永瀬隼介のレビュー一覧

  • 12月の向日葵

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    あまりにも孤独で哀しい男の生き様の物語。敵役の強烈なキャラクタも印象的で、文句なしのノワール&警察&青春&恋愛小説です。

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    2014年06月16日
  • 刑事の骨

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    定年退職した刑事が自らが失態を演じた事件に再び挑む異色の骨太警察小説。非常に面白い作品で一気読みした。

    永瀬隼介の作品の多くは事件そのものを迫真の筆致で描き、主人公が胸に熱い気持ちを秘めていることに特徴があると思う。

    この作品も第一部で1993年に発生した連続幼児殺人事件を非常にリアルに描いている。第二部では17年後の2010年に舞台を移し、未解決となり、時効を迎えた事件を退職刑事の不破が再び追い掛けるという構成になっている。特に第二部の不破が刑事としての執念と魂を取り戻す過程、二転三転の連続で予想を覆す驚愕の展開が良い。

    永瀬隼介は信頼出来る数少ない作家の一人だと思う。

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    2013年10月12日
  • 狙撃 地下捜査官

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    警察組織のいびつな構造、組織の中でのし上がろうとするキャリアの歪んだ欲望を描き切ったハードな本格警察小説。非常に面白い。

    主人公は空手四段の美人刑事・上月涼子。最初のエピソードを読み、もしやヒロイン刑事ものかと少し疑ってしまったのだが、読み進むうちにそれは杞憂であることを知る。さすがは永瀬隼介、まるでノンフィクションのような迫真に満ちた描写と予測不能の驚愕の展開が続く。何よりも上月涼子とその上司・鎮目竜二特別監察官が警察組織の禁断の闇に迫る手に汗握る展開が凄い。

    横山秀夫の『64』以来、久々に面白い本格警察小説を堪能した。

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    2013年09月28日
  • 白い疵(きず)

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    理想に燃える男が立ち上がった時、かつてない動乱が起きる。
    その理想の強さゆえに引き起こされるトラブル、大物政治家さえ己の踏み台する姿は恐ろしいほど。
    立ちはだかる巨大勢力の暗躍もまた恐ろしい。
    インパクト大の政治小説。

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    2013年09月26日
  • 誓いの夏から

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    ラストは少し物足りなかった。
    こんな重大事件。こんな終わり方って。
    高校生の主人公の少年が、恋人にふりかかった殺人事件をきっかけに刑事になる。
    19年後、かつての恋人の前に再び現れて、過去の事件の真相を暴く。
    刑事ものとは一味違う、愛と執念の物語。
    一気にラストまで読んでしまいました。

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    2013年09月12日
  • きみに銃は似合わない

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    全く次の展開が読めず、ページをめくる手が止まらなくなるほど非常に面白い作品だった。

    元刑事の菊村直が経営するバーに雇った中国美女・小梅華が菊村の金を持って失踪。菊村は小梅華を追い、中国の白春へ…

    これだけでも一つの作品として成立しそうなストーリーなのだが、中国で菊村が経験した奇妙な出来事から物語は急転する。ハードボイルド、ピカレスク、警察小説といった要素も盛り込まれ、いつの間にか登場人物に感情移入してしまう非常に贅沢な作品。

    永瀬隼介さんの作品は『19歳の結末 一家4人惨殺事件』を読んで気に入り、ずっと追い掛けて来た。これまで読んだ中では『閃光』が一番面白かったのだが、この作品はこれに匹

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    2013年08月04日
  • 帝の毒薬

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    ネタバレ

    戦後のドサクサから生まれた帝銀事件。
    平沢が本当に犯人なのか分かりませんが、戦争が産んだ悲劇ですね。

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    2012年08月11日
  • 帝の毒薬

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    帝銀事件の真犯人を731部隊(作中では倉田部隊)と仮定して描いた骨太ミステリー。かなり長いですが一気読み。オススメです。

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    2012年05月10日
  • 閃光

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    3億円事件を題材にしたかなり長い作品です。
    筆致も重いのですが、その長さ、重さ以上に
    ストーリーに引っ張られて一気に読めました。

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    2011年07月17日
  • 閃光

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    すっごく面白い!!!
    眠れなくなることを約束します。

    組織の為に生き、でも最後まで組織に報われなかった滝口と緒方(父)の姿に切なくなった。

    それにしても片桐、ちょっとカッカしすぎじゃない?
    かなり足引っ張ってる感があって感情移入できない登場人物。

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    2011年03月02日
  • 退職刑事

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    す、すげー。

    タイトルを考えずに読んで正解。
    一作目の重たさにちょっと沈み、二作目でめまい。
    三作目はなんどもなんども読み直し、ため息。
    四作目は幻想的なエンディングにしばし瞑想。
    そうして、最後で息が苦しくなった。

    短い中にスリラー、恐怖、幻想、狂気、苦しいまでの重たさ。
    ちらほらとのぞく日常がよけい、すぐそこにあるかもしれない隣人の陥穽を思わせる。

    お腹に力を入れて息を詰めて読む、がつんの一冊。
    この作家は、なんだ?

