保坂和志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よそのお宅の猫を覗かしてもらえる番組
「NHKネコメンタリー 猫も、杓子も。」の本です。
夫が養老先生のお宅に行くと まるが居て
邪魔だったよ。とチロじゃなかったの?
と聞くと、ウーン?ドスンと座ってたけど?
それに、わざと邪魔な所に居るんだよ。
またいで、通ってたんだよ。と
嫌われていたのかしら?
自分の思い出になってしまった猫たちを重ねて見てしまいます。
猫の下僕となった人間も、そうなのよねー。
と共感してしまいます。
テレビで、いくちゃんとたまちゃん・カグラちゃん・大ちゃんと見てその下僕化した作家さん達を見てうふふと癒されてます。
この本が、何冊も続くと嬉しいんだけど。
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Posted by ブクログ
既成の物語を拒否し新しい物語を作ろうとしている作者の心意気がびんびんと伝わってくる。交響曲のような作り込まれた音楽がミステリーなどの小説だとすると、保坂さんのそれはジャズ。だからルールは決めるけどどのように展開していくかは考えない。不幸なことを寸分も感じさせないとか、読みやすさを拒絶するとか、そういった方法論は面白いが、書きあぐねてる人の参考になるかというと疑問。彼のやり方を参考にして書けば、それはそれで保坂さんの真似と捉えられるような気がする。「入門」というタイトルとはかけ離れた独自の非常に高度な論だと思う。タイトルが相応しくないので、ちょっと星を少なくした。
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Posted by ブクログ
「小説家による小説論。本編とあとがきの二つに分かれた構成。【本編】小説を書くこととは、と心構えからはじまる。技術指南本ではなく小説に向き合う姿勢についてのエッセーに近い。①何を書く②誰を書く③風景を書く④ストーリーを書く⑤テクニックについて【あとがき+創作ノート】保坂和志氏が実際に執筆した際の創作ノート。」という趣旨。以下印象的な箇所の引用。一字一句正確にしるすというよりわたしの曖昧な印象を個人用メモ。感想については後述。
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p98.登場人物の心理が変化することが小説内での正確な意味での「時間」であり、それはストーリーに勝る。
p143.風景を書くことで文体が生まれる。取捨選択が行われている。だから翻訳小説でも文体が伝わる。
随時増える(かもしれない)。
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「まさに、息詰まったとき手にとるべき本であると感じた。小手先だけのテクニックでは小説はかけない。特に②、③についてはなるほどと深く納得することも多く、物を書き続けるならば、繰り返し読みその精神を血肉として吸収できたら、と思った」との感想。 -
Posted by ブクログ
「生きる歓び」「小実昌さんのこと」の2編収録。
「小実昌さんのこと」に橋本治に恋愛論の講演を依頼したエピソードが出ているけれど(後に本にもなってて読んだのに、あんまり覚えてない)、そういえば橋本治も『生きる歓び』という同名の小説(短編集)を出していたっけ。近々、ちょっと読み返したいかも(やはりあまり覚えていない)。誕生日のお祝いにもらったんだよな。
P57 死ぬというのは「やっぱりなあ……」と思う。「やっぱり」のあとに何がつづくのが一番いいのかわからないけれど、つまりは生きている側から一方的に輪郭を与えられてしまう。
P101 八八年のバブルの真っ最中にぼくは、ビジネスマン向けの講座で「組織の原理と<私>の根拠」というのを作った。人は組織の中でアイデンティティを見つけているけれど、いつか人は組織と離れなければならない。だから<私>の根拠というのを組織と離れたところで探す必要がある、というものだったがバブル景気の真っ最中では見向きもされなかった。でも人っていうのはそういうもので、いいときには内面的なものなんか見向きもしない。
P156 蓮の葉の朝露の一滴が世界を映すように、一人が誠実に問いかけるプロセスがつまりは人間全体の営為のことで、それはもう形を必要としない。だから田中小実昌でなく誰でも誠実に問いかけるプロセスをこの世界に刻み付けることができる。ただそれを知る段階の一つとして、人は書かれた言葉つまり小説を必要とする。