保坂和志のレビュー一覧

  • 掌篇歳時記 春夏

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    季節の生江を表す二十四節気七十二候のうち春から夏の十二の候を題にして、十二人の作家の掌編集。
    七十二候のとらえかたが様々で、面白い。

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    2019年10月02日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志、養老孟司。今を代表する気鋭の作家たちの猫エッセイ。紙面の半分は可愛い猫ちゃんのフォト。作家らの優しい素顔にも触れられ、ほんわか癒される。人気作家ばかり。仕事に追われ辛くてどうしようもなく苦しい時、その辛いことに全身で向かわなければならない。それがとてつもなくしんどい。そんな時でも猫の存在は、一刹那にせよ難題の直面を忘れさせてくれる。気持ちの逃げ場が心を楽にしてくれる。そういえば自分もワンちゃんに日々救われている。あらためて思い知らされた。

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    2019年06月08日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    村田沙耶香さんがやっぱ面白かった。どうやったらこんな不思議で面白いこと思いつくんだろう。
    私は野生に返るといって家を出た姉と、女3人で暮らし人工授精で子どもを持とうとしている妹の話。ぽうという声。
    村田さんの作品が読めたので大満足です。

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    2019年05月29日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    二十四節気、七十二候テーマの12作。
    日々の変化や季節の移ろいを表す、その言葉の意味の楽しさにはっとする瞬間。
    流されるままの同じ日々だと見誤っているわたしへの気づきになればいいな。

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    2019年05月21日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    12人の作家さんが旧暦の七十二候をテーマに執筆した小説集。春夏編。
    気になる作家さんが書いているので読んでみたかったのです。それに12人! 豪華執筆陣。装丁も綺麗ね。季節を表す言葉、日々の生活で変化を感じたこと、素敵で、自分の生活も日々に流されるだけでなく、自然の声に目を向けたくなりました。それぞれ短いですが、作家さんの色が出ていて楽しめました…際立っていたのは村田沙耶香さん、好み的には前半の方。

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    2019年05月17日
  • 考える練習

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    対話形式で読みやすく、ざっくばらんな語り口なので、まるで居酒屋のカウンターで保坂さんのトークにひたすら耳を傾けている感じ!
    小説内の描写を愛する私にとって、保坂さんの文学論にはとっても親近感がわきました

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    2017年09月15日
  • 地鳴き、小鳥みたいな

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    キースリチャーズに関する短編集でも言及されていたように、ステレオタイプな小説のフォーマットから逸脱して自由になっていく感じ。時系列もわかりにくいというかもはや気にしなくて良い感じもするし、話の焦点がどんどん横滑りしていって後から読み返して話の筋を把握したところでだからなんなんだ、という状態。なんなんだ、動きはないのにやたらの疾走感。

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    2017年08月15日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    既成の物語を拒否し新しい物語を作ろうとしている作者の心意気がびんびんと伝わってくる。交響曲のような作り込まれた音楽がミステリーなどの小説だとすると、保坂さんのそれはジャズ。だからルールは決めるけどどのように展開していくかは考えない。不幸なことを寸分も感じさせないとか、読みやすさを拒絶するとか、そういった方法論は面白いが、書きあぐねてる人の参考になるかというと疑問。彼のやり方を参考にして書けば、それはそれで保坂さんの真似と捉えられるような気がする。「入門」というタイトルとはかけ離れた独自の非常に高度な論だと思う。タイトルが相応しくないので、ちょっと星を少なくした。

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    2017年03月23日
  • 地鳴き、小鳥みたいな

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    好き嫌いが分かれまくるだろうなあ!
    読み難いったらありゃあしない(笑)
    のに!つるつるとするすると読み進めてしまう謎の一冊でした。相変わらず何も、驚くような出来事は怒らない、急に思考が始まり、テーマから逸れたり大回りしながらも何気なく再び主題に戻るという。
    この人の頭の中を散策しているのかな、という不思議な1冊。913.6なのか?これは…。

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    2017年02月27日
  • 小説の自由

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    思考を一生懸命追いかけていくように読んだ。すぐに脱線して、行きつ戻りつして読みました。それでも、わかったなんてとても言えないと感じている。普段の考え方とは違う考え方の体系があると感じたところまでが、自分の理解のせいぜいだと思う。

