武田徹のレビュー一覧

  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    岩田先生のブログで「必読」指定ありのため、購入。
    スイシンとハンタイをカタカナ書きで表記し、
    なるべく政治的立場から距離を置いて書こうと努力しているところに好感が持てる。
    原発を巡る歴史的ないきさつについて、丁寧に叙述しており、世の中に対する見方が変わった。そういう本はなかなか貴重である。

    その反面、その中立的なスタンスが、他人事のように響くところが気になる。
    原発について語ることの難しさを痛感。

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    2011年06月07日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    ネタバレ

    我が国の原子力政策についてその歴史的な俯瞰を示してくれる。
    文庫版後書きについて消化不良を起こしているのだけど、原子力政策に根付いているこの国の業の輪廻や民族に根付いているのかもしれない何かについて考えさせられる。

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    2011年05月21日
  • 戦争報道

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    [ 内容 ]
    ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。
    このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか?
    本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで射程を広げて丹念にたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。

    [ 目次 ]
    第1章 第二次世界大戦中の戦争報道(同盟通信社―ナショナル・ニュース・エージェンシーを目指して;BBC時代のジョージ・オーウェル―『紅茶を受け皿で』の背景)
    第2章 ベトナム戦争の報

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    2014年10月27日
  • 戦争報道

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    結構ややこしい、入り組んだことを書いているのに読みやすかった。
    いくつかの内容は既に知っていたけれど、共同、時事、電通の関係とか
    「地獄の黙示録」の解釈とかがかなり興味深かった。

    公共性=滅私奉公→奉公=報国という戦前における日本での図式もわりとしっくりきた。

    もっと英語勉強しようとおもった。

    自らの見識を広める為には海外のソースももっとみないとだよなぁ。

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    2009年12月08日
  • 「隔離」という病い 近代日本の医療空間

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     ハンセン病をめぐる隔離政策を中心に、「感染病の患者は隔離されて当然」という「隔離という病」がいかに我々の心を侵食しているかについて暴いた本です。ハンセン病の歴史や実情、隔離政策の問題点を学ぶには格好の本なのではないでしょうか。
     ただ、筆者が隔離という病に対して、「義理と人情」で対応しようとするのはいかがなものでしょうか。隔離を端的に人権侵害である(ただ必要悪でもある)として、隔離された方の人権保障をいかに考えていくか、というのが現実的なのではないでしょうか。

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    2009年10月04日
  • 戦争報道

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    ジャーナリズムは、戦場の悲惨を世に訴える一方で、ときに率先して好戦論を喚起し、戦火に油を注ぐような役割も担ってきた。このような奇妙に歪んだ構図が生まれるのはなぜか?本書は、第二次世界大戦からベトナム戦争、そして9・11にいたる戦争報道のあゆみを、文学・映画からインターネットにまで射程を広げて丹念にたどることで、ジャーナリズムと戦争との危うい関係を浮き彫りにし、根底より問いなおす。

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    2009年10月07日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    ノンフ賞の発足にまで時期を遡り、歴代受賞作に概ね焦点を当て、同ジャンル作品の意義を見つめ直すもの。なので、取り上げられている作品群は、名作紹介というニュアンスは薄く、ジャンルを定義するにあたり、重要性の高い作品が中心。芥川賞候補作や写真集にも論が及び、同ジャンルの懐の深さも垣間見える結構。

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    2022年05月02日
  • 暴力的風景論

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    わたしたちはしばしば同じ風景を目にしながら違うものを見ている。それは、風景が同じ構成物の集合である以上に、それぞれの主観において統一的な全体性・意味を提示するものであるからだ。
    著者は、ジンメルや柄谷行人の風景論を引きながら、それぞれの「気分」や「世界観」を反映する虚構としての風景を唯一絶対の現実として取り違えることは暴力につながりかねないと指摘し、戦後史における暴力事件の「風景」をジャーナリズム的手法でたどろうとする。
    日本を世界にただひとつのユニークかつ優れた「風土」をもつ空間として描いた和辻哲郎『風土論』はその問題性も含めてよく知られているが、冒頭で紹介されているのは、それよりもずっと早

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    2021年08月16日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    ああこの人の事を評価していないんだなぁと感じられる部分が自分の評価及び当時の状況を振り返っての感想と違う部分がいくつかある。
    そういう点で”辛い”部分と”甘い”部分が混じったセレクトだと思う。
    ま、それは個人の好みだから問題にはしないけれど、絶対評価として読むのは注意と当然ながらも申し上げたい

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    2021年06月13日
  • なぜアマゾンは1円で本が売れるのか―ネット時代のメディア戦争―

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    他の方も指摘しているようにタイトルと内容が合っていませんが、これからのメディアの動きを考える上では重要な歴史が多く書かれていました。
    出版に限らず、テレビやネットも含めた幅広い内容が良かったです。

