しみと情けと哀しみが溢れる
彼は言う「これで一人」
そうまずは一人目の目的を達したのだ
アルベールの父であるフランツことモルセール伯爵
エデの父アリ・テブランを裏切ったことにより、地位と財産までを手に入れたことが、ある者の告発により新聞に投稿される
すっとぼけようとするモルセール伯爵の前にエデが登場し、力強く真実を語る
ショックを受けるアルベールは気が動転しながらも、この経緯に至ったのは誰の差し金か探り、とうとうモンテ・クリスト伯にたどり着く
あれほどに慕っていたモンテ・クリスト伯に決闘を挑む
これを影で見ていた母メルセデスはモンテ・クリスト伯の元へ
そしてはじめからエドモン・ダンテスであることがわかっていたという!(えーそうだったの⁉︎)
そして息子の命を助けてほしいとひざまづいて哀願するのだが…
動揺しまくるモンテ・クリスト伯
二人の過去からの苦しみが溢れ出す中、メルセデスの心からの説得が続き、とうとう打ち負かされる
今までモンテ・クリスト伯と化してから、描かれなかった彼の心情が滝の如く溢れ出す
〜あれほどの時をかけて準備した計画、あれほどの苦労と心づかいで築き上げた計画がわずか一言、わずか一息で、一挙にして、崩れ去ってしまおうとは!………〜
語られることがなかっただけに、このほとばしる心の叫びが読者の胸を貫く
モンテ・クリスト伯はアルベールを助けるということは自分の死を意味すると覚悟し、遺言状の作成にかかる
しかしここで死を覚悟した彼はエデに対する愛情に気づく
「おれはまだ幸福になれたのに!」
(ううっ、よかったねよかったね!)
いよいよ決闘の時
アルベールは彼の友人らの前で母メルセデスから聞いた父親のモンテ・クリスト伯に対する裏切りの真実を語り出す
そして彼は謝罪し決闘を取りやめる
そうメルセデスの高貴な心により息子を納得させたのだ
アルベールは自分の家の秘密をさらけ出し、父親を思う心を殺し、メルセデスは決闘を回避させどちらかが落としたであろう命を救ったのだ
モンテ・クリスト伯は「神の摂理だ!自分は神から遣わされた」と確信を持つ
そしてメルセデスとアルベール親子は父との訣別を決意し地位と財産を放棄し家を出る
フェルナンの最後もモンテ・クリスト伯がダンテスだと知り、さらに妻と息子から見放されたことを知り、絶望から自ら命を絶つ
一方ヴィルフォールの娘ヴァランティーヌ
どうも体に異変が起きている
どうやらサン・メラン侯爵夫妻と同じく毒薬に侵されつつあるのだ
しかしそれを察していた祖父ノワルティエ
密かにヴァランティーヌ体に毒の免疫を施しておくのだ
ヴァランティーヌの容体に不安を隠せなくなったマクシミリヤン
モンテ・クリスト伯にヴァランティーヌを愛していることを告白し、助けを懇願
モンテ・クリスト伯はショックを隠しきれない
自分の最大の宿敵の娘と最高の恩人である父親の息子が愛し合っているとは
しかしここでモンテ・クリスト伯はマクシミリヤンへの息子にも似た愛情が打ち勝つことに
ダングラールの娘ユージャニーとアンドレアに扮したベネデットの婚約契約書署名の日
アンドレアの罪が暴露され、警官が乗り込んでくる
ベネデットは逃亡
(あら?結婚までさせてどうにもならないところに行くのかと思いきや…)
このどさくさに紛れユージャニーと彼女の女音楽教師は二人で家を出る
この2人とベネデットが皮肉にも再会
ベネデットは捕まり、ユージャニーらはまた逃げる
ここにきて大きな局面を迎え物語が急速に動き出す
意外な展開に驚いたが、メルセデスの深い愛情、モンテ・クリスト伯の心の叫び、エデに対する愛の気付き
なかなか感動的な場面が多い
モンテ・クリスト伯に扮してからダンテスはもういない…さらに彼の心は硬く閉ざされ、読者にさえ見る隙間与えなかったのだが…
クライマックスが近づき、ダンテスの心から血潮のように溢れる感情が激しく伝わる
この効果的な見事な演出にアッパレである
そしてまんまとやられておりますワタクシ(笑)
残すところ最後の1巻
モンテ・クリスト伯の最後なんて知りたくないなぁ…
なんかバットマンみたいな感じになってきた… -
Posted by ブクログ
さて相変わらず強欲なダングラール
モンテ・クリスト伯の策略で財産が減りつつあることにビヒり出し、新たに知り合ったイタリア人貴族カヴァルカンティの息子アンドレア(実はベネデット)とモルセールの息子アルベールを娘の婿にと天秤にかけ始める
(まぁ恐ろしい!ベネデットと結婚させたいあんたの娘はベネデットの異父兄弟よ!)
