武田徹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はっきり言って、この人の本は、とても読みにくい。文体としても、内容としても。
著者は、原発スイシン派でもなく、ハンタイ派でもない。そのどちらに対しても「非共感的」に感じている、と著す。
スイシン派の引くに引けない状況。
反対派の過剰なまでの拒否反応。
その折衷案を模索して震災から2年が経とうとする。
その折衷案を考えるときに、まず読まれるべき本だと思った。
エネルギー源として原発は必要不可欠であるという推進派。
彼らの隠蔽体質は目に余るものがある。
しかし、当初「原発は完全になくすべきだ」として、頭ごなしに反対していた反対派も、思考停止状態といえるのではないか?
原発は危険だ!と訴え -
Posted by ブクログ
漠然としたイメージ、マスコミの喧伝、何となくの感覚に翻弄されて、ただ闇雲に賛成・反対と思ってしまうのが嫌で手にとった本
日本が原子力発電を手にする歴史的経緯と、これまで論じられてきた数々の言論を紹介しており、一冊としては極めて中立的なまとまりを見せている、と言った印象でした
読み終えて、「賛成ですか?反対ですか?」というのはいかに愚問であるかと思うようになったこと、エネルギー計画は時に戦争を起こすほどに重要な問題であると認識したこと、とりあえずトラブルが起きた時の政権を批判してるだけではいけないってこと、が大きな収穫
大量のエネルギーを消費して暮らす社会の一員として、いざというときにしっか -
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Posted by ブクログ
「原子力的な日光の中で陽なたぼっこをしていましたよ(We just been basking in the atomic sunshine.)」
ホイットニー准将が日本国憲法の草案を日本政府に迫ったときに芝居がかって言った台詞である。原爆の力を想起させる言葉で圧力をかけたのだ。私たち日本人は敗戦から66年後に今またこの原子力的日光の存在をまざまざと感じている。この原子力的日光はあの時からとぎれることなく、この世界に降り注いでいたのだ。
この本の著者は、上記の言葉がきっかけで核の脅威についての本を書こうと思ったということだ。著者本人もあとがきで書かれているように、核・原子力については、複雑な