あきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“懇願する瞳で、セシルはジュリアンを見つめた。
「だってジュリアンにもしものことがあったら、わたし、もう生きていけません」
「セシル……」
ジュリアンが、息を呑みこんだまま動きをとめる。
やがて根負けしたように、彼は視線をうつむけた。
「……まいったな」
夜風にさらわれる銀の前髪の奥から、やるせないような、苦笑の気配が伝わってくる。
ジュリアンは、くしゃりと髪に手をさしいれた。
「ジュリアン?」
「きみはもうすこし、出し惜しみということを覚えたほうがいいんじゃないかな」”[P.210]
6巻目、最終巻。
勢いづいて一気に読み終えてしまった。
仲違いは長かったのに誤解を解き合うのが早かったなと -
Posted by ブクログ
“乱暴に顔の雨をぬぐうと、殴られた頬が痛んだ。
重い身体をひきずるように、下宿の階段をのぼる。すると足音で帰りを察したのか、自室の扉からレナードが出迎えた。
「ジュリアンさま」
こちらの顔を見たとたん、レナードが目をみはる。
「話なら明日にしてくれないか、レナード。今夜はもう休みたいんだ」
「いえ、そうではなく——」
なおもなにか伝えようとするレナードにはかまわず、ジュリアンは部屋をよこぎる。
だが寝室の扉に手をかけようとしたところで、足はとまった。
無言のまま、じっと扉の向こうを見つめる。
ジュリアンは目を閉ざした。ひとつ、深く息を吸いこんでから、寝室に足を踏みいれる。
ゆれるランプの灯りの -
Posted by ブクログ
“「きみたちふたりのつきあいが、もともとどんなふうに始まったにしろ、いまのきみはあの子に対して真剣なようにわたしには思えるよ。だからこそきみは、慎重になっているんじゃないのかい?」
ジュリアンは無言で視線を伏せた。幾度かためらってから、告白する。
「本当に大切なことは、いつまでも伝えられないんです」
わずかに目許をゆがめ、つぶやく。
「簡単に口にしては、言葉が汚れてしまう気がして」
「それはまた、新聞社で働いている人間の台詞とは思えないね」
レスターが呆れたように笑う。
ジュリアンは肩をすくめてみせる。
「ですね」
「このままでは、仕事にさしつかえそうだ」
「仕事なら、大いにさしつかえています -
Posted by ブクログ
“俺達はなんだかちょっと変な双子だった
俺が泣かされると必ずすぐにダンテが助けに来た
そして ダンテと離れると俺だけが寝こんだ
それはダンテが戻ると嘘のように治って
まわりの大人は皆 あまりそれを快く思ってなかった
『役立たず』 ランテ おまえは 本当に役立たずだ”
双子の過去。
楽しいんだけどゆるゆる進むなぁ。
完結してから一息に読み返したくなりそう。
Thanks to K.H.
“彼らも私と同じようにあの日の何かを知っている
そして 本来なら一番真実を知りたいであろう「被害者の子供」は
人を疑う事もなく 何も知らぬまま
…あまりに名前の通りの人で イライラする”