あらすじ
人間が妖精を使役する、ハイランド王国。少女アンは、一流の銀砂糖師だった母を亡くし、あとを継ぐことを決意する。銀砂糖師とは、聖なる砂糖菓子を作る特別職のことで、王家勲章を持つものしか名乗れない。用心棒として、美形だが口の悪い戦士妖精のシャルを雇い、旅に出たアン。人間に心を閉ざすシャルと近付きたいと願いつつ、王都を目指すけど……!? 審査員全員が激賞!! 第7回小説大賞 審査員特別賞受賞作!!
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好きな場面。
「ーー俺の羽を抱いているんだ。しっかりしろ、かかし。
アンは使役者というよりは、お荷物だ。シャルの羽を抱き込んで離さないから、けして粗略に扱えない。側を離れられない。
シャルにしてみれば、鍵をなくして開けることができない、生きた宝箱を連れ歩いているようなものだ。」
「一生、笑われることはない。人間は、俺たちと違う。人間は、常に変わっていく……。おまえは、あと三年も経てば、驚くほど綺麗になってるはずだ。この髪のも、色の薄い、綺麗な金髪に変わる。そのころには、誰もおまえをかかし呼ばわりしないはずだ。砂糖菓子を作る腕前も、変わっているはずだ。ヒューが言ったことは真実だが、気にする必要はない」
「羽は、ほのかに温かかった。拳を滑らせて、絹よりもなめらかな、ぞくりとするような手触りを確かめる。そして軽く、その羽に口づけた。」
「どうして、と問われたシャルは、むっとして、なんと言うべきか考えあぐねているように見えた。しかし。しばらくすると彼は、降参したようにふっと表情をやわらげた。
答えのかわりに、彼はアンの右手を手に取った。そして。
「アン」
囁くように、呼んだ。はじめて、名前を呼んでくれた。そのことに、アンの胸は熱くなった。
シャルは優しく、アンの指に口づけた。慈しむように。
それは、何かを誓う行為のようだった。」
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内容…★★★★★
人物…★★★★★
文体…★★★★
あきさんのイラストにつられたひとりです。
銀砂糖師っていう響きにも惹かれてたから、
あきさんじゃなくても買ってたと思うけど。
アンみたいに真っ直ぐで後先考えないけど
馬鹿ではない主人公は見てて楽しい。
恋に対する反応も好み。
やっぱり気づくのは早くして欲しいね。
気づくまでと気づいてからと両方ぐだぐだしてるのはちょっと女々し過ぎ。
一巻完結で主人公がそれなりに勝ってる話が好き。
しかし、アンの髪型どうなってるの。
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表紙を担当するあきさんの絵に釣られてうっかり表紙買いから始まったものの、その内容の面白さたるや!
個人的に大好きな「妖精」というキーワードにも惹かれたが、その独自の妖精の捉え方に圧巻。一人の少女が母を失くして賢明に夢を掴もうとする中、偶然出会った美麗な戦士妖精。そして様々な経験、出会いから知らず知らず大きくなっていく少女自身。
いつしか戦士妖精と少女はお互いに惹かれあっていくが、そんなはずはないと思い込む二人に焦れて仕方が無い。
もう一言で、ただ面白い!!!
どの巻も読んでいて楽しめる上、続きが気になって堪らない。ファンタジーと少女漫画が一体となったような作品!
