山本博文のレビュー一覧
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週刊誌連載なのでコラム的、そして連載を1回しか読まないことも想定されており、各章で内容がまとまっていてとても読みやすい。取り上げているのは鬼平や田沼意次、松平定信の居た時代の江戸の武家たちの昇進競争について。ネタ元は松平定信が集めさせた「よしの冊子」が主。
「鬼平」長谷川平蔵のことはテレビ時代劇「鬼平犯科帳」をやっていたことぐらいしか知らず、池波正太郎原作も未読。しかしテレビの刷り込みとは恐ろしいもので、水戸黄門、銭形平次、暴れん坊将軍などのように「良い人」と思い込んでいた。確かにやり手だし江戸の町衆からは慕われていたのだけど、やり方はどうかと思われるところも多い。というか著者の視点がわりと厳 -
Posted by ブクログ
春に一気に咲き誇り、潔く散りゆく桜を見るたびに、読み返したくなるのではないかと思います。
本書を手に取ったきっかけは、本村凌二さんの『教養としての「世界史」の読み方』の中にあった「古代地中海世界に一〇〇〇以上あった都市国家の中で、なぜローマだけが大帝国になり得たのか。十九世紀後半、欧米列強が植民地化を進めるアジアで、なぜ日本だけが植民地支配を免れ独立を保つことができたのか。」という問いです。その問いに対する一つの仮説として「ローマでは「父祖の遺風」、日本では「武士道」という、精神の柱とでも言うべきものがあったからではないか」と提示されており、興味を持って手に取りました。
また、新渡戸稲造が -
Posted by ブクログ
ネタバレ忠臣蔵に続いてとにかくわかりやすい!
兵糧の考え方が秀吉以前と以後で違い、自弁と現地調達の考えから、各大名が準備する方式になっていく。
1人あたり1日5合の兵糧米ってなかなか大変…
以下も、本書で示された基準↓
●米1石=8万円
→1000人の軍勢を動かすのに1日40万
●金1枚(165グラム)=200万
が、どんどん高騰し、5年で350万に上がる
●永楽銭1文=200円
↑信長が堺の町衆に要求した矢銭2万貫(40億!)の規模の大きさがわかる。
しかし対外貿易で潤っていた堺が払えない額ではないというのもすげぇ
●銀1枚=35万円
1匁=8000円、1貫=800万
●大名は家臣がいないと合戦