不倫の末、子供(ベネデット)まで出来てしまった宿敵ヴィルフォールとダングラール夫人
ヴィルフォールから子供が生きている事実を知らされ、またしても倒れそうになるダングラール夫人
しかしこの秘密をどうやらモンテ・クリスト伯が掴んでいると睨んでいるヴィルフォールは、ダングラール夫人にモンテ・クリスト伯に気を許さないよう注意を促す
さらにはヴィルフォールはモンテ・クリスト伯の周辺を探り始め、お互いの騙し合いが始まる
(今のところモンテ・クリスト伯が優位)
さてヴィルフォールが最初に結婚したルネ・ド・サン・メラン(既に死亡)の一人娘、ヴァランティーヌ
いよいよフランツとの結婚が差し迫る
それに「ちょっと待った」をかけるマクシミリヤン
身分違いの二人の恋なのだ
ヴァランティーヌの祖父であるサン・メラン侯爵が亡くなり、さらにはその妻サン・メラン侯爵夫人までもが立て続けに亡くなる
夫妻の死は不審死だと医者がヴィルフォールに伝え何だかミステリーへと展開し始める
兎にも角にもこのおかげ(?)でヴァランティーヌはフランツとの結婚ギリギリセーフ免れる
マクシミリヤンまさかのチャンス到来であるが、未熟で味方のいない若い2人はなす術がない
そこへまさかの最強?の味方が…
全身付随のヴァランティーヌの祖父であるノワルティエ
自分が二人を結婚に導いてやる…
その方法はフランツの父とノワルティエにまつわる過去を暴露し、実に効果的で揺るぎのない過去の出来事を伝える
ノワルティエは全身付随であってもやると決めたことは何が何でも徹底的にやり尽くす凄腕なのだ
続いてエデの話し
エデの辛い過去をモンテ・クリスト伯はアルベールに話すよう促す
ギリシャの王女がなぜ奴隷になり下がったのか
そこにあった裏切り、悲しく辛い運命
そして父の最期、母の最期
奴隷商人に売られて、転々とし最後にモンテ・クリスト伯に買われる
アルベールはそんな話を恐怖と好奇を持って聞いていたが、まさか自分の父モルセールが関係するとはまだ夢にも思っていない
この関係性を使ってモンテ・クリスト伯はどうするつもりなのか…
最後はヴィルフォール家
ノワルティエの老僕が突然死
サン・メラン侯爵夫人と同じ毒殺だと言い切る医者
さぁ誰が得をするのだ
疑われているのはヴァランティーヌ
真犯人は…(もうわかるけど)
そしてその目的は…(もうわかるけど)
デュマの計算つくされた仕掛けの数々
まさかこれほど話を展開させ膨らませていくとは…驚きを隠せない
時間を相当かけ構成を練ったのがうかがえる
それを痛快な心持ちで読む私たち…
後世に読み伝えられ、続いていく理由なのだろう
しかしモンテ・クリスト伯の復讐方法は緻密だ
家族とその周辺から徹底的に過去を探り、弱みを見つけ巧妙に潰しにかかる
金と知恵がモノを言う
ここまでくると最後が気になる…
果たして彼はどこまでやるのだろうか…
彼にとっての復讐はなんなのだろうか
復讐をやり遂げ、最後に彼は何を思うのか?