Posted by ブクログ
どうやって妖精が生まれるのか。人と妖精の関係。妖精にとっての羽の意味。そのあたりの設定がしっかりしているので読み応えがある。
主人公はまっすぐだけどバカじゃない。そういうところがいい。外見じゃなく中身がしっかりしていて、不意打ちのかわいさにやられる。
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シャルが格好良くて、アンとの掛け合いが面白い。そして、アンのひたむきで真っ直ぐな心がずーっとぶれない。「信じる」という行為が、色々な場面で出てくる。他人を信じる、自分を信じる、夢を信じる…読んでいて、勇気がもらえる作品。落ち込んだ時は絶対読み返す物語です。
次々と意外なことが……
始めはアニメから見た。絵が丁寧で
子供っぽ過ぎてもなくてなんかいいなと思った。
そしてラノベを読み始めて、止まらなくなった。
シャルとアンの二人が素直だし純粋で、
でも本心が簡単に通じ合うわけでなくて
じれったいところがさらに良い。
妖精とか銀砂糖細工とか綺麗で儚げで素敵だ。
怖いことが起こって、心配で心配でどんどん読んだ。
王家勲章の行方。ヒュー、そして王妃も、いい意見を言う。
この作品は大人もいい役割を担っている。
シャルは大人でも妖精なので、人間的感覚に欠けているが
アンの真心と成長とともに人間不信を解いていくところがいい。
アニメも要領よくいいところを取り上げている。
アニメだけの細部もうまくいっている。
さらに知りたいと思えばラノベがある。
次々と意外なことやどんでん返しがあって
何度も見たくなる読みたくなる、とても大切な作品です。
メモ:アニメ第4話。妖精の淡さ、敷石縞の交差点に樽、目と髪の
色合わせとか丁寧。アンは後ろで細い髪束のゆるい交差が、華奢。
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アンが可愛い。銀砂糖師になれなかったけど、ハッピーエンドです。
個人的には、シャルが好き。毒舌美青年(本当は優しい?)、タイプです。
続きに期待します。
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あきさんのイラスト目当てな気持ちが半分以上を占めていましたが、読んでいくうちにどんどん世界観に惹きこまれていきました。
とにかく続きが読みたくて本屋を駆けまわった思い出。
Posted by ブクログ
久しぶりに胸がキュンキュンするお話に出会いました。
文章の読みやすさに加え、続きが気になる展開や魅力的なキャラクターたち。こんなに始終楽しく読めたのは、伯爵と妖精シリーズ以来かもしれません。
あきさんのイラストもとても美麗です。
Posted by ブクログ
イラストのあきさんに惹かれて。
かかしだとか散々な事を言われてるヒロイン・アンが、悪意にめげず頑張る姿がいじらしいです。
話は王道ですが、王道すぎて最近無いタイプだったのでかえって新鮮。
妖精と、妖精を使役する人間…と、世界観が好み。
銀砂糖のお菓子おいしそうだなぁ…。
Posted by ブクログ
砂糖を使った菓子細工師に妖精。
これだけ聞くとメルヘンですが、内容はまったく非メルヘンw
柔らかくて綺麗だけれど、それだけでは終わらなかったです。
最後の最後には、まぁそれだけのためについてこないよね、と
ちょっと納得してしまいましたが、かなり愕然とするものが。
自分を磨くのが一番です。
むしろ高望みをするなら、目の前の階段を
ちゃんと登ってからにしてほしいです。
最後には爆笑とすっきりが残っていますがw
ちょっとした幸運、ちょっとした信念。
新人さんとは思えない、夢中になれたものでした。
Posted by ブクログ
三川みりによる「シュガーアップル・フェアリーテイル」の第1巻。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞作。2023年にTVアニメが放送されました。人間が妖精を使役するハイランドで母を亡くしたばかりの少女アンが、母と同じ銀砂糖師になることを目指し、戦士妖精のシャル達と共に銀砂糖師の称号を得るため旅をする物語。アンとシャルが反発しながらも徐々に近づいていく心の動きが巧みに描かれていて良かったです。にぎやかしとして、ミスリルも良い感じ。そしてジョナスのクズっぷりが最低です。本作は正しく少女小説だと思います。
Posted by ブクログ
アニメ化だ漫画化だ単行本化だっていって1巻目まるっと無料公開してたから読んだ
あんま話覚えてないからアンってこんなに気が強いタイプだったっけって思ったりしたけど面白かった
母を亡くした女の子が、お母さんを弔う砂糖菓子を作れる職人になるために旅に出る話。
Posted by ブクログ
三川みり原作の本作が今季(2023年冬)アニメになってる!デビュー&出世作みたいなので興味もあり、読んでみました。この一巻がアニメ4話までです。
話の筋はわりとありきたりな感じで結末は見えつつ読むものの、妖精を人が使役することが普通の世界でそれを是とせず信念を貫こうとする主人公や妖精達のスタンスなど、話を支える土台がしっかりしていて心地よい定番でした。はっきりいって、好みの話で、確実に2巻は読みます。17巻あるようなので、途中で挫折するかもだけど。
小学校でも大丈夫な内容でした。つばさ文庫にしてくれたら良いのに。幸村アルトのコミカライズに興味あり!
