岡崎隼人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書店だけは、聖域だと思っていた。
隅々まで明るくて、人がたくさんいて、
怖さとは無縁の場所。
でもこの本を読んだら、
書店に行くのがちょっと怖くなってしまう。
『書店怪談』岡崎隼人
本にまつわる怪談って、世の中には数多く存在する。
たとえば古書なら、前の持ち主や来歴が気になることもある。
だから古書店と怪談というのは、
とても親和性が高いと思うのだ。
でも!!!
新刊を扱う書店って、
私の中ではどちらかというと「陽」の場所だった。
書店を舞台にした怪談なんて、本当に怖いの?
そう思っていたのだけれど……
これがまた盲点だった。怪談の宝庫やないか!!!
棚から本を抜いたあとの隙間を見たことはありますか?
バックヤードで監視カメラを覗いたことはありますか?
朝出勤したとき、無人の店内でBGMが流れていたことはありますか?
……あぁ、無数に出てくるじゃないか。
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著者の岡崎隼人さんと講談社の編集者が協力し、
書店を舞台にした怪談を全国の書店員たちから募集して、
一冊の本を作り上げようとする。
そんな構成のモキュメンタリーホラー。
本書は、小野不由美さんの『残穢』を思わせるつくりで、
実際に作中でもその名が登場する。
不気味な怪談から、
少し心あたたまるような怪談まで、
そのバリエーションはかなり幅広い。
けれど二人は、それらの怪談に
ある共通点を見つけてしまう。
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こういう、現実をじわじわ侵食してくるタイプのホラーは怖い。
それも「書店」という、
本好きにとっては聖域みたいな場所で起こるから、なおさらだ。
書店だけなら、まだいい。
でも、それがついてきてしまったら……。
そして一番怖いのは、
怪異そのものよりも、
生身の人間が少しずつ狂っていくことなのだと思う。
これを読んだら、書店員さんは
閉店時に最後の一人になるのが
ちょっと恐ろしくなるかもしれない。 -
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新作のアイデアとして、書店にまつわる怪談を集めて百物語みたいに纏めるのはどうかと提案した著者。
その企画を面白いと感じた編集の菱川が、知り合いの書店員らに声をかけ、本屋にまつわる怪談を集め始めた。
それなりの反響があり、企画に手応えを感じて喜ぶ二人であったが、怪談を集めていくとそれぞれの話に共通点があることに気がつき…
モキュメンタリーホラー小説、で合ってますかね。
本筋の怪談の着地点にはあまり私は納得できなかった(ここまで追いかけてきたのにちょっとこじつけに感じられた)けど、続きが気になってグイグイ読み進めさせられる面白い話だった。
表紙の書店員さんによると思われる手書きコメントや、作中の怪談が味わい深い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ気になっていた本。
フェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー?)のホラーって惹かれますよね。
え?これ本当にあったの?って真相は藪の中…な感じ。怖いのでフィクションということにしよう、と思いつつ、身の回りでなにか少しでも不可解なことが起きたらついついそのせいにしてしまう。
寝る前部屋で読むのが怖かったので、朝活で明るいカフェで読みました(笑)
一見バラバラな内容の書店での奇妙な体験が、一つのストーリーを通して見ると繋がって見えるところに怖さを感じた。
ただ、そのストーリーがしんどすぎて、
後半は怖いより、可哀想という気持ちのほうが強かった(そういうのよくないと聞いたので、やっぱり「悲しい」に留めておこう)。
ケージに監禁されていた間、
腐った食べ物を与えられていたのかなとか、
少しでもはみ出してしまったら怒鳴られたのかなとか、
飢えて作文用紙を噛みしめたのかなとか、
優しくしてくれる「母親」を、探していたのかなとか。
怪異の端々からいろんな考察ができる。
フェイクだと思いたいけど、もしも少しでも実際に起きたことと絡んでいるなら、成仏を願いたい。
あとどうでもいいいけど
一番ひええええってなったのは
ナメクジ!!!!!
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作品紹介・あらすじ
こんなことになるなんて!
1行目は全員一緒、25編の「大騒ぎ」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第四弾。
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25編からなるショートショート集。
Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第4弾とのこと。既に第3弾と第6弾は読み終えた。
最初の一文は必ず「だから捨ててと言ったのに」で始めなければならない、という括りがある。
他のシリーズと同様に玉石混交。ただ他のシリーズよりも本書の方が面白い作者が多かった。ただ、飛び抜けて面白いというわけではなかった。
以下が面白かった作者。
須藤古都離
黒澤いづみ
岡崎隼人
砥上裕將
清志まれ
舞城王太郎
高田崇史
背筋
多崎 礼
谷絹茉優
夕木春央
最果タヒ
このうち清志まれはいきものがかりの水野良樹のペンネーム。谷絹茉優はChevonというバンドのヴォーカリスト。ミュージシャンが二人参加している。
上記の中では砥上裕將と夕木春央が特に良かった。歳を取ると、こうした小さな感動話に思わずウルっとしてしまう。そして最果タヒの文章。詩人だからなのかもしれないけれど、とても心に響いてきた。 -
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ネタバレ「あの子」の救済ついて考える。
子供に降りかかった悲劇を目撃するのは、やるせないものだ。
本人に自覚は無いのだろうが、罪の無い人達に被害が広がっていく様にも暗澹とした気持ちを抱く。
小説の終わりとしてあの形がベストなのだろうが、傍観者としては、彼らに救いがあって欲しいと感じた。
救済方法を愚考してみる。
やはり「神格化」ではなかろうか。
本作の柱の一つに“神道信仰”があった。
ここはあの子を「書店の守り神」として奉ることが、あの子を鎮めるに相応しい方法と思う。
書店が聖域であるならば、書店を神社と見立るのも無理筋ではないのではないか?
あの子を書店専門の座敷わらしのような存在として接することが、あの子を慰め、満たすことにもならないだろうか。
そう考えると作中の恐怖が一転、畏怖になる。現金なものだが読者も慰められるというものであろう。
全国の書店様にもご一考願いますよう。