武田徹のレビュー一覧

  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    もしも核の「効用」があるとすれば、それは万人に利用できるものであるべきだし、そうでないならまず弱者を救済するものでなければならない。弱者にしわ寄せをもたらしつつ成立している原子力利用の現状は明らかにおかしい。

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    2011年06月12日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    今だからこそ、日本が原発推進を選んだ経緯を知りたい、という人にはおススメ。賛成派、反対派、どっちかに寄ってないところもGood.

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    2011年06月06日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    11/06/01。冒頭の「2010年論−新書版まえがきにかえて」をちら読みしたが、極めてまっとうな大人の見解。不安を煽る人たち、闇雲に安全を叫ぶ人たちが忘れているものに視点を当てている。読む前から★5つ。

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    2011年06月01日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    「核」論の「各」論という洒落に合わず真面目な内容。
    内容が盛り沢山で重いため、読後感は大きい。
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    どのような歴史を経て、日本が今の原子力大国となったのか?
    それを社会論、政治論、科学論、報道論 etc... から書かれています。
    「スイシン」「ハンタイ」の立場を超えて均衡点を探すために、お互いにおかしい部分・目を逸らしてきた部分を見つめ直さなくてはならないと思う。そのためのきっかけに最適な本。

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    2011年08月07日
  • 私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版 「核」論

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    原発「スイシン派」の人も、「ハンタイ派」の人も、どちらでもない人も、今一度なぜこのような状況に日本が至ったのか、見つめなおすには最良の書だと思います。
    福島原発の現状を鑑みて、東京電力を責めるのは容易いことかもしれません。だけど彼ら”だけ”の責任でもないのも事実なのではないでしょうか。
    もはや、日本人は原発問題に関して無自覚でいることはできないと感じています。

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    2011年09月03日
  • 「隔離」という病い 近代日本の医療空間

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    近代史が始まる少し前の1907年、法律第11号「らい予防法」が制定され、1931年モダニズムの風が吹き荒れるなか国立ハンセン病療養所「長島愛生園」が竣工した。
     この本はハンセン病(旧らい病)について書かれたレポートだ。そしてハンセン病という「病気」を通して僕らが暮らしの中にある「病い」を捕らえ、それを導き出す論理的証明だ。全体を貫く大きな論考を補うかのように多様な史実や考察が引用される。間延びしそうな感じだが、ポイントごとに全体へ引き戻してくれて思考が途切れることはない。隔離と差別の話では終わらない豊かさがこの本にはある。
     前に永江郎が隔離施設をユートピアとして捕らえる考え方に危機感を

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    2010年10月27日
  • 神と人と言葉と 評伝・立花隆

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     知の巨人を偶像化するのではなく、きちんと批判的に観察していくスタンスはよい。それは貶めようというのではない。より人間らしい姿を明らかにするための。

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    2025年04月06日
  • 神と人と言葉と 評伝・立花隆

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    本書は著者がまえがきでジャーナリズムの模範のように事実にこだわる平易で明晰な文章の単調さに辟易として同種のライターでありながら敬遠していたと告白する。
    ただアカデミズムとジャーナリズムの懸け橋としての存在としての立花の存在を無視しえず、彼の自伝的作品を読む過程で自分と共通する多くの点を見出し、なぜ自らの言葉に対する考えと異なるような文章を書くようななってのか探っていく。
    第1章~第2章生まれ育ちについて両親のキリスト教入信(父親の世俗的動機と母親の熱心な信仰)。読書の虫となり、科学的な興味と文学指向。
    第3~4章反核運動と世界への視野の広がりと挫折。詩作と内向化。キリスト教とドストエフスキー、

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    2024年11月10日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    ネタバレ

     たとえば後藤治さんの人物評伝とか、スポーツとか、そういうものは無い。けれど、同時代史としても読める。たしかに、この本はあったなぁと。きちんと読んだ本が、ほとんどないことに、自分の読書傾向を笑いながら振り返ってしまったり。
     

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    2021年02月25日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    武田徹(1958年~)氏は、国際基督教大学人文科学科卒の、評論家、ジャーナリスト、専修大学文学部教授。専門はメディア社会論、共同体論、産業社会論。『流行人間クロニクル』でサントリー学芸賞受賞(2000年)。
    本書は、著者の『日本ノンフィクション史』(2017年/中公新書)の続篇として、「web中公新書」に2018年9月~2020年7月に30回に亘り連載された「日本ノンフィクション史 作品篇」を、加筆・修正のうえ再構成したものである。
    私は、もともとノンフィクションというジャンルの本が大変好きで、『日本ノンフィクション史』も読んでおり、「ノンフィクションの名作・問題作」を取り上げているという本書

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    2021年01月20日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    事実をそのまま報じるジャーナリズムと、それを物語的な文章形式で表現するノンフィクション。

