永瀬隼介のレビュー一覧
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永瀬隼介『プーチンになろうとした女 歌舞伎町麻薬捜査』文春文庫。
『歌舞伎町麻薬捜査』シリーズ第3弾。
相変わらず軽いノリの刑事コンビが活躍する警察小説であった。結末からしてまだ続編があるのだろう。
時事ネタを挟みながら、先の読めない緊迫のストーリーが展開する。そして、タイトルが興味深い。『プーチンにならうとした女』とはテロリストの広瀬雅子なのだろうか。
トクリュウによる闇バイトに引き込まれ、強盗を強要された教師を目指す大学生の的場祐介は、強盗に入る寸前で謎の男がトクリュウのメンバーを叩きのめしたことで、犯罪者になる窮地から救い出される。
謎の男の正体は革命家の清家文次郎が遺した最恐の姉弟テロリストの片割れの広瀬隆彦だった。祐介はテロリストの広瀬雅子と隆彦の2人からリクルートされる。
一方、一度は広瀬雅子と隆彦を退けた新宿署の洲本だったが、雅子に膝を撃たれた挙げ句、主任からヒラに降格し、内勤の文書配布係に甘んじていた。そんな洲本の元に一緒に闘った仲間の高木が現れ、洲本をキャリアの倉田警視正に引き合せる。
実の父親を殺害した姉弟テロリストを逮捕したいという倉田の強い願いから、対テロリスト対策の組織が作られ、再び洲本と高木の刑事コンビがテロリストと対決することになる。さらに2人の他に公安から花房彩なる得体の知れない女性刑事が配属される。
本体価格900円
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永瀬隼介『19歳 一家四人惨殺犯の告白 完結編』光文社文庫。
2004年に角川文庫から刊行された『19歳 一家四人惨殺犯の告白』に新たに書き下ろしの最終章『死刑執行のとき』を加えたノンフィクションの完結編。角川文庫版は既読である。
1992年に千葉県内で起きた19歳の少年による一家四人惨殺事件。著者は事件の背景、少年の生い立ちから死刑執行までを追い続ける。
金のために縁もゆかりも無い無辜の家族四人を惨殺し、長女を強姦するという極悪非道の限りを尽くした当時19歳の関光彦。いくら複雑な家庭環境で幼少期を過ごしたと言っても決して許されることではない。むしろ、こんな男が44歳まで生き長らえていたことが許せない。
しかし、この事件から30年以上経過した現在、極悪非道な殺人事件や特殊詐欺事件、トクリュウによる強盗傷害殺人事件が毎日のように起きている。犯罪はより狡猾で極悪非道になり、多くの犯罪者は安易に犯罪に手を染めているとしか思えない。日本は明らかに変わってしまった。日本人のモラルは地に落ち、日本は極めて危険な国に成り下がってしまったのだ。
1992年、千葉県内で身も凍るような極悪非道で悲惨な事件は起きた。ヤクザから200万円を要求された素行不良の19歳の関光彦が金を奪うために、かつて強姦した15歳の少女の家に押し入り、祖母を絞殺。4歳の次女と帰宅した母親を滅多刺しにして殺害する。帰宅した父親も刺殺し、4歳の次女までも刺殺する。その後、15歳の少女を何度も強姦したのだ。
これだけの極悪非道な犯罪を行なった光彦は自分が少年であることから死刑にはならないと高を括っていたが、数年に及ぶ裁判の結果、死刑判決が下される。死の恐怖に怯えながら眠れぬ日々を過ごす光彦は、再審請求の間は死刑が執行されないだろうと考えたのだが、紆余曲折あって、ついに死刑が執行される。
本体価格740円
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永瀬隼介『霧島から来た刑事 トーキョー・サバイブ』光文社文庫 。
シリーズ書下ろし第2弾。
前作で古賀正之と共に大東京で息子のために大活躍した妻の慶子は残念ながら5ヶ月前に亡くなってしまったという設定である。そして、今回も冒頭から正之の鹿児島弁が容赦無く飛び出すのだが、妻の慶子が居ないのためか虚しさを感じる。
今回は、半グレ、新興宗教団体、ホスト、トー横、大久保公園の立ちんぼ、ネグレクトなど最近の日本の暗部や世相を沢山描いているが、少し詰め込み過ぎで、的が絞れていないようなストーリーだった。それでも前作ほどではないが、端々で人間の温かさが伝わる良い小説に仕上がっている。
ある日、妻の慶子を亡くした64歳の鹿児島県警の元刑事・古賀正之に電話が入る。その電話は、正之が後見人的立場で面倒を見てきた元極道の滝川光次郎からで、恋人のキャバ嬢・浅野弥生が何者かに拉致されたという内容だった。
正之は単身東京へ向かい、光次郎が怪しいと睨んだ半グレグループのアジトに乗り込むが、半グレ共に鉄パイプで殴られ、危機的状況に陥る。間一髪、光次郎が恥を忍んで何とか頼み込み、救出に駆け付けた光次郎の兄貴分で元武闘派極道の朝倉義勝に助けられるが、そこに弥生の姿は無かった。
