永瀬隼介のレビュー一覧

  • 閃光

    Posted by ブクログ

    昭和史最大のミステリーである三億円事件をモチーフにした小説。犯行現場を実際の事件とは変えているが実際の三億円事件の背景などを踏襲しているリアリティーある内容で読みごたえがあった。警察組織の汚さ、怖さが描かれていて長編だが飽きずに読み進められた。

    0
    2015年06月11日
  • 12月の向日葵

    Posted by ブクログ

    読みごたえがありました!
    暴力シーンが有りますが、面白かった!
    警察官の弓削慎二さん、奥さんの利恵さんと、極道の香坂一さんは高校の同級生
    極道の一さんはずっと慎二さんを陰から応援している

    百田尚樹さんの「影法師」を思い出しました

    一も慎二さんもカッコいいです!

    0
    2015年01月12日
  • 完黙

    Posted by ブクログ

    びっくりするような展開ではないのに、簡単に予測がつかない、どうなるんだろう?と思わせられる。なるほど上手い。事件は解決し、登場人物たちも何かを得たり前に進んだりする終わり方なんだけれど、全て万々歳というのではなく、どこか侘しいような切ないような風情が残るところもこの題材らしくていいと思った。
    表題作は別にして、かもだけど。

    0
    2014年12月13日
  • 傷だらけの拳 道場II

    Posted by ブクログ

    『されど愚か者は行く 道場Ⅰ』の続編の連作短編小説。長らく文庫化されたかった作品で、角川文庫から文庫化されたのは本当に嬉しかった。純粋な格闘小説というより、神野聖司から闘心館空手道場を任された藤堂忠之の苦悩や挫折、成長を描いた小説である。

    本作では、主人公の藤堂よりも道場の最高顧問を勝手に名乗る入門10ヶ月の白帯・富永栄助と道場の指導員・山本健三の方が活躍する短編が多いようだ。富永が巻き起こすドタバタに藤堂が巻き込まれるが、時として藤堂が富永に助けられる事もあり、山本は常に安定の強さの空手家として藤堂よりもカッコよく描かれている。

    『初恋』『告白』『黒船』『ひがちゃん』『遺書』の5編を収録

    0
    2014年11月30日
  • 12月の向日葵

    Posted by ブクログ

    香坂一と弓削慎二は高校で柔道のライバル.松原利恵も同級生.喧嘩早い一は拉致された利恵を助けるため、喧嘩を仕掛ける.その結果退学し、消息不明となる.慎二は刑事となって厳しい生活を続けるが、利恵と世帯を持ち娘を授かる.一はヤクザとなって喧嘩の強さで幹部に進んでいく.成績の上がらない慎二に一は情報を与え、拳銃や覚醒剤の摘発ができた.そのアオリで慎二を助けるための殺人を犯し、15年の刑に服する.ヤクザと警察の内情もそれぞれ熾烈だが、一が刑期を終えて出てきて、慎二の娘を最終的に助ける場面は、ほろりとする.アクションもので2段組で445頁の大冊だが、面白くて一気に読破できた.

    0
    2014年10月20日
  • 刑事の骨

    購入済み

    時効捜査

    よくある時効捜査モノと違い、最後が心地良かったと思う。警視庁のその後が書かれていると、なお良かった。

    1
    2014年06月25日
  • 12月の向日葵

    Posted by ブクログ

    何を書いてもネタバレになってしまいそう。
    主人公の二人は、警察官と暴力団員。
    こう書くと相互利用し、破滅に突き進むとなりそうだが、全く違う展開。
    読後感は良好なクライムノベルズ。
    怒濤のような展開に楽しめた。

    0
    2014年05月06日
  • 白い疵(きず)

    Posted by ブクログ

    「政治と原発」と言うテーマはいかにも今風だし、登場人物のキャラ立ちもよく、永瀬らしい佳作と言えましょう。ただ、個人的には原発推進派なので★一つ減点。

    0
    2014年03月11日
  • 刑事の骨

    Posted by ブクログ

    面白かった。一気にひきこまれました。
    肝が座ったノンキャリの星かと思いきや、子供みたいな大失敗をする不破さん。出世の道を断たれましたが、人となりに惚れました。
    後半のたたみかけには興奮しましたが、あのラストで良かったのでしょうか?娘さんが心配です。

    0
    2014年01月21日
  • 閃光

    Posted by ブクログ

    600頁とボリュームがありましたが、一気に読みました。実際の3億円事件の真相が闇の中なのが残念です。

    0
    2014年01月05日
  • 嘘と少年

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「ある目的のために森へ入っていく少年」という帯の言葉にひかれて手にとった。少年の、冒険譚なのかと思ったのだ。
    しかしそれは冒頭の部分で違うとわかった。最初から違和感のある描写だった。「わたし」のあり方がなんとなくおかしいのだ。
    読み進むと、森へ行ったのは子供の頃の話だったとわかる。

    この、少年時代の回想部分はある意味とても懐かしかった。おそらく時代背景が私の子ども時代と同じであるだろうということがわかったからだ。
    そして、山へ入っていった後の描写には圧倒された。ここだけサバイバル小説のような趣がある。
    山で育った少年と街から来た少年の差。そこに生まれる密かな劣等感。
    しかし、3人ともそれぞれ