残すところあと2巻である -
Posted by ブクログ
船主のモレルは臨終の際、自分達を助けたのは、「あれはダンテスだ」
息子のマクシミリヤンから聞いたモンテ・クリスト伯は体中の血潮が逆流し言葉を失う
モレル家でのやりとりはモンテ・クリスト伯にとって心安らぐ幸せなひと時なのだ
そして心の中のダンテスが見え隠れする数少ない場面だ
ここから登場人物がグッと増えていくのだが、皆繋がっていくこのスリリングな面白さ!
この繋がる感じと明らかになる人間関係を頭の整理がてら備忘録していくことにする
宿敵ヴィルフォールが最初に結婚したルネ・ド・サン・メラン(既に死亡)
この一人娘はヴァランティーヌ
その後ヴィルフォールはエロイーズと再婚し、こちらは完全にスポイルされたいけすかない息子エドゥワールがいる
金銭問題もあって、ヴァランティーヌは孤立しているが祖父であるノワルティエだけが味方
しかしこのノワルティエは既に全身付随
過去はポナパルト党員で精力的に政治活動に参加していた(1巻でノワルティエの鮮やかな活躍ぶりが少し紹介されるがなかなかのキレ者でカッコいい)
サン・メランの娘であるヴァランティーヌの許嫁はアルベルトの友人であるフランツ・デピネー
彼の父は将軍でありボナパルト党に暗殺された模様
つまり祖父時代は敵同士の間柄であったが、孫の時代には結婚させ丸く収めようとヴィルフォールが企てる
これに祖父とヴァランティーヌは大反対
ヴァランティーヌの想い人は、マクシミリヤン・モレルなのだ
さて突如登場するのがイタリア人であるカヴァルカンティ元少佐
彼は大昔に生き別れになった息子アンドレアがいる
その息子に会わせてあげようとするモンテ・クリスト伯
もちろん訳ありだ
その息子役になったのがあのヴィルフォールが生き埋めにし、下僕のベルツッチオの義理姉が育てとんでもない悪党になったベネデットである
役者が揃ったので次は舞台を揃えるモンテ・クリスト伯
そう舞台はサン・メランの屋敷
こちらをポンと買い取り、関係者一同をご招待
そうこの舞台は例のヴィルフォールが愛人の子供を生き埋めにした場所である
ここでヴィルフォールの愛人がダングラール夫人であったことが判明(マジか⁉︎)
モンテ・クリスト伯はここで二人の過去を妄想した話を聞かせ、ダングラール夫人は殺到してしまう
ここではまだヴィルフォールとダングラール夫人の息子ベネデットに関して、顔を合わせていながらも、3人とも気づいてない模様(生き埋めにしたと思ってるから当たり前だけど)
さらにはダンテスの隣人であったカドルッスが再登場
そうベネデットと悪巧み仲間として繋がっていた
(カドルッスはだいぶ悪に染まり、落ちぶれている模様)
最後はダングラール家
株の偽情報で損失を出したダングラール
そこからダングラール夫人の素行が露わに
ダングラール夫人の最初の夫は、ヴィルフォールとの不倫(出産も?)を知り自殺
さらに今はアルベルトの友人の一人内務大臣秘書官のドブレーが愛人
元々家庭不和だったようで、ダングラールは全て把握していた
しかし今回の株の偽情報はドブレーが絡んでいたため激昂
ダングラール夫人は追い詰められるのだが…
モンテ・クリスト伯の仕掛けが止まらない!