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    2019年05月30日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    ボクは原発問題を核兵器の問題と絡めて論じることには懐疑的である。例えば「唯一の被爆国」であることが、日本の原子力政策に影響を与えるべきことなのか?しかし、もし多くの人がそこに通底するものを見ているならば、その考え方を知るのもムダではないだろう。

    増補版として、2011年論が新たに加わった。ハンタイ派v.s.スイシン派の不毛な対立が、かえってリスクを増大させていることには全くもって同感。ただ、本書の内容から離れるが、、、この手の収拾不能な二項対立はよく見られる現象。そこで仮説
    ⇒ヒトの認知的基盤、または社会構造の中には、論点を単純化して二項対立する傾向がビルトインされている。従来、だらだら考え

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    2018年11月05日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    ネタバレ

    堀田善衛
    ルポルタージュは、戦争と革命の文学であった。
    デートも出来ない警職法とは、朝日ジャーナルと思っていたが、週刊明星であった。
    現在の政治運動で欠けている観点は、こういう大衆を巻き込む戦略にあると思う。

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    2019年05月05日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    ●→本文引用

    ●ノンフィクションがフィクションの否定形として定義されつつも、物語化を通じてフィクションを生み出していく宿命にあることは序章で指摘した。しかしそうした生み出されたノンフィクション由来のフィクションや、あるいは生まれながらのノンフィクションを含めて、ノンフィクションはそれらを再び自らの内部に取り込んでゆく旺盛な吸収力を備える。フィクションについてもそれが「書かれたという事実」があり、フィクションを書く人間の現実があるし、フィクションに描かれた虚構も文字や映像という形で現実化している。それらはノンフィクションであり、ノンフィクションがフィクションを生み出す一方で、フィクションもまた

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    2018年01月14日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    日本のノンフィクションの歴史を戦前の従軍報告から、解き明かす。
    言わずもがなであるが、大宅壮一の役割が大きい。

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    2017年04月13日
  • なぜアマゾンは1円で本が売れるのか―ネット時代のメディア戦争―

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    タイトルの答えは確かに書かれているけれど、ほんの数行。副題となっている「ネット時代のメディア戦争」にあまり興味のない私としては、なんだか釈然としない。タイトルと中味が違いすぎるでしょ。

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    2017年03月30日
  • 原発報道とメディア

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    原発報道に関してはさて置き、ジャーナリズム論、メディア論としては面白い。
    鶴見俊輔を引き、ジャーナリズムの語源ジャーナルは、「日記」であり、ジャーナリズムは一人ひとりの志に基づくと主張する。
    メディアが巨大化しても、最後の勝負は、確かに一人のジャーナリストに掛かっている。
    筆者の、自身を含めたジャーナリストへのエールといったところかな。

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    2016年02月14日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    アメリカは、1955年に濃縮ウランを提供し、将来の発電用原子炉についても援助することを打診してきた。当時、濃縮工場の建設するには莫大な予算が必要で、米ソ以外には難しかった。濃縮ウランを提供することによって、軽水炉技術の提供も可能になり、発電という国家の生命線を掌握できる。濃縮ウランは貸与の形で提供されるため、兵器への転用も抑え込めるというシナリオだった。

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    2018年10月31日
  • 暴力的風景論

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    【風景の強要】

    ここでいう風景とは、風光明媚な、なんていう風景、ということではない。あなたとわたしが同じところを眺めていても、それは同じようにはそれぞれの心に届くわけではない。何かの風景にイメージの統一を促すものは「気分」であり、「世界観」でもある。環世界といってもいいのかもしれない。そんな、それぞれにとって違う「風景」が、ときに暴力行為の源になる。だって、争いは自他の違いから生まれるものだから、見えている世界が違えば、そりゃあ争いになるだろう。問題は、その風景づくりに、ジャーナリズムも変な荷担をしていることだ。

    8つの風景によって生まれた暴力的行為を描いている。たとえば沖縄という風景は立

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    2022年06月01日
  • 原発論議はなぜ不毛なのか

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    タイトル通り思うことがあったので
    手に取ってみました。
    これを読んで賛否両論あるかもしれませんが
    1つの物事を是か非かと議論する時に大事にしなくちゃいけない事
    「好き嫌い」にだけ囚われてはいけない
    相手の論をひたすらつぶすことだけに終始してはいけない
    という事を肝に銘じる一冊だと思いました。

    そう、国の未来をといっても
    ようは「好き嫌い」で、感情的になっていって
    最後は、相手の醜聞暴露合戦になっていくので
    ところで、本題は?というのはよくある話です。

    原発についての議論は、そのままうやむやに出来ない
    自分たちの次世代、そのまた次の未来に向かうものなので
    議論は大事なんだけれど、このままじゃ

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    2014年02月07日
  • 原発論議はなぜ不毛なのか

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    ナショナルメディアの必要性は納得できないけれど、相互理解性への信頼と自分の役周りへの感覚もちょっと引くけれど、この世代の人が、真摯につづっていることは好感した。

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    2013年08月01日