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    2016年04月30日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    「小説家による小説論。本編とあとがきの二つに分かれた構成。【本編】小説を書くこととは、と心構えからはじまる。技術指南本ではなく小説に向き合う姿勢についてのエッセーに近い。①何を書く②誰を書く③風景を書く④ストーリーを書く⑤テクニックについて【あとがき+創作ノート】保坂和志氏が実際に執筆した際の創作ノート。」という趣旨。以下印象的な箇所の引用。一字一句正確にしるすというよりわたしの曖昧な印象を個人用メモ。感想については後述。

    ーーー
    p98.登場人物の心理が変化することが小説内での正確な意味での「時間」であり、それはストーリーに勝る。

    p143.風景を書くことで文体が生まれる。取捨選択が行わ

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    2016年03月02日
  • 生きる歓び

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    「生きる歓び」「小実昌さんのこと」の2編収録。
    「小実昌さんのこと」に橋本治に恋愛論の講演を依頼したエピソードが出ているけれど(後に本にもなってて読んだのに、あんまり覚えてない)、そういえば橋本治も『生きる歓び』という同名の小説(短編集)を出していたっけ。近々、ちょっと読み返したいかも(やはりあまり覚えていない)。誕生日のお祝いにもらったんだよな。

    P57 死ぬというのは「やっぱりなあ……」と思う。「やっぱり」のあとに何がつづくのが一番いいのかわからないけれど、つまりは生きている側から一方的に輪郭を与えられてしまう。

    P101 八八年のバブルの真っ最中にぼくは、ビジネスマン向けの講座で「組

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    2014年09月16日
  • 考える練習

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    いいことがたくさん書かれてるんだろうなぁ,頭がいい人の本だなぁ,私にはかなり難しいなぁ,という感想。これがいちばん怒られるのだろうけど。

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    2013年10月25日
  • 考える練習

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    保坂さんの文章を読むようになってから、「考える」についてこだわるようになった。まだ小説を読んでいないので、この本にも書かれている「プレーンソング」「残響」「カンバセーション・ピース」も読んでみたい。”解釈するのではなく経典のようにまるごと暗記するような読み方こそが強い””正しく蹴り続ける”弱い響き合い”小島信夫/磯崎憲一郎/中井久夫「微候・記憶・外傷」

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    2013年06月29日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    文庫版になって追加した創作ノート以外は全部読んだ。
    これを読んだからといってスラスラ小説が書けたり、基本的な書き方が分かったりするわけではない。
    小説を書くための学校で教えているような事は(ってどんなものか知らないけど)ほとんど書いてないように思える。
    抽象的で観念的な言葉が多い。

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    2012年08月13日
  • 〈私〉という演算

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    思考のプロセスを日常描写をまったく省いて描いたものであり、小説なのか評論なのかという問題はあるけれど、いずれまた再読はするだろうと思う。

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    2012年06月28日
  • 〈私〉という演算

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    スタバに入り、薄いわりには、あまり、すぐに読み飛ばせない保坂和志の『私という演算』の仕上げに、目にいい、ブルーベリージュースを頼んで、取りかかった。

    小一時間ほど、集中して、この小説とも評論ともつかぬ不思議な本を読み終えた。傍線をひいたところを、ぱらぱらと見返してみた。小津安二郎の『秋刀魚の味』を語る文章にひいた傍線が浮き上がって見えた。

    「好き嫌いというのは出来の善し悪しのように判断の根拠が明確にしやすいものではないから、伝えようとするとかえって難しいし、今ここで好きの理由を書くつもりはないけれど、とにかく『秋刀魚の味』が特別好きで、小津安二郎の他の映画よりもずっと多く繰り返し見ている。

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    2011年02月19日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    小説よりも、こちらの方がぐっと来る所が多かった。

    書きあぐねたことなど無い、
    と言い張れたらよいのだけれど、
    それはあまり声を大には言えない所。

    しかし、
    小説を書こうと思っていない今の私にとっては、
    仕事を辞めること、
    恋愛について、
    ちょっとだけ触れている部分に、
    なぜかとても頷いていた。

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    2009年10月04日