計算づくで知恵と金をこれでもかと使いまくり、とことん敵を半端なく追い詰め出す
しかし出来過ぎなストーリーですなぁ…
まぁ痛快復讐劇だからいいけど…
実際しっかり楽しんでるさ…
最後どう仕留めるのか楽しみだしさ… -
Posted by ブクログ
もはやダンテスは居ない
長年の投獄生活と人生を陥れられた復讐心からダンテスは死に、モンテ・クリスト伯へ変貌を遂げたのだ
復讐の対象は3人の男たち
彼らにどう近づき、何を仕掛けるのか…
まずはそのうちの一人、ダンテスの婚約者であったメルセデスと結婚し、地位も金もある地位に成り上がったモルセール伯爵(元フェルナン)
その息子アルベールに近づきさんざん恩を売るモンテ・クリスト伯
単純なアルベールはモンテ・クリスト伯に感謝とさらには立ち振る舞いに魅せられ尊敬を以って自宅へ招待するのだ
とうとうフェルナンとメルセデスとの再会を果たす
メルセデスは顔色を変え病に侵されたかのような虚ろな状態に(気付いたのか?昔の想いに馳せ、ダンテスを想っただけなのかは不明)
モンテ・クリスト伯の方はメルセデス肖像画を観た時点で肩と胸とをふるえがかすめる
そしてアルベールは復讐対象男の一人ダングラールの娘が許嫁という出来過ぎな設定が発覚
さてコルシカ出身のベルツッチオ
こちらはモンテ・クリスト伯の下僕の一人である
彼はモンテ・クリスタ伯復讐対象の一人である王党の検事代理ヴィルフォールに恨みをもち、過去にヴィルフォールを刺し(死んでなさそう)、ヴィルフォールが埋めたであろう子供を引き取る
義理姉がその子を育てるのの、とてつもなく悪党のなり、最後は金欲しさに義理姉を火炙りにし、子供は消息を断つ(いつか出てきそうなので覚えておかなくては)
ベルツッチオがヴィルフォールを刺したであろうこの別荘をモンテ・クリスト伯が購入
ここはヴィルフォールの嫁であったサン・メラン侯爵の元邸
ここでベルツッチオの過去が回想される
ベルツッチオは過去にある殺人の濡れ衣で捕まった
なんとダンテスの隣人であったカドルッスが犯した殺人だ(これもモンテ・クリスト伯はカドルッスを許したわけではなかったのか…チャンスは与えたが、彼の心次第では地獄になることを見越して試したのだろう…という出来事あり)
モンテ・クリスト伯の復讐対象者らと何かと絡みが深いベルツッチオは、ここから救出され、モンテ・クリスト伯の下僕となるが、もちろんすべてモンテ・クリスト伯の企みによる
このベルツッチオが掴んでいるヴィルフォールの秘密をモンテ・クリスト伯がどう復讐の道具に使うのか…
さて次に再会する復讐対象者は船乗り仲間かつ会計士であったダングラールである
強欲で人を蹴落としてものし上がるこの男は当然出世しており、今や成功した銀行家である
ここではモンテ・クリスト伯は直接対決を試み、見事ダングラールの鼻をへし折る
恐らく復讐の序の口に過ぎないだろう
お次は最大の敵、王党の検事代理ヴィルフォール
ヴィルフォールの現在の夫人と子供を助ける…という茶番をやってのけ、ヴィルフォールがモンテ・クリスト伯の元へやってくる
この対決もモンテ・クリスト伯も痛快な話術を繰り広げるが、さすがに心の中で憤怒の叫びをあげる場面も…
ようやくここでモンテ・クリスト伯のこころの動きが垣間見れる
そう2巻の途中からモンテ・クリスト伯の心情描写が一切ないため、彼の真意がまったくわからない
謎の空白期間に準備をしたのであろうが、読者には知らされていないため、一体何をどう仕掛けてくるのか…気を引き締めて読まなくてはいけない
そうあちこちに仕掛けが満載なので、ぽけーっと読むとえらく勿体無いことになる
どうやらダンテスが再会する順番は罪の軽い順みたいである
再会の駒は出揃った
伏線もたくさん張られた
緊張感が増す一方である -
Posted by ブクログ
頼みのファリア司祭が亡くなり、見事でスリリングな脱獄劇から始まる2巻
密輸船に助けられ、船乗りの力量を発揮し順調なスタートを切るダンデス
結局彼は14年もの間牢獄生活を送ったことになる
20歳だったダンテスは34歳である
14年ぶりに見る自分の姿の変貌ぶりに「誰一人自分と気づかないだろう」と満足げに微笑む
この辺りがもうダンテスの完全なる精神変化が窺い知れ、こちらも不敵な笑みを浮かべ読み進める
もう以前のダンテスではない
精神を研ぎ澄ませ、知恵を活かし、とうとう宝の在り方であるモンテクリスト島へ
そして…
いやー実にドキドキするスリリングな展開である
まぁ出来すぎた内容でもある本書らしく、紆余曲折はあるものの、無事お宝ゲット!