Posted by ブクログ
人間が妖精たちを使役しているという世界。それに抵抗がある主人公の銀砂糖師のアン。こういう差別構造の舞台設定がいかにも三川みりだ。処女作からちゃんと自分なりの個性を持っているのが大したもの。アンは、戦士妖精のシャルを買って、銀砂糖の細工作品の大会に出るために旅に出るが、これがなかなか大変な道中になる。アンの健気な思いもかわいいし、シャルが少しづつ変わっていく過程もいい。銀砂糖師としての成長も見どころだが、人と妖精との関わりもこのシリーズの大きな柱になっていくのだろうか。
Posted by ブクログ
主人公のアンが可愛らしかった。
夢は叶わなかったが、諦めた訳じゃないし、一生懸命頑張った末なんだから満足という姿勢が良い。
妖精の名前の語感がすごく好き。
妖精と砂糖菓子という少女小説らしい題材だが、「妖精は人間の奴隷」という暗い設定が入ることで甘くなりすぎずバランスを取っているんだと思う。
Posted by ブクログ
久々のファンタジー長編系自分的にヒット★
単純なハッピーエンドで終わらなかったとこが
また○。
母を亡くした銀砂糖師を目指す15歳の少女と、
黒曜石の戦士妖精、水のちび妖精
三人組の旅がすがすがしい。
Posted by ブクログ
評価が高くて気にはなってて買ってはいたけど、イラストが微妙だったんで、積読になってましたけど、コミックを読んでおもしろかったんで、やっと読み始めることにしました。
で、読んでみておもしろかったです。
最初は、「銀砂糖」とはなんぞや?妖精と人間の関係が人種差別を揶揄してる?って感じでしたけど、母親をなくしたアンと道中の護衛のために買った戦士妖精のシャルとミスリルの関係とかほんわかしてるし、前半全く重要人物と思っていなかったジョナスが後半悪役に転じて、想定外の展開になっていったり、ファンタジーなだけじゃないところが気に入りました。
銀砂糖師になれなかったアンの今後も気になるし、一気に読んじゃいそうです。
Posted by ブクログ
児童文学よりのティーンズノベルという感じで好みだった。世界観もよかったし、ヒロインの心情の表現がこまかくてよかった。ヒロインが、母親の死を銀砂糖と妖精たちとの関わりのなかでのりこえて、成長していくという一貫したテーマがみえる。物語の構成とテーマとがかなりまとまっている。個人的には悪役の彼が、好きなので、続編でもだしてほしい。
Posted by ブクログ
コミックを読んで面白かったので
原作も読んでみた。
好き♪
あきさんのイラストも
小説の雰囲気そのまま、という感じで
相乗効果で盛り上げてくれます。
すっかりハマってしまいました☆
Posted by ブクログ
ひたむきで純粋な主人公のアンを応援したくなります。
妖精のシャルが、徐々にアンに心を開いていく様子が素敵だなぁと思いました。シャルは口は悪いけれど、根は優しくて。
胸がキュンとなるし、大切な人の幸せを想う、純粋な気持ちを思い出しました。
児童文学的な情緒も、私は好ましく感じました。あきさんのイラストも好きです。
アンとシャルの恋がどうなってゆくのか、楽しみです。
Posted by ブクログ
口は悪いけど何だかんだ言って甘いところもある気がするシャルが妙にかわいかった。ミスリルもかわいいし、妖精たちがかわいいお話だなあ。主人公もひたむきで好みです。シャルがこれからどうデレていくのか楽しみ(既に結構デレてる気がするけど)。少女小説らしい少女小説で楽しかったです。
Posted by ブクログ
前回読んだ本が期待しすぎてがっかりしたので、今回はあえて期待をしないでいました。・・・面白かったです!何か飛びぬけているものがあるわけではないのですが、物語の雰囲気やキャラクターがよく、話もシンプルで分かりやすかったです。今後二人がどうなっていくのか楽しみです♪続きを読んでみたい、と思いました。
Posted by ブクログ
題名と表紙に惹かれて読んでみた
主人公のアンがまさかの15才なのにも、作品の世界では15才で成人というからもっとビックリ
それでも子供っぽさが抜けないのはやっぱり年のせいなのかな?