    0
    2013年06月07日
  • 閃光

    Posted by ブクログ

    昭和の大事件である三億円事件。
    うっすらとしか三億円事件を知っていない自分にとっては、かなり面白かったです。

    単独犯説、複数犯説、警察の組織、隠蔽
    登場人物の背景も十分に書き込まれていて
    自然に惹き込まれてしまうミステリー

    実際に時効が成立してしまっている謎の事件
    真相がとっても、とっても気になります。

    長いなぁ・・・と感じることもありましたが
    たっぷりと味わえた面白い本であったと思います。

    事実が基になっているそうなので、三億円事件って
    すげぇ~
    とあらためて驚く自分でした。

    0
    2013年05月25日
  • 罪と罰の果てに

    Posted by ブクログ

    5月-4。4.0点。
    千葉の田舎町。キリストさんと呼ばれる浮浪者。
    中学の同級生、野球部と不良と、新興宗教から逃げてきた兄妹。
    事件が起き、ばらばらに。
    大人になった中学生たち。運命のように再び絡み合う。

    何となく読み始めたら、重さにタジタジ。570頁一気読み。
    ご都合主義的な面もあるが、読ませる。
    面白かった。

    0
    2013年05月09日
  • 完黙

    Posted by ブクログ

    一味違う警察小説の短編五編。『東京から来た男』。トラブルに巻き込まれた警察官夫婦、後味の良い結末。『秘密捜査』。一人の刑事の生き様と一つの事件を交錯させるウマさ。『昔の男』。女性刑事を主人公に据え、人生の機微を描く。『完黙』。この短編集では異色の作品。『師匠』。二人の刑事による人情物。どれも、味のある良い作品なのだが、『秘密捜査』と『師匠』が良かった。

    0
    2012年12月05日
  • 罪と罰の果てに

    Posted by ブクログ

    途中で結末の予想がつてしまったが、分厚さの割に最後まで飽きずに読めた。久々にいい作家に出会えたかもしれない。

    0
    2012年11月27日
  • 罪と罰の果てに

    Posted by ブクログ

    複雑に入り組んだ登場人物の関係と時間経過。この世に神はいるのだろうか、タイトルの罪と罰とは。暗澹たる気持ちになりながら、物語を読み進んだ。賢明なる読み手なら結末が見えたかも知れぬが、愚鈍な自分には最後まで結末は見えず、その結末に驚いた。相変わらず、読ませる作者だ。

    永瀬隼介さんの作品は『ポリスマン』を読んだのが最初で、それがものすごく面白くて、文庫本が出る度に楽しみにしている。善と悪、取り分け悪をテーマにした作品が多いのだが、どれも読み手に深く考えさせる時間を与えてくれる。もちろん、物語としても非常に面白い作品ばかりだ。

    0
    2012年11月15日
  • 灼夜

    Posted by ブクログ

    母子家庭育ちで、どちらかといえばヘタレ気味の中学生が、ひょんなことから誘拐に端を発した激動の1日に巻き込まれる。
    これだけ全員が私利私欲のために仲間をためらいもなく裏切りると、むしろ潔く感じてしまうような感覚に陥った。
    暴力に満ちた作品なのに、少年の成長が好ましく、後味が決して悪くない不思議な作品です。

    0
    2012年10月08日
  • 疑惑の真相 「昭和」8大事件を追う

    Posted by ブクログ

    永瀬隼介さんの作品を初めて読んだのは『ポリスマン』。以来、安心出来る作家の一人。三億円事件、丸山ワクチン、和田臓器移植、なだしお事件、猪木対アリ戦など昭和の事件を扱ったノンフィクション作品集。これもまた面白い。

    0
    2012年09月19日
  • 帝の毒薬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    満州七三一部隊、帝銀事件、地のメーデー事件といういまや歴史上の事実を題材に時代の大きな物語に巻き込まれながら、記録されることもない主人公の怯え、怒り、暗い情念、焦燥をくっきりと浮かびあがらせている。ここにはまぎれもなく大きな物語が生きていた時代があり、大きな物語に関わることで
    必然的に輝いていた人間を浮き彫りにすることで、大きな物語を失った現代ニッポンが二重写しとなっている。羽生の体験、行動、激情はもはや想像力を持ってしても追体験はできない。あるのはただ「平沢貞通」の死刑という重い事実だけである。ところで帝銀事件の前に安田銀行荏原支店で未遂事件が起きていたことを知り個人的な感慨を得たことを付記

    0
    2012年06月09日
  • 帝の毒薬

    Posted by ブクログ

    戦後日本の帝銀事件を題材とした骨太ミステリ。
    満州にある部隊に属していた羽生誠一は、ハルピンの華やかな闇の中で記者である梶や特務機関員である片岡、歩哨仲間の山下と出会う。敗戦の色が濃くなり、上層部は人体実験の暴露を恐れ証拠を隠滅し遁走する。
    刑事になった羽生は帝銀事件の応援をする事になるが、鑑札でも割り出せない毒物の使用に警察は軍部の関わりを疑う。
    非常に面白かった。特に戦後日本の状況がものすごくリアルに描写されていると思う。冒険小説のようでもあり、展開にスピード感があり楽しめた。
    が、戦後日本について自分の無知にも呆れた。この事件も聞いた事がある程度で、すべての事が目新しかった。この時代につ

    0
    2012年06月03日