武田徹のレビュー一覧

  • 暴力的風景論

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    武田徹節ともいえるハイブリッド的な方法で描かれたノンフィクション+評論。沖縄、ノルウェイの森、田中角栄、宮崎勤などが取り上げられる。膨大な数の参考文献を引用し、風景を読み解いているが、もう少し見たままの描写が多い方がよかった。評論的な部分は、それぞれのテーマで書かれた本があるだけに既視感があった。一冊をまとめるような加筆修正をもう少ししてもよかったような気がした。

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    2014年08月11日
  • 原発論議はなぜ不毛なのか

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    福島第一原発の事故が起こった時、原発論争の渦中にあった著者の、その渦をまとめたような本。
    著者は事故以前に『「核」論』という、スイシン派、反対派の各々の書くの論争について本を出しており、
    事故直後は、推進派でも反対派でもなく、中立的な立場を取ったからこそ両者から批判を浴びたと言う。
    「脱原発」をただ叫ぶだけでは、何も進まない。原発誘致の自治体の貧困問題、使用済み核燃料、廃炉作業の問題をきちんと論議した上での「脱原発へのソフトランディング」が、これからの課題だと認識させてくれる本だった。

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    2013年07月30日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    はっきり言って、この人の本は、とても読みにくい。文体としても、内容としても。

    著者は、原発スイシン派でもなく、ハンタイ派でもない。そのどちらに対しても「非共感的」に感じている、と著す。

    スイシン派の引くに引けない状況。
    反対派の過剰なまでの拒否反応。

    その折衷案を模索して震災から2年が経とうとする。
    その折衷案を考えるときに、まず読まれるべき本だと思った。


    エネルギー源として原発は必要不可欠であるという推進派。
    彼らの隠蔽体質は目に余るものがある。
    しかし、当初「原発は完全になくすべきだ」として、頭ごなしに反対していた反対派も、思考停止状態といえるのではないか?
    原発は危険だ!と訴えすぎることによる弊害もある。就労職員の核に関する知識の低下。労働のモチベーションの低下。スイシン派の隠蔽体質を作り上げもした。
    危険なものでも、突然姿を消してくれるわけではない。
    平和的に終息するために、議論がなされるべきだ。

    それなのに、国家は、なし崩し的にスイシンへと向かおうとしている。

    反対の「やり方」が、問われるときだ。

    まず、原発を知ること。核を知ること。民主主義を知ること。アメリカを知ること。冷戦を知ること。倫理を知ること。学問を知ること。未来を模索すること。

    原発は、本当に、複雑な要素が絡み合った問題だ。

    それをほどいてくれるわけではないが、その手助けになる本かもしれない。

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    2013年07月30日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    漠然としたイメージ、マスコミの喧伝、何となくの感覚に翻弄されて、ただ闇雲に賛成・反対と思ってしまうのが嫌で手にとった本
    日本が原子力発電を手にする歴史的経緯と、これまで論じられてきた数々の言論を紹介しており、一冊としては極めて中立的なまとまりを見せている、と言った印象でした

    読み終えて、「賛成ですか?反対ですか?」というのはいかに愚問であるかと思うようになったこと、エネルギー計画は時に戦争を起こすほどに重要な問題であると認識したこと、とりあえずトラブルが起きた時の政権を批判してるだけではいけないってこと、が大きな収穫

    大量のエネルギーを消費して暮らす社会の一員として、いざというときにしっかりと考えを話せるようにはなっておこう

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    2013年02月27日
  • 増税は誰のためか

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    身近な税金である消費税。この税率アップが妥当かを旧財務官僚や経済学者等が分析している。
    消費税の増税をめぐる議論の中で、政治をいかに私達が、政府に丸投げしていたか気付かされた。

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    2013年02月06日
  • 増税は誰のためか

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    いやはや、財務省のデタラメさに驚き、野田政権の不甲斐なさに落胆し、私はどうしたら良いのか途方に暮れました。(;´д`)
    貧乏非正規母子家庭は、ふんだくられるだけなのか?税金を払ってるという実感は、湧きませんが何か?払うばかりで、公共サービスは、大して受けられないという…。

