あきのレビュー一覧
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“「にやにやするな。おかしな顔が、さらにおかしい」
塩漬けにした魚のスープを目の前に、シャルがずけっと言う。
「え?にやにやしてた?」
「頭の軽さが、露呈する程度にな」
ひどいコメントに、ミスリルは軽くシャルを睨む。そして、
「シャル・フェン・シャル。いつも注意してるだろう。本当のことを言うもんじゃないぞ」
こちらもけっこうひどいコメントをする。
「だって、嬉しかったから、つい……ごめん。不気味だった?」
「なにがそんなに嬉しいんだ?」
ミスリルはスープのうえに手をかざしながら訊ねた。
「キースが、わたしの砂糖菓子を見て、ほめてくれたの。あんな腕のいい人にほめてもらえたら、本当に嬉しい」
する -
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穏やかな時間が訪れたシリーズ第18巻。
19世紀ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に、淑女の心をうつしだし輝かせる「恋のドレス」の仕立人クリスと公爵家長男シャーロックの身分違いの恋を縦軸に、人の心の暗闇を暴きだす「闇のドレス」の暗躍を横軸に描かれる物語もいよいよ佳境に近づいてきた模様。前巻で「闇のドレス」= 母親 と決着をつけたクリスは、身分の違いを超えて惹かれあうシャーロックと『今この瞬間』ではなく『一緒にいる未来』に目を向け始めました。
二人だけの時間を過ごすシャーロックとクリスがとても素敵に描かれています。クリスは恋人に対してまた少し心を開き、シャーロックは包容力に気づき始めた…そんな感じか -
Posted by ブクログ
前回からそれほど経っていない時期。
一体どうやって生活をしているのかが分かる巻(笑)
思った通り苦労してるけど楽しそうだな…と思いきや
まだ出てくるのか、という吾人登場。
もしかしなくても、毎度出てくる予定なんでしょうか…?w
大切なものを失って、支えがなくてどうしていいのか分からない。
それをどうにかしたい、と思い、それを実行できる何かがあるなら
自分のすべてを使って支えを作る。
仕事に対する姿勢も考えもすごい、と敬服しますが
そこは逃げた方がいいのでは…と、とりあえず思います。
けれどここで逃げたら、彼女が彼女たる事はないのでしょう。
仕上げようとした時、作り上げると決めた時。
そして -
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久しぶりに漫画をジャケ買い。
名前も全然知らない作家さんで、ふだん読まないレーベルなのでものすっごい不安ではあったんだけど、表紙にものすごい惹かれてしまったのと、オリンポス→十二神→ギリシア神話、といえば私の10歳前後までのいちばんの愛読書。という勢いで買ってみました。
意外と大ヒット。
神話は単なるモチーフでかけらも残っていなくて、でもそれが逆に新鮮でした。アポロンがこうなっちゃうのかー(表紙)みたいな。ストーリーも魅せ方もすごく好みで、得した気分でしあわせ(*´▽`)
オリンポスは全然出てこないんだけど、今後出てくるのかな、どうなんだろう。ゼウス、ポセイドン、ハデスといった男神しか出てきて -
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恋、夢、前向き、キラキラ。
強い意志を持って頑張るヒロインは理想。
ただのお姫様より、とても好きです。
頑張ってる様子には勇気づけられるし。
なんとしてもお菓子を完成させるんだ!という意気込みは、とっても応援したくなります。
ヒーローの男の子が、ヒューに言われて一度はヒロインのもとから去ろうとしたその葛藤もよかった。ミスリルの健気な活躍も。
キャラが立ってるんだよなー。
妖精と人との間の確執や葛藤もよんでて面白いです。仲良くしたいけどそうもできなかったりする、世の中のことを描いているようで。
第三弾の発行も決まってるみたいですが、とてもとても楽しみです。 -
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2010.4.24再読
見どころはなんといっても、ぼろ宿でシャーリーとクリス二人っきりのシーンなんでしょうけど。
一番はラリーですね。空気を読まない男ラリー、最強です。今回クリス以上にシャーリーを翻弄し、苛立たせ、しまいには命令までしてしまうのですから。
いいぞもっとやれ!
相変わらずもたもた気味のクリス達ににやけつつも、ラリー側の恋も読みごたえがありました。いつもヴィクロテは一筋縄ではいかないストーリーが隠されていて、そこがいいですね。
ラリー側のストーリーは