頭に10針を縫う傷を負いながら、光次郎のために弥生の行方を探す正之は伝手を使って半ば強引に情報を集め、弥生の母親が新興宗教団体と関わっていることを知る。果たして、正之は光次郎のために弥生を救い出すことが出来るのか。
本体価格780円
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永瀬隼介『逃亡遊戯 歌舞伎町麻薬捜査』文春文庫。
『最後の相棒 歌舞伎町麻薬捜査』の続編。新宿歌舞伎町を舞台にした本格警察エンターテイメント小説。今回は4話収録の連作形式の短編集。
前作に比べて少しライトな感じで始まった物語は、第三話から急激に熱を帯びてくる。面白いのだが、最後話の結末で高まった熱量が一気に冷める。こんな結末ってありか。続編ありきではないか。
かつて伝説のカリスマ捜査官と呼ばれていたが、闇組織と繋がり、麻薬に手を出した挙げ句、テロリストに殺害された桜井文雄の後を継ぎ、新宿署組織対策課に異動した若手刑事の高木誠之助。高木は主任の洲本栄とコンビを組み、捜査に邁進する。
『第一話 殺しの代償』。
正義と警察組織とどちらを優先するのか。完全なる縦社会である警察組織で正義を全うすることは上から疎まれる場合があり、かなり勇気のいることなのだろう。
若手刑事の高木誠之助と先輩の洲本栄が逮捕を狙う麻薬の密売人は刑事局長の息子で、トー横で家出少年少女に食べ物を配るボランティアをしているうちに極道組織に密売人に仕立てられていたのだ。
高木と洲本の捜査に待ったを掛ける警察組織に業を煮やした高木は洲本を焚き付ける。その陰で密売人逮捕のために裏工作に暗躍する高木だったが……
『第二話 お山の大将』。
野球のスター選手と言えば、今や誰もが大谷翔平の名前を口にするだろう。爽やかな二枚目で性格も良さそうだし、投打の二刀流という前代未聞の活躍で、大リーグでも連日のように大活躍を見せている。
大谷は高校時代に既に162キロというとんでもない速球を投げている。ということもあって、夏の岩手県大会で母校が大谷の花巻東高校と対戦するというので観戦に行ったことがある。坊主頭でやたらと背の高い大谷は格下の母校との試合では1球も投げることはなかったが、周りに明るいオーラを発しながら、ずっとニコニコしていたのが印象的だった。
話は長くなったが、本作に描かれる元プロ野球選手の極道、兵藤の投げる球は大谷のスイーパーみたいな球なのだろう。
と、思いながら読んでいた。
高校野球のスター選手だった兵藤は、鳴り物入りでプロ球団に入る。プロ入りした兵藤は初めこそ活躍するが、数々の不祥事と怪我で挫折する。妻とも離婚した兵藤は引退後に極道の世話になる。
かつて、その兵藤と高校野球で対戦したことのある洲本は男をSに仕立てようとする。兵藤が明かした麻薬取引の計画……
『第三話 越境者』。
どうやら、ここからが本作の核心であるようだ。カリスマ捜査官の桜井文雄を殺害したテロリストが再び登場し、物語は急激に熱を帯びてくる。
茨城の養豚場で働くベトナム人のホアン・ミン・カーは同胞女性が雇い主とその友人にレイプされそうになるのを目撃し、二人を半死半生の目に合わせ、金を奪って逃亡する。
東京に逃げ込んだカーは余りにも過激な行動からニトロと呼ばれ、ベトナムギャングの頭となり、仲間と日本各地で様々な悪事を働く。
余りにも行動が過激なため、仲間にも逃げられたカーは福岡で単身、半グレの賭場荒らしを行い、半グレたちに追われる。窮地に陥ったカーを助けたのは大石頼羅と神路の姉弟だった。
カーを使ってヤクザの若頭を殺害し、大量の麻薬を奪い、その組織の組長に近付く頼羅と神路の目的と正体は……
『第四話 逃亡遊戯』。
最終話。第三話で高まった熱量が一気に冷める結末。こんな結末ってありか。続編ありきではないか。
頼羅と神路の正体は桜井文雄を殺害し、桜井の母子をも拉致した悪魔の如きテロリストだった。本名、広瀬雅子と隆彦の行方を高木と洲本が追う。
本体価格850円
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Posted by ブクログ
誰にも、悔いが残る事はある…
でも、ここの人ら、取り返し付かんような事やねんな。
プロローグのタイトルが、何かええ感じ。あまり深刻感なさそうなタイトルやねんけど、中身は、めっちゃ深刻〜
読み進めていくと分かる。
更に、何人も悔いある人が…結構、深刻なのが…しかも、メインキャラやん。
読み進めていくうちに、プロローグの意味も分かって来るんやけど、悪の総本山の方だけは、なかなか分からんかった。最後に真打登場って感じで、ようやく…
殺人事件を追うっと感じではなく、そいつを追ってるんやから、当然か…
元SPで、諸事情で、今はパチンコ屋さんの社員。(落差を出したいのか知らんけど…あかん気がする)
そこに過去に縁のある政治家から、息子の身辺調査依頼。
会社辞めて、アンダーな仕事してるか?って。
休み4日取ったぐらいで、分かるんか!
