保坂和志のレビュー一覧

  • 考える練習

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     ネットに情報が溢れ出る昨今。考えないでもわかった気になる時代である。そんな時代だからこそ読みたい一冊だ。第一講から、思考に「公式」は役に立たない、「わかった」と思わずに考え続ける、とくる。

     実に多くのテーマを論考しているが、一貫して流れているテーマは、『学問は「頭」でするものではない、本当は情緒でやるものだ』という岡潔の言葉に集約されていると思う。保坂和志の文章は実に論理的なのだが、一方で「文体とはペンの動きやためらいである」とか、「小説を書くことは、最初の何フレーズかのメロディが与えられればあとは即興を引き続けられるっていうのに近いようなイメージ」であるとか、「辺縁的な観念を大事にする

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    2013年06月27日
  • 考える練習

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    たとえば村上春樹に「何枚レコード持ってます?」って訊いて、「ずいぶんたくさんあるみたいだ。しかしまだ十分ではないとしか答えようがない」って云われて、「は?なに言ってんのおまえ」ってなったとします。
    そんな村上春樹ってどんな思考回路してんのかを、噛み砕いて言語化してくれたような、そんなイメージの本です。

    「考える」こととは、いつも決断を下すためにあるのではない。出来事をあるがままに一旦受け止める。本能的に感じた違和感を逃さない。いかにも正論だったり、あまりにも理にかなってたりすることに対して素朴な疑問を持つ。そもそも「意味」って何?みたいな疑問も持つ。ようなことをいうのではないかしらと思いまし

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    2013年06月17日
  • 考える練習

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    考える事が大事だと知らぬ間に刷り込まれたのか、はたまた自発的に思い立ったかはわからないけどまぁ重要だってことには変わりない。
    で、『考える練習』です。
    とは言っても小説を書くための心構えだったり読書の仕方だったり、収束させずに拡散しろとか答えや証明なんてものはいらないだとか不安定な世の中を生きる術的なことまで色々書いてありました。
    最後は「理想を実現するために考える」とこに落ち着くんですけど、理想っつったらアレしかないよな。
    つーことでしっかり考えて行きたいと思います。

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    2013年05月06日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    「風景を書く」の章が面白かった。自分は細かく描写して説明するのが苦手で、会話しているときでも端折りすぎて「何言ってるかわからない」と言われたりするので、根気づよく説明しないとなぁと思いました。

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    2013年04月25日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    小説家が書いた数少ない小説の書き方本です。
    著者も言っている通り、他には高橋源一郎の「一億三千万人のための小説教室」
    くらいでしょう。

    高橋源一郎の本もかなり良かったですが、この本もかなり良かった。

    小説家を本業としない人の文章読本のなかにも、小説執筆について
    踏み込んだことが書かれている良書もあるのですが、
    この本では小説家の、創作のプロセス、心構えが良くわかります。
    潔さと生半可でない覚悟、これがなきゃ小説家にはなれなそうです。

    もの書きを目指す人にはとてもいい本であると思います。

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    2012年11月25日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    小説を書くとはどういうことかがよくわかる。実に合理的な指南書でありながら、ある程度読み手を突き放したスタンスであるために、大学の講義を聞いているような気持ちで読み進んでいく気がする。実際に、現在進行形で小説を書いている人にとっては、目から鱗、と感じることが多いのではないかと思う。

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    2012年02月04日
  • 小説の誕生

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    内容はとても面白く、随所に著者の(結構な頑固さを感じられる)価値観を読み取れる。とりあげる作品はどれも読んでみたくなるような紹介を受けていて興味を惹かれるが、著者のいう本当の『小説』と自分がより広義に(ユルく)考える小説との間の乖離が大きく、ちょっと相容れないと言うか悔しいと言うか。

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    2011年12月20日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    保坂さんの小説を読んでいないのでどのような話がないのでなんともいえないのですが、ストーリーありきの小説を書こうとしている私にはちょっとずれたとこもあったかな。しかし姿勢とかその辺はとても参考になりました。

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    2011年11月14日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    「小説は人間に対する圧倒的な肯定」というフレーズに深く賛同の意を示したい。哲学的な考察も、気取るためのものではなく、難しさがあるとすればそれは必要なもの。小説を書きたい人のみならず、小説が好きだけど何故好きなのか、と一小説愛好者として楽しめる本だと思っています。

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    2011年11月21日
  • 生きる歓び

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    まず、作品に出てくる左目が見えない拾われてきた猫のモデルなのであろう表紙でやられ、次にもったりとした時間の流れに懐かしさというか既視感のようなものが。
    この人の作品を読むと、読書とは、何か知識を得るものでも、さっさと読み終えることでもテーマを理解することでもなく、作品内に流れる時間にたゆたうことなのだなあ、と思います。
    そして、俯瞰では見えないもの。