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    2010年06月10日
  • サイレント・ボーダー

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    さすがの一作。

    正義を標榜する街のボランティア青年団のリーダーの少年と、離れながらもよりそう幼なじみの少年。
    家庭内暴力に目覚めた息子を引き取る、ルポライター。そこに救いの手をさしのべる、精神科の女医。
    ルポライターの混乱に乗じてライターに成り上がる、ライターの相棒。

    散りばめられたエピソードと現在が噛みあわさって、最後に勢い良くほとばしる本作品は、
    処女作とは思われない程の分厚さと重さに満ちている。

    最後のエピソードに、作者の青いやさしさが滲むのも、好ましい。
    秀作。

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    2009年10月04日
  • デッドウォーター

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    永瀬隼介が、好きだ。


    もしかしたら執筆の10倍以上の取材をし、100倍もの調査時間をあてているのではと思わせるそのストーリーは常に、フィクションとは思わせないがっしりとした骨組みに載せられている。

    人物の書き込みも重厚。
    ばらばらと登場する人物は最初は、まったく違う世界を生きている。

    ボクサーとしての人生を選び、はぐれものの世界を飛び出した中国人とのハーフ、亮輔。
    売れないライターの加瀬。
    5人の女性を強姦して殺し、死刑を待ちながら一向に動じることのない死刑囚、穂積。

    その人生がそれぞれひとつにつながったとき、そこに現れた震撼すべき事実とは。


    読み終わって、膝が震えた。

    この

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    2009年10月04日
  • ポリスマン

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    痛快!格闘小説。まさに、最強VS最強の戦いが繰り広げられる。「こんなに、こんなに強いんだぞぅ」のエピソードの果てに激突するパワーとテクニック!!一気に読める。

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    2011年09月04日
  • 殺し屋の息子

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    暴力は嫌いだけど、それに屈しない胆力は羨ましいといつも思う。今さら身につけられないものなんで余計に。確かに輩は臆しない実行力で成功する一面もある。面白かった。

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    2025年11月06日
  • 属国の銃弾

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    確かに登場人物を、現実の人物に置き換えていく読み方になりますね!多分、千石は田中角栄をモデルにしていますね。当時、えらく強気の秘書がいましたが?神野のモデルでは無いような?
    構成的にも、角栄待望論的な所は、真山仁先生のロッキードと共通しています。でも、前半部分は創作かな?楽しめました!

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    2025年11月02日
  • プーチンになろうとした女 歌舞伎町麻薬捜査

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    エピローグが良かった。
    結局1番強いのは、何も持たない明子さん。
    中尾恭一の妹、麗子さんも見込みあり!


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    2025年09月26日
  • プーチンになろうとした女 歌舞伎町麻薬捜査

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    永瀬隼介『プーチンになろうとした女 歌舞伎町麻薬捜査』文春文庫。

    『歌舞伎町麻薬捜査』シリーズ第3弾。

    相変わらず軽いノリの刑事コンビが活躍する警察小説であった。結末からしてまだ続編があるのだろう。

    時事ネタを挟みながら、先の読めない緊迫のストーリーが展開する。そして、タイトルが興味深い。『プーチンにならうとした女』とはテロリストの広瀬雅子なのだろうか。


    トクリュウによる闇バイトに引き込まれ、強盗を強要された教師を目指す大学生の的場祐介は、強盗に入る寸前で謎の男がトクリュウのメンバーを叩きのめしたことで、犯罪者になる窮地から救い出される。

    謎の男の正体は革命家の清家文次郎が遺した最

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    2025年08月20日
  • 19歳 一家四人惨殺犯の告白 (完結版)

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    精神的ダメージ受けるノンフィクションです。
    読まれる方はご注意を,,,覚悟が入ります。

    好きな作家さんが帯を書いていたので手に取りました。
    取材し続ける先に何が見えるのか,,,
    時間と身体を壊してまで追い続ける真意を探りながら読みました。

    小説家の方々もきっと、こういう本を読まれて作品を創るんだな。

    一気に読みました。

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    2025年05月02日
  • 閃光

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    三億円事件、真相はわからないが、このような背景や真相があったのかも…とストーリーを膨らませるのは単純にすごいと思った。
    かなり分厚く読み切れるか心配だったが、案外スルスル読めてしまった。
    時効という犯人にとっては成功と言える犯罪でも、結末はハッピーではないんだなと思わせられた。

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    2025年04月18日