設定がせめてハイティーンだったらなぁと思わず無い物ねだり
登場人物が、主にキャラと関係性が、レヴィーローズと伯妖を足して割ったようなんだけど・・・いや、むしろレヴィーローズに伯妖っぽさが少し? なにせ似てる
そして登場人物の言葉の裏と展開が読めやすいところがちょっと残念だけど、話としては気になるし、結構続いてるみたいだからこの先も面白いのだろうと期待して、次も読んでみようと思う
てか妖精の羽が人でいう心臓と言いながらむしり取られても平気というのはどういう原理なんだ?
しかも強く掴まれると苦しくなるくせに、折ったり首に巻いたりしても平気って しかも飛ぶために必要なのにすごく柔軟・・・物理的にそんなの可能なの? それとも妖精さんの不思議ですか!?
気になるとこだけど、つっこんじゃいけないポイントなのかな?
それにしても、レヴィーローズシリーズが久々に読みたくなったんだけど、どうしてくれようか 手元にもないし、そもそも全部揃ってないのに
Posted by ブクログ
新人さんの作品だからね
で全てが許されているような気がしないでもないが
今後の成長次第には違いないか
『身代わり伯爵』も『彩雲国』もそんなものだからな
Posted by ブクログ
ファンタジーが読みたくて。
思ったより軽かった。長編ってことで今後に期待。
シャルがもっと黒かったら良かったのにとか思っちゃった。なんか不器用ないいやつじゃないか。
Posted by ブクログ
絵に惹かれて買ってしまいましたが、予想以上に甘かった。
もっと殺伐としたものだと思っていたのでちょっとびっくりです。
けど、これはこれで面白かった。
物語も、柔らかい感じできれいだった。
アンの銀砂糖菓子がとてもきれいでした。
Posted by ブクログ
「この少女小説が熱い!」という帯のコピーに惹かれ購入しました。
世界観がすてき。砂糖菓子の職人(銀砂糖師)、王国、人々に使役する妖精たち……etc
主人公の少女・アンの、トラブル→へこむ→立ち直る、頑張る! というわかりやすい「成長」の描かれ方。それから、淡ーーいラブ要素。(初恋という言葉すら出てこないくらいほのかな甘酸っぱさ!)
この2点が、ラノベというより児童文学っぽさを感じさせているのかなと。
また続きが読みたいなと思えるシリーズ第1巻でした。
私も銀砂糖のお菓子を食べたい♡
Posted by ブクログ
とても好評で、以前からずっと読んでみたいと思っていた作品。
「~た」「~た」の連続ばっかりだったり、
文章が「した」「した」「した」の行動描写だけだったり、
正直文章のレベルは高くなく読みにくい部分は多々ありました。
でもアンの性格や志、根っこに流れるものがはっきりとしていて
分かりやすく、熱く、好感が持てます。
さらっと手軽に、最後まで読めました。
流れは予想通りのテンプレもので、
犯人も誰なのかすぐに分かるものですが、
「作者がかきたかったテーマ」が気持ちいいんですよね。
今後どういう風にお話が展開するのか想像がつかないので、
素直に続きが気になります。