柴田錬三郎のレビュー一覧
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私小説が大嫌いなはずの柴田錬三郎、その彼のハードボイルド調の青春自伝。岡山から上京した17歳から、眠狂四郎で大ブレークする39歳まで。人物のほとんどは実名で登場し、女性遍歴も詳しく書かれている。
九死に一生をえた戦地(海上)での体験は、さらりと書かれている。その文章に漂う虚無感は、その後の柴錬の作品に通底しているような気もする。
個人的におもしろかったのは、戦後すぐに子ども向けの名作や偉人伝のダイジェスト版を20冊ほど書きまくって糊口をしのいだというエピソード。その経験はのちに新聞や週刊誌の連載物を書きまくるのに役立ったという。
実名でここまで書いちゃっていいの?と心配になってしまうものもある -
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明朗快活な左近が、尾道から江戸に戻るまで、様々な事件に巻き込まれ、狙われたりするエンタメ活劇ミステリ
書かれた時代的なものなのか、作中に主人公の自分語りが無いのが好き
短編連作で、宦官の処置方法を知らない人にはエグい描写があったりもするし、現代風配慮など無くサクサク人も殺し殺されますが、剣豪時代小説ってそんなもの
左近は西洋医術を身につけているけれど、救えない者は救えないし、悲観もしない
自分の出来ることと出来ないことを割り切って進むヒーロー
仲間になる元夜盗の左平次がいい仕事しまくるのもテンポを良くしていて読みやすかったです
時代劇(高橋英樹主演)にもなっているようで、続編あるなら読みた -
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眠狂四郎最後の冒険!
秋田への探訪から始まり、江戸まで続く公儀隠密群との死闘。
さらに後半から狂四郎は、東シナ海への船旅に出る。五島列島、石垣島、清国沿岸へと続く海の戦いが眠狂四郎ファイナルバトルとなった。
今巻ゲストでは、狂四郎の連れとなる高潔な黒人占星術師(英印ハーフ)が最後までおいしい役どころとなっております。 -
ネタバレ 購入済み
さくさく読めます!
「るろ剣」の作者がカバー担当。内容は読みやすい長さの眠狂四郎短篇集+柴田錬三郎エッセイ。
短編だからか、この本では剣劇シーンよりも捕物帖的な謎解き要素の方が強い。ラノベ風表紙とはいえ、シリーズ後期のお話らしく眠狂四郎入門には不向きかも(最低限の説明はある)
ちなみに和月氏のイラストは表紙のみ。 -
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実は他の三国志をちゃんと読んだ事が無い。
正確に言うと、シリーズの完結まで読んだ事が無い。
つまり王道の吉川三国志も読んでなければ、正史も演義も違いがわからない。
俺にとっての三国志基準は、この本と、横山光輝の漫画がベースになってます。
現在は北方三国志を読み始めた所ですが。
この柴錬三国志は確か中学の時に読んだので、そう考えるとかなり古い作品と言える。もう二十数年もの昔になってしまった。
記憶も定かじゃないが、今思い返せば、ちょっと劉備がオトコマエに描かれ過ぎてるような印象が(笑)
そして諸葛孔明の人間離れさよ(笑)
でもかっこいい!
中国の歴史物をよく読みますが、この本がきっかけで -
Posted by ブクログ
★夢よ真実ならば/チャンスは三度ある/地べたから物申す
柴錬こと柴田錬三郎は95年前の1917年3月26日に岡山県備前市で生まれたノンフィクション作家で中国文学者それになんといっても時代小説家。
時代小説の主人公といえば、人情ものでは庄司るい(平岩弓枝『御宿かわせみ』)や玉枝(山本一力『梅咲きぬ』)、珠世(諸田玲子『お鳥見女房』)やお登勢&塙十四郎(藤原緋沙子「隅田川御用帳」連作)、笑兵衛&お捨(北原亞以子『深川澪通り木戸番小屋』)や藤木紋蔵(佐藤雅美『物書同心居眠り紋蔵』)、夏木&藤村&仁左衛門(風野真知雄「大江戸定年組」連作)などがあり、捕物帖ものとしては、半七(岡本綺堂『半七捕物帳』