あきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「wonder wonderful」で有名になったネット出身の作家さんの書き下ろし。商業作家さんとしての実力を堪能させて頂いた。
それにしてもこの河上朔さん(イチさん)の書かれる主人公は苦労人ばかりで(うぷぷぷ)読んでいて楽しくて切なくなるのは同病相憐れむという奴でしょうか。
ヨーロッパの中世を思わせるどことも知れない王国の王立騎士団の入団試験を受け損ね続けているヒロイン、カンナ。彼女がうっかり拾ってしまった行き倒れ少年、シンク。この二人をめぐる物語で、祈りの物語でもある。
「神様、私のこと嫌いですか」と言いたくなる時はだれにでもあるもので。この本を読んだからといって自分の何かが解決するわけではないけど。
読んで幸せになる物語だった。
シリーズ化……しますよね? -
Posted by ブクログ
“「にやにやするな。おかしな顔が、さらにおかしい」
塩漬けにした魚のスープを目の前に、シャルがずけっと言う。
「え?にやにやしてた?」
「頭の軽さが、露呈する程度にな」
ひどいコメントに、ミスリルは軽くシャルを睨む。そして、
「シャル・フェン・シャル。いつも注意してるだろう。本当のことを言うもんじゃないぞ」
こちらもけっこうひどいコメントをする。
「だって、嬉しかったから、つい……ごめん。不気味だった?」
「なにがそんなに嬉しいんだ?」
ミスリルはスープのうえに手をかざしながら訊ねた。
「キースが、わたしの砂糖菓子を見て、ほめてくれたの。あんな腕のいい人にほめてもらえたら、本当に嬉しい」
するとシャルは、むっとしたような顔をした。”
今回も、内容がぎゅっと詰まってて一息に読んでしまった。
キースは特に悪巧みをなんかはしていない、普通にアンと砂糖菓子の腕を競いたかっただけなんだなー。
最初は、色々と何を企んでいるのかと想像を巡らしてしまったけど。
アンの立場の弱さがしっかりと描かれてる。もし書いてなきゃ、多分気付かなかった。
銀砂糖師の称号を得ることができたアン。だけど、そんな喜びもよそに、シャルの羽がブリジットの手に。
喜んでる暇もない。
続きがすごく気になる。きっとアンは彼を助けるだろうから、その手段とか。
“胸の前で両手でしっかりと王家勲章をにぎりしめながら、動けなかった。
その目の前に、手が差し出された。
「いけないなあ、女の子がこんなとこに座り込んだら。ドレス汚れちゃうよ?」
エリオット・コリンズだった。愛嬌のある垂れ目で、見おろしてくる。
「知らないというのは、哀れだねぇ。俺は女の子の味方だからね、教えてあげよう」
「コリンズ、さん?」
「あの妖精は、君の銀砂糖のありかを聞き出すために、ブリジットに羽を渡したんだよ」
――羽を……?銀砂糖のために……?
衝撃でうまく頭が働かないアンに、さらに追い打ちをかけるように彼は続けた。
「君のために、彼は自由を売った」
そこでエリオットは、すこし意地悪そうな笑みを浮かべた。
「さあ。君、どうするかなあ?アン」” -
Posted by ブクログ
穏やかな時間が訪れたシリーズ第18巻。
19世紀ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に、淑女の心をうつしだし輝かせる「恋のドレス」の仕立人クリスと公爵家長男シャーロックの身分違いの恋を縦軸に、人の心の暗闇を暴きだす「闇のドレス」の暗躍を横軸に描かれる物語もいよいよ佳境に近づいてきた模様。前巻で「闇のドレス」= 母親 と決着をつけたクリスは、身分の違いを超えて惹かれあうシャーロックと『今この瞬間』ではなく『一緒にいる未来』に目を向け始めました。
二人だけの時間を過ごすシャーロックとクリスがとても素敵に描かれています。クリスは恋人に対してまた少し心を開き、シャーロックは包容力に気づき始めた…そんな感じかな。読んでいてとてもとても「恋」したくなりました♪
久しぶりのキスの寸前に起こるちょっとした事件。拗ねるクリスも慌てるシャーロックも、もう可愛くって(笑)
そんなやり取りすらひたすら「甘い」これぞコバルト!な醍醐味です(笑)
そんな二人は次巻でシャーロックの実家に乗り込みます。アルフとの約束を反故にしたクリスの決意を受けて、果たしてどうなるのか…次巻が待ち遠しいです! -
Posted by ブクログ
前回からそれほど経っていない時期。
一体どうやって生活をしているのかが分かる巻(笑)
思った通り苦労してるけど楽しそうだな…と思いきや
まだ出てくるのか、という吾人登場。
もしかしなくても、毎度出てくる予定なんでしょうか…?w
大切なものを失って、支えがなくてどうしていいのか分からない。
それをどうにかしたい、と思い、それを実行できる何かがあるなら
自分のすべてを使って支えを作る。
仕事に対する姿勢も考えもすごい、と敬服しますが
そこは逃げた方がいいのでは…と、とりあえず思います。
けれどここで逃げたら、彼女が彼女たる事はないのでしょう。
仕上げようとした時、作り上げると決めた時。
そしてその時間を確保しようと彼が動いた時。
間に合うのか間に合わないのか、ちょっとした緊張の後の
ほっとした瞬間。
良かった、と思わず呟いてしまいました。
ラストの女将さんの宿屋に出てくる、先輩らしき人。
彼は一体どういう地位にいるのでしょうか?
またちょっと気になる所です。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに漫画をジャケ買い。
名前も全然知らない作家さんで、ふだん読まないレーベルなのでものすっごい不安ではあったんだけど、表紙にものすごい惹かれてしまったのと、オリンポス→十二神→ギリシア神話、といえば私の10歳前後までのいちばんの愛読書。という勢いで買ってみました。
意外と大ヒット。
神話は単なるモチーフでかけらも残っていなくて、でもそれが逆に新鮮でした。アポロンがこうなっちゃうのかー(表紙)みたいな。ストーリーも魅せ方もすごく好みで、得した気分でしあわせ(*´▽`)
オリンポスは全然出てこないんだけど、今後出てくるのかな、どうなんだろう。ゼウス、ポセイドン、ハデスといった男神しか出てきてないので、ヘラとかペルセフォネーとかがつい気になってしまう。ハデスが出るならヘルメスも見たい、とか思ってしまうあたりが固定観念に縛られてるなあと反省したり。
次巻が楽しみな一冊。 -
Posted by ブクログ
恋、夢、前向き、キラキラ。
強い意志を持って頑張るヒロインは理想。
ただのお姫様より、とても好きです。
頑張ってる様子には勇気づけられるし。
なんとしてもお菓子を完成させるんだ!という意気込みは、とっても応援したくなります。
ヒーローの男の子が、ヒューに言われて一度はヒロインのもとから去ろうとしたその葛藤もよかった。ミスリルの健気な活躍も。
キャラが立ってるんだよなー。
妖精と人との間の確執や葛藤もよんでて面白いです。仲良くしたいけどそうもできなかったりする、世の中のことを描いているようで。
第三弾の発行も決まってるみたいですが、とてもとても楽しみです。