新城カズマのレビュー一覧
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SFと青春ものの親和性は高い。そのことを改めて思い知らされました。
3秒だけ未来に跳ぶ幼なじみ。時空間跳躍少女開発プロジェクト。本に囲まれた自分たちの居場所。放火事件。最後の夏休み。
頭のいい高校生たちがタイムトラベルについて、ああだこうだと理屈に理屈を重ねる。そんな様子を眺めている幼なじみの姿。意味のないものに熱中し、完成しないものに取り組む。
何もかもが青春という名の箱に収められているよう。それはこの物語が主人公の回顧録だからかも知れません。
現在の話として語られながら、不意に過去を振り返る記述を織り交ぜることにより、現在が過去になりそこにノスタルジィが生まれる。
SFは未来を語りなが -
ネタバレ 購入済み
さっくりライトで読みやすい
もしもベストセラー作家の原稿を、人工知能が代筆できる時代になったらどうする?
迫った締切に追い詰められる若き作家の苦境と悪ふざけに沸くネット界。そこから巻き起こる大混乱。
近未来を舞台に繰り広げられる星新一的トンデモショートショートです。どこか退廃的でありながらラブコメ寄り。 -
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読み終わりました。
『15×24』という不思議なタイトル。15人の24時間の物語ということです。
簡単に言うと、ネットで知り合った見ず知らずの女の子と心中しようとしている高2男子徳永。ところが自殺をほのめかす書きかけのメールがひょんなことから拡散。同級生から見知らぬ人まで拡散したメール。あちらこちらで野次馬的に自殺を防ごうとする人が現れ、これらの人がバーチャルにリアルに結びついたり離れたり…。
物語はそれぞれの登場人物が回想しながら語るという形で進められます。時系列でそれぞれが語るわけだけど、15人もいるので名前と立場を把握するだけでも大変。でも、その語り口はスリル満点。
さあ、徳永の自殺は止 -
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タイムトラベルに関する小説である。主人公達は進学高に通うませたガキ共であるが、ある日仲間の一人がほんの数秒、時空間移動をしたことをきっかけに物語は動き出す。いったいなぜテレポートをしたのか、どうやってしたのか、そもそも本当にテレポートをしたのかと議論を重ねていきそんな中彼らの目の前で実際にテレポート(タイムトラベル)が起こる。
主人公達高校生の議論はおもしろい。タイムトラベルに関する小説を集めそれをもとに話し合いが進む。おもしろがっている登場人物もいれば信じられない思いで必死に反論しようとするものもいる。そんな中タイムトラベルは起こってしまう。現実にもし起こったとしたら大問題であり間違いなく -
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『時をかける少女』へのオマージュ的作品らしいが、私は『時をかける少女』を読んだことがない。
県立美原高校へ入学したばかりの卓人、幼馴染みの悠有(ゆう)、そして、涼、コージン、饗子の同級生5人組が開始する「時空間跳躍少女開発プロジェクト」。
それは、入学早々のマラソン大会で悠有が起こしたとされる、不思議な現象が発端だった。
数々のタイムトラベルに関するSF作品が登場しますが、それを知らなくても全く問題ありません。事実、私もよくわからない。
個性的な高校生5人組と、その周りの人達を巻き込んで、素敵な一夏の物語が始まります。
確かにSFなんだけど、素敵な青春小説です。 -
Posted by ブクログ
富士見ファンタジアの「狗狼伝承」や「ジェスターズギャラクシー」といった
浪漫的な作品を読んできた身としては
作者がこういう作品も書けるという事自体が一つの驚きでした
時代がかった言葉遣いがこの作者の持ち味かと思ったのですが
本作ではそれは見る影もなく若者言葉に取って代わられています
内容としては、群像劇という形になるのでしょうか
一応徳永の自殺が軸になっていますが
主人公はどちらかといえば彼を止めようと奔走する人たちのようです
純粋に止めたい人、止めて喝采されたい人、訳あって止めに走らなければならない人、
止める気なんてなくてただ死を目撃したいだけの人
それぞれの思惑が -
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Posted by ブクログ
「死」をめぐる物語。
自殺サイトで知り合った「17」と自殺することにした徳永準。
待ち合わせは大晦日の新宿。
最後に学校の友人に遺書をメールで送ろうとしたが、新宿の雑踏で携帯電話をスリに盗られてしまう。
書きかけの遺書が送信され、その遺書メールは蜘蛛の巣状に友人の友人へ送られ、「捜索隊」が作られる。
徳永は徳永で、携帯をなくしたことで「17」との待ち合わせ場所がわからなくなってしまう。
捜索隊は徳永を見つけられるのか?
徳永は17と出会えるのか?
日本版「24」とでもいうべき、一人称がどんどん入れ替わり、スピーディーに進んでいく物語。
どんどん読んでしまう、久々にラノベで面白かったー。