    その可能性と限界についてこれまでの名作を紹介しながら論じた本。面白かった。

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    2021年01月10日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    「日本ノンフィクション史」の筆者が具体的な作品からノンフィクションを論評する。どれも名作揃い28篇を通じて浮かび上がるノンフィクションとは何か。

    高度な内容。本書は読者を選ぶように思う。正直筆者の論を完全には理解できなかった。ノンフィクションとは何か、ジャーナリズムとは何か。深い深い内容。

    フィクションとノンフィクションの境目、作者というフィルターを介しているだけに何処までが真実でどこからが脚色なのか難しいところ。

    本書の投げかけるテーマは重い。

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    2020年11月19日
  • 現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作

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    ノンフィクションの名作の内容を紹介するより、その名作がどのように読まれたかという歴史的文脈に重きを置かれている。
    武田徹氏の分析は確かであり、信頼を置ける。
    ただ、ノンフィクションの名作の案内本として、本書を手にした者は、少し肩透かしを食うであろう。

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    2020年10月03日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    ノンフィクションという概念を自明のものとせず、それが固まる過程を追うことで、事実を描く方法論、倫理に迫ろうとする意欲作。
    大宅壮一が確立(?)し、沢木耕太郎でピークを迎えた後に停滞期に入ったという見立てっぽい。
    だからその後に語られるのは田中康夫、ケータイ小説、アカデミックジャーナリズム(宮台、古市といった面々)になる。商業ジャーナリズムが明らかにできていない社会のリアルに迫っているのは彼らだ、という。
    面白い論考ですが、それは著者の問題意識に基づく光の当て方だとも思う。参与観察的な手法を王道的に取り扱っているので、ミクロ的な潜入レポ的な題材に偏っている印象を受ける。例えば立花隆は、大宅文庫を

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    2018年12月30日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    何気なく手にした本ですが、フィクションかノンフィクションか?話者は?うまくまとめられています。参考文献も充実していて、色々考えるのに参考になる本です。

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    2017年06月24日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    かなり型破りなノンフィクション史。さすが武田氏、切り口がおもしろかったです。ノンフィクション史なのに、最後は「なんとなく、クリスタル」やケータイ小説まで出てきて。ぶっ飛びましたが、よく読んでみると納得です。
    フィクションとノンフィクション、嘘のような真実と真実と思わせる嘘、主観的表現と客観的表現の長所・短所、その危うさ等々。。ノンフィクション好きな私としては、とても考えさせられる内容でした。
    評価4なのは、紹介されているノンフィクション本が少ないから。新書で遠慮しないで分厚い単行本でガツンと言わせてください。

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    2017年06月23日
  • なぜアマゾンは1円で本が売れるのか―ネット時代のメディア戦争―

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    タイトルの話はほんの少しで、メインはメディアの歴史の概観。後半はニコニコ動画の話。最近は教育に乗り出してるとか。時代は動いている。

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    2017年05月29日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    本といえば小説が中心ですが、ノンフィクションも大好物。
    一時期、沢木耕太郎にハマって「深夜特急」は全作持っていますし、「テロルの決算」は今でもたまに読み返すくらい好き。
    鎌田慧の「自動車絶望工場 ある季節工の日記」、海外物ではカポーティの「冷血」、伝説のルポライター児玉隆也の評伝「無念は力」(坂上遼著)なんてのまで読みました。
    あと、近年ですと、何と言っても増田俊也の「木村雅彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」でしょう。
    これには腰を抜かしました。
    ただ、じゃあ、そもそもノンフィクションって何? どうやって発展してきたの?
    と訊かれると、答えられる方は少ないのではないでしょうか?
    それもそのはず

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    2017年05月04日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    著者の武田徹は、『流行人間クロニクル』(2000年サントリー学芸賞)などの著書のある評論家、ジャーナリスト。
    私は、“ノン・フィクション”(=フィクションではないもの)を好んで読むが、正直なところ、ノンフィクション、ルポルタージュ、ドキュメンタリーといった言葉、ジャンルに何らかの明示的な違いがあるのか、長く疑問に思ってきた。
    著者は、「ノンフィクションの成立」とは、「ジャーナリズムが単独で成立するひとつの作品としての骨格を備えたこと」、「出来事の発生から帰結までを示す物語の文体を持ったこと」といい、その経緯を“ノンフィクション”という言葉が今のように使われるようになった1970年代以前に遡り、

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    2017年04月08日
  • 日本ノンフィクション史 ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで

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    講談社ノンフィクション賞の選評で野村進が石井光太の手法について非難する下りから始まっている。戦中から高度成長期そして現代。ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで。二つの軸を元にノンフィクションという文芸の正体について検討していく。角幡唯介がノンフィクションとやらせの問題について語っているところを引用し、話題としているが、確かにこのことは問題。ライターである私自身、書く前から、どうやったら受けるかということを考えながら行動している節があるのだ。

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    2017年03月22日