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    2012年04月24日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    今の原発における現状までの経緯を分かりやすく解説してくれる一冊。戦後日本社会では技術的な豊かさを得たものの、心の豊かさを得るまでは至らず、そのことが今につながる。原発には未知の部分が未だに多く、すべての要素をもって議論することは不可能との見解から筆者は最終的に佐伯の『「きめ方」の論理』から、しっかりした情報収集をもとにいくつかの方策を柔軟に取り入れていくという極めてまともな結論に至る。原発推進派と反対派の共倒れの言論をゲーム理論から説明したり、原発関係の本のを読んだ経験が少ない自分にとっては内容が充実しているように感じられた。

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    2012年03月16日
  • 原発報道とメディア

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    ジャーナリズムについて精緻な論考だ.ただ,ラジオはともかくテレビの質は見るに耐えない水準まで落ちている.だから,視聴者は激減している.正月番組で気になるものはなかった.本書はジャーナリスト必読だ.

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    2012年01月05日
  • 原発報道とメディア

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    3.11以後のメディアのあり方について論じる。ジャーナリストの守るべきは「基本財としての安全・安心」とする立場から、原発問題に関する報道を通して浮かび上がってきたジャーナリズムの歪みを俎上に載せ、その本質を抉り出しています。議論の対象は一般のマス・メディアからソーシャル・メディアなどのネットワーク・メディアまで広範囲に及んでおり、メディアの輪郭を捉え、その現状を理解するうえで非常に役に立つ、内容の濃い本であると感じました。

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    2011年12月06日
  • 原発報道とメディア

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    基本的には、メディア論の本でした。でも、前半1/3の原発論の部分は面白かった。原発反対派と推進派の議論はなぜかみ合わないか?の考察は秀逸。

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    2011年11月04日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    原発が日本に存在するに至った背景が書かれています。
    驚いたのはウランブームの初期、体にいいとされていたこと。
    ラジウムドリンクを飲んだり、お風呂に入れたり、畑に撒いたり。
    偏った情報が流されていたとは言え、原発を選択した背景があるわけです。なので、一概に原発を建てたことが悪い!とは言えないわけで。
    反原発にしろ、原発推進を語るにしろ背景を知ることが大事ですね。
    過去があるから今がある。

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    2011年11月16日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    第二次世界大戦における被爆国でありながら,原発を推進することになった経緯が詳しく書かれていると思います.

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    2011年10月16日
  • 原発報道とメディア

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    原発報道に抱いていた違和感、なぜ違和感を感じていたのか、かなりすっきり。
    原発報道に限らず、マスメディア論として面白い。
    特にネットメディアに関する評が◎

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    2011年10月10日
  • 原発報道とメディア

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    原発報道に関するメディア対応の話だけでなく、ジャーナリズムのあり方やあるべき姿についても言及していてそちらも参考になった。

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    2011年09月28日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    大戦直後から今日まで、原子力に対する世の中の認識の変遷をたどって、その時代に出てくる米軍人から政治家、社会学者などの思想が紹介されている。「スイシン派」と「ハンタイ派」の二項対立を調停し、膠着を打開したいという筆者の目標は、なかなか達成困難というのが読後の正直な感想。信じる神が違う「宗教」間の対立に近い。

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    2011年09月21日
  • 原発報道とメディア

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    原発に関して「ハンタイ」派、「スイシン」派といった二項対立の党派的な構造からではなく、是々非々で事に当たっていこうとする著者の姿勢に共感。ジャーナリスト系の著作はあまり好きではないのだが、社会学でしっかりと足場を固めた論理の展開には好感が持てた。

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    2011年09月16日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    「原子力的な日光の中で陽なたぼっこをしていましたよ(We just been basking in the atomic sunshine.)」
    ホイットニー准将が日本国憲法の草案を日本政府に迫ったときに芝居がかって言った台詞である。原爆の力を想起させる言葉で圧力をかけたのだ。私たち日本人は敗戦から66年後に今またこの原子力的日光の存在をまざまざと感じている。この原子力的日光はあの時からとぎれることなく、この世界に降り注いでいたのだ。