いよいよここからダンテスは過去の人物らとの再会を図る
父の最期を知り、大いに嘆く
そして野心のためにダンテスを陥れたダングラール(元船乗りの仲間の会計士)とダンテスの婚約者メルセデス欲しさにダンテスを陥れたフェルナンも黒幕であることを再確認
しかも二人は大層出世した模様
さらにはフェルナンは愛するメルセデスと結婚したというではないか!
ダンテスの復讐の炎がジリジリと音を立てて燃えているのが想像できる
さらには船主であったモレル氏が破産に追い込まれていることを知り、身元を明かさず助ける
(もうダンテスと再会してもダンテスだと気づく者はもう居ない)
そしてストーリーは展開する
1838年イタリア
登場するのはパリの上流階級に属する青年二人
アルベールとその友人フランツである
(じつはアルベールというのが、フェルナンとメルセデスの息子であるが、それは前半にたった一度名前が出てくるだけなので見逃す人多発であろう…こういうのもデュマの演出なのかしらん?)
ここでダンテスは「船乗りシンドバッド」と名乗り二人に近づくのだが……
モンテクリスト島で宝を手にし、縁ある人達に再会する辺りから、ダンテス側からストーリーが進まないため、各所のダンテスの心情描写は一切ない
そしてこの青年二人へも少しずつ近づいているのだが、どんな展開になるのかまったく読めない
青年側からの描写でストーリーが進んでいくため、ダンテスが何を企み何を企てているのか読み手にもまったくわからないのだ
こういった構成の見せ方に読み手は完全に虜にされてしまう
うーんさすが名作!
ところどころにアラビアンナイト、ギリシャ神話、神曲のエピソードが散りばめられており、時間軸も空間も全く異なるのに同じ書に触れた作家の作品を読む喜びを味わうこともできる
続きが待ち遠しい
久しぶりのワクワク感♪ -
Posted by ブクログ
全7巻の作品
こういう長編作品はなかなか再読が難しいであろうから備忘録としてレビューしたい
そのため一部ネタバレあり
フランス革命後の激動の時代
ナポレオンが失脚しエルバ島へ流刑され、ルイ18世が王権を取り戻した頃…
世間ではナポレオンを支持するボナパルト派とルイ18世を擁立する王党派がにらみ合っていた
何とも純朴な好青年という印象の主人公ダンテス
「父」と「婚約者」と「船乗り(一等運転士)の仕事」という狭い世界で十分満ち足り、人を疑うことも知らず幸せに生きていた
もうすぐ結婚を控え、仕事においては船長に昇格か⁉︎というまさに幸せ絶頂ともいえる矢先
船乗り仲間のひがみ、ダンテスの婚約者メルセデスを愛してやまない従妹の嫉妬
そして全く無頓着であった自分の世界とは関係のない政治絡みに巻き込まれる
それらが出来過ぎたようにうまく絡み合い、まさかの反王党スパイ容疑で逮捕されるのである
しかも婚約パーティーの当日…である
そんな皮肉な運命により天国から地獄へ真っ逆さまとなるダンテス
さてダンテスの運命を狂わせた非常に厄介な検事代理の男ヴィルフォール
彼自身は王党である
そして父親はボナポルト派であるジロンド党
その父親が策士となった手紙
まったく手紙の中身を知る由もないダンテスが運命のいたずらにより運び屋になってしまったのだ
ヴィルフォールは父をかばいつつ、自分の地位を守りたいという計算高い野心家
そんな彼がダンテスという一人の青年を使わない手はない…と始まった策略によりダンテスはナポレオン帰国陰謀を企てた罪で獄中へ
不幸のどん底に突き落とされる
