新城カズマのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「小説を書きたい」と思っている人に、一番最初に読ませると良いかもしれない。
エンターテイメント小説のキャラクターや物語を分解すると……という内容なのだけれど、コレの元ネタはハリウッドの脚本術の名著『クリエイティブ脚本術』および、テキスト論的な研究の積み重ねを参考にしているのは明らかなものだと思う。つまり、神話や伝説によるエッセンスが、現代における様々なヒット作品と構造を同じくしている……という例のもの。
でも、だからといって価値がないかというと、そうでもなくて、ライトノベル作家のカテゴリーの中ではおそらく屈指の書き手である新城カズマさんが、これほど身も蓋もないことを書いたというのは、やはり意味があることだと思う。特に、後半の対談あたりは、現状のライトノベル業界の現状を明け透けに語り合っていてかなり面白い。
物語を工学的に組み上げられるということを、知っているのと知らないのとでは、天地の差くらいある問題なので、小説を書いている人間はこれで蒙を啓いたほうがいい。あとは、自分のオリジナリティらしきもので、そこそこ形になるわけだから。一方で、コレに頼り切るのも小説書きとしては、いつか限界に突き当たると思う。 -
Posted by ブクログ
1巻しか読んでない状態でこんなことを書くのは時期尚早かもしれないが、ストーリー自体はあまり面白くない。2巻に色々な謎を持ち越しているから読むっちゃ読むけど・・・。別に蘊蓄を垂れるのは構わない。そこそこ面白いし、様々なSF小説の名前が挙がっている点は自分で読んだ小説のことを思い出したりもして、変わった楽しみ方もできたのだけど・・・語り手である主人公の科白が非常に読みづらく、分量以上に長さを感じてしまった。以上が悪い印象。以下が良い印象。
この小説の良さは、随分とひねた主人公たちによる世界の見方にあるかと思う。ムスリムの礼拝を星間通信・定在波などと表現してみたり、来世が無いなら開発(自然科学的?な意味で)しようという発想とか、変わったことに熱中する人だからこそ見られるであろう切り口を沢山見ることができた気がして、楽しかった。
p223「ぼくらの間には、半世紀ぶんの相互誤解が積ってる。(中略)たとえ同じ時間を過ごして同じ事件を見たとしても。ジャンボ機が摩天楼につっこみ、シャトルが大気圏に再突入しながら燃え尽きる、そんな映像をいっしょに見たとしても、ぼくらと彼らはきっと違うものを見てる。ぼくらはお互いに時間旅行者だった。」これに尽きる。この相互誤解の原因は世代の違いだが、同世代あるいは近い世代でも相互誤解は無数に起こる。主人公たちの世界にタイムスリップした時空間旅行者として、彼らが見た世界を楽しめただけでも十分だった。続きが楽しみ。