とは思うけど、一気読みでした〜(^-^)v
(進め方巧み)
どんな事があっても、もう終わった事なんで、悔やむだけでは、前に進んでいけないのも確か。
前を向いて歩いて下さいね〜 -
Posted by ブクログ
誘拐事件で、大失敗して、出世の道を閉ざされた刑事さん。更に、この事件は、未解決のまま時効を迎える…
定年後に、再度、同期が死んだ事をきっかけに犯人探し再開!
しかし、もう出世絶望やのに定年までしがみつくんや…別に出世欲ない人は、それでもええと思うけど、出世欲の権現みたいな人が干されながも…って…何か違和感あるな。
定年迎えて、年金も貰えて余裕で犯人探しか…っと変な事を思ってしまう。
前半は、淡々と、後半は怒涛の如く動きまくる!
しかし、幼い子供を殺されても、まだ、組織の論理で、動く警察もどうなん?って思う。
主人公も敏腕で出世頭やった割には、定年後の動きは、衰えたとしか思えん感じ。干されて定年まで、大した事してないかもしれんけど、物語的には、もっと鋭い刑事の勘みたいなので、事件を解決して欲しかった…
まぁ、急に現役バリバリに戻れる訳もなし、こんなもんって気もするけど。
後半は、どんでん返し×2で、面白い!
最後もスッキリになるの?あかん事やけど。 -
Posted by ブクログ
「19歳 一家四人惨殺犯の告白」をノンフィクションライターで書いて、小説家になって、これが対となるフィクションになる。
5人を強姦殺人して、死刑判決を目前にしても、平気な犯人。
「塀の中で国家の庇護のもと、とんでもない化け物に育っている」
とまで言われ…
フリーライター加瀬が迫る。これは、永瀬さんの生写しなんかな。
犯人のいう「至高」とは?
それがキーワードとなって動き始める。
賢い人って、何かすぐに、コロッと心酔するんかな?オウムの時も、優秀な人がいっぱい信者に、なってたし。
塀の中におって、物理的な復讐は出来んけど、別のやり方で。
最後は、まぁ、ええ感じで。
永瀬さんのは、文字が小さいのか、内容が重いのか、読むのに時間かかる。でも、面白いので時間は忘れるのでええか!寝不足になる以外は(⌒-⌒; ) -
Posted by ブクログ
読み切ったって感じやな。
今時のスラスラ読める小説やなく、重厚感たっぷりって感じ。
めっちゃハードボイルドやん!それも古典的な感じの。なかなかでした。
無実の容疑者を自殺に追い込んで、警察クビになった敏腕刑事。家族とも離れ、今は、しがない探偵業…
何か読んでると、かなり前のことかと思うけど、実は4ヶ月前なんで、ホカホカ〜
でも、これには真相が…
終始、暗いというか重い、ええ感じのハードボイルドやわ。
警察組織、ヤクザ、風俗とお決まり感はあるけど。
でも、ワンちゃんが可愛い〜
ドーベルマンなんで、少し可愛いとは違うかもしれんけど。
警察組織の闇は深そうやな〜ヤクザとの密着度がハンパないこの街で未来はあるんか〜?と思ってしまう。
何か、正義感とかは、どこにもなくて、あるのは保身ばかり…中には正義感ある人おるけど、そういう人は…
やり切れん感はあるけど、最後は、少し気が晴れる。
これシリーズみたい。
時間かかるけど、また、読もうかな?