    この本の著者は、上記の言葉がきっかけで核の脅威についての本を書こうと思ったということだ。著者本人もあとがきで書かれているように、核・原子力については、複雑な問題が絡みあい、ひとことで推進・反対と結論を出せるものではない。
    東電や政府の対応には確かに問題はあったが、事故に直面して対応しているのも彼らなのだ。彼らに頑張ってもらうしかないし、監視や批判と共に、応援、感謝もしなければならないと思っている。
    3.11後に感じたのは、レッテル貼りの恐ろしさだ。スイシン、ハンタイ、ムカンシン、トウデンノニンゲン、こうしたレッテル貼りは個人をないがしろにし、個人の存在まで否定しはじめる。これは自分への戒めでもある。そういう考えは無意識に日常的な問題の中にも潜んでいるからだ。

    ”『原子力の社会史』の中で吉岡斉は自分の電力業界に対する立場を「非共感的」と形容している。非共感的とは、あらかじめ敵対するわけではないが、批判的な立場を取るというものだ”……著者は吉岡斉を引用して自分の態度を「明らかな推進派・反対派のどちらを向いても共感できない状態において原子力に対峙しなんとか活路を見出そうとする立場」と表明している。緊迫した状況においてはいささかぬるい立場といえるかもしれないが、私もこの考えに共感するところがある。

    今日では原子力に対する一般市民の科学的な思考はかなり高まってきている。感情にまかせるのではなく理性的に考え行動することができる人たちは、科学的な情報を自分なりに仕入れ自分の立場を決めそれに従って行動し始めている。ネット社会は発達していなかったならば難しかっただろう(ネットの情報を活用するにもそれなりの知識と経験が必要だが)。無目的にマスコミの情報やデマを信じる人は若い世代を中心に少なくなってきているはずだ(と思いたい)。

    今の状況は陽なたぼっこなどという生やさしい表現はあてはまらない。
    私たちは「原子力的日光の中で人生をSURVIVEしなければならない」状況にいるのだ。


    *****
    この本は、2002年出版の増補版として3.11以後に出版されました。その際にタイトルも変わりました。著者の得意なフィールドでサブカルチャーからの論点が多かったです。原発大国に進んだ戦犯を探すような本でなく、原発大国にすすんでいった時代の空気や大衆のムードに着目して書かれています。実際的な原発大国へ進んだ理由や背景などが知りたい場合は、他の書籍を参考にしたほうがいいかと思いました(タイトルと思ってた内容が自分は違ったので)。

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    2011年09月16日
  • 原発報道とメディア

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    原発事故直後、危険なことしかRTしない「危険厨」と、それを打ち消すことに躍起になる「安全厨」の乖離は確かに異常だった。
    原発のウソ(小出裕章著)を読み終えた後だと放射線の健康被害を小さく見積もってしまっている印象。
    計画的避難区域にいる高齢者が、放射線被害と避難先での健康不安を両天秤にかけて非難すべきかどうかを政府は考えたのか

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    2011年07月10日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    岩田先生のブログで「必読」指定ありのため、購入。
    スイシンとハンタイをカタカナ書きで表記し、
    なるべく政治的立場から距離を置いて書こうと努力しているところに好感が持てる。
    原発を巡る歴史的ないきさつについて、丁寧に叙述しており、世の中に対する見方が変わった。そういう本はなかなか貴重である。

    その反面、その中立的なスタンスが、他人事のように響くところが気になる。
    原発について語ることの難しさを痛感。

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    2011年06月07日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    ネタバレ

    我が国の原子力政策についてその歴史的な俯瞰を示してくれる。
    文庫版後書きについて消化不良を起こしているのだけど、原子力政策に根付いているこの国の業の輪廻や民族に根付いているのかもしれない何かについて考えさせられる。

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    2011年05月21日