独房に入れられたダンテスは、時間の経過とともに気がおかしくなっていく
彼の心の変化は期待、希望、祈りに始まり、絶望、憤怒、憎しみへと変化する
それが鎮まると今度は死に対する安息を求めるように…
こうした地獄絵図のような時間が何年も経過した折、ある出来事により同じ獄中の罪人と交流ができることに
それがローマ人の祭司ファリアという人物である
ダンテスはファリアの教養と辛抱強さ、精力に脱帽する
ファリア司祭は12年余りの獄中生活で紙、ペン、針、梯子…までもを創意工夫と気力により作り上げ、持ち前の知識を活かし論文まで作成するのである
祭司の貴重なお言葉は以下
〜これらの知恵は、不幸が必要であったのだ
火薬を爆発させるのに圧力がいるように…
監獄生活は、ほうぼうに散らばっていたわしの才能を一つの点に集めてくれた〜
とまぁ、ありえないほどの人物との出会いにより眠っていたダンテスの知識、才能が開花する
ファリア司祭の秘密を共有したダンテス
それはファリアが秘書として働いていた貴族(枢機員)の遺した宝であり、その場所をダンテスに教え譲り渡そうとするのである
〜囚われていたあいだの息子なのだ〜
二人の間には友情を超え、親子のような深い愛情で絆ができるのだが…
実に面白い!
さすが名作だけある
始終エキサイティングな展開で、あっという間に読んでしまった…
平々凡々で人の良さだけが取り柄のようなダンテスの人格が少しずつ崩壊していく
このジリジリと迫る彼の変化が見ものである
ダンテスがどう変貌を遂げ、復讐鬼となるのか…
またどう脱獄するのか…
さらには全7巻であるがそんな長い事かけてどう展開するのであろうか…
そんなところも見ものである -
Posted by ブクログ
ネタバレヴァランティーヌは死んでいないってマクシミリヤンに早く教えてあげればいいのに、ってハラハラした。
一度死ぬほど絶望してこそ人生に希望が持てるってか。
そもそもこの話、一番悪いのはダングラールで、メルセデスに横恋慕したフェルナンや、自分や父の立場の保身に走ったヴィルフォールは小者感あったけど、フェルナンやヴィルフォールへの復讐が激しい割にダングラールに甘くない?
ルイジヴァンパやペピーノの登場が久しぶりすぎて、誰だか忘れた。
6巻でメルセデスにアルベールの命乞いをされるまで、非の打ち所がない、隙のないモンテクリスト伯だったのが、どんどん人間らしい迷いとか苦悩とか、これでよかったのかっていう悔恨とかを取り戻していく様子がよかった。エデがモンテクリストを愛してくれてよかった。
一途にヴァランティーヌだけを愛し抜くマクシミリヤンは、王子さまって感じだ。
金色夜叉を、数倍壮大にした感じのお話だった。 -
Posted by ブクログ
怪奇幻想譚好きは絶対読んだ方が良い。流石「三銃士」を書いたデュマだけあって面白い!
ギロチンで切断された後も喋る生首、幽霊、呪い、吸血鬼……辺りのキーワードが好きな人にはオススメです。
ただの怪奇幻想譚ではなく、人体実験やメスメリズムなど、当時の『科学』の視点も組み入れつつ、18世紀~19世紀辺りのフランスの歴史も絡めて物語を描いてるのがこれまた手が込んでる。(実際に歴史上存在する人を登場人物にしているあたり、山風にも通ずる感じの面白さ…)
タイトルの「千霊一霊」は「千夜一夜」リスペクトから来てるらしいですが、市長の家に招待された客が順番に自分たちが体験した不思議な怪奇幻想譚を語るという体裁、「千夜一夜」というより、日本人にはなじみ深い「百物語」のお作法ですね。本邦初訳。