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    2011年06月26日
  • 小説の自由

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    P201  というか、言葉の内側にこもってただ練り上げていくだけのこういう文章は、別に村上春樹がはじめたというようなことではなくて、日本の近代文学の歴史を通じて流れ続けてきたものではないかと思うのだ。 こういう表現はスカッとするねぇ。

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    2010年08月17日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    小説を書くときに、小説のフレームや形式を知っていることは絶対必要だと思うけれど、この本を読んで、それらを超えた「ずれ」を描くのが小説だということが分かった。

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    【以前のレビュー】
    小説を書きたいという欲求がある人にとって助けになると思う。

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    2010年02月25日
  • 〈私〉という演算

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    何度読んだかわかりませんね、これも。特に「閉じない円環」が好きです。小津を見始めたので、小津について触れられている保坂さんの作品をちょっと読んでみようかと思ったんです、今回は。保坂さんの「そうみえた『秋刀魚の味』」を読んだのみの僕の中の笠智衆のイメージはもっともっとふてぶてしいおっさんだったんですけど、実際に小津作品で見た笠智衆は全然違いましたね。というか、寅さんとかにも出てましたよね、笠智衆。あー、あの人だったのかと思った。(06/4/29)

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    2009年10月04日
  • 書きあぐねている人のための小説入門

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    テクニックが書かれた本ではなく、小説に対する向き合い方や考え方が中心。
    なので、技術を期待している人にはおすすめ出来ない。
    参考になる点もあれば、そういう考えもあるね、だったり、別にそうは思わんが、といったものもあり、全体として肯定的、否定的に見えたのが半々といったところ。

    面白いところとして、結果ではなく過程、細部に重きを置く考えが新鮮で一番印象深い。小説としての面白さが道中あればストーリーは不要といった考えで、確かに振り返ったときの読書体験としての良さは、そっちなのかもしれないと思った。村上春樹を思い出す。

    残念なところとして、個人的な印象だが少々、古臭い感じがした。末尾のページを見る

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    2026年03月06日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    6人の作家さんの、猫との過ごし方の話。
    猫が人生に与えてるものとか、変わったこととか、作品への影響とか、質問形式で答えて下さり、かつエッセイとかでも表現してくれたり、かわいい写真も沢山載ってたりん。
    もう、可愛すぎるんんんんんฅ(*‎´꒳`*ฅ‪)ꪆ‬

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    2025年05月12日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    表紙がとても綺麗で手に取りました。

    二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?

    わたしも今回初めて知りました。
    雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
    どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。

    この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。

    思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りま

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    2024年08月05日
  • 地鳴き、小鳥みたいな

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    独特な文章なので、慣れるのに少し時間がかかった。最後まで読み通せないかと思ったけれど、最後までたどり着いた。

    保坂さんの思うあるべき小説の姿があるのだろう。いつも保坂さんの小説を読む度に小島信夫さんの本を読んでみたいと思いつつ、まだ読んでいない。

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    2023年04月17日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」を書籍化した作品。

    角田 光代・吉田 修一・村山 由佳 ・柚月 裕子・保坂 和志・養老 孟司
    6人の作家さんの愛猫の写真、エッセイ、小説が綴られている。

    オールカラーなので写真だけでも十分見応えあり。

    あくびをしている顔、ドアの隙間から様子を窺う顔、背中に文房具を置かれてもへっちゃらな様子、人間のように見えるへんてこな格好、どれもほのぼのとしていてクスっと笑える。

    お気に入りは148ページ下段の養老さんのまるの写真。

    猫愛に溢れた1冊で読み終わると、きっと猫が飼いたくなる。

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    2023年02月14日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    よそのお宅の猫を覗かしてもらえる番組
    「NHKネコメンタリー 猫も、杓子も。」の本です。

    夫が養老先生のお宅に行くと まるが居て
    邪魔だったよ。とチロじゃなかったの?
    と聞くと、ウーン?ドスンと座ってたけど?
    それに、わざと邪魔な所に居るんだよ。
    またいで、通ってたんだよ。と
    嫌われていたのかしら?

    自分の思い出になってしまった猫たちを重ねて見てしまいます。
    猫の下僕となった人間も、そうなのよねー。
    と共感してしまいます。

    テレビで、いくちゃんとたまちゃん・カグラちゃん・大ちゃんと見てその下僕化した作家さん達を見てうふふと癒されてます。

    この本が、何冊も続くと嬉しいんだけど。



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    2022年02月11日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    二十四節気をさらに三等分した七十二候をもとに、年末から夏にかけて、それぞれ人気作家がつづる短編集。
    季節がテーマで、純文学系の作家が中心ということで、その表現を楽しむ小説であることは間違いない。
    でも、その反面、連想で思考があちこちに飛んでしまうので、集中できないのも確か。
    寂聴氏の作品を初めて読んだが、住職っぽくなく驚いた。もうすぐ100才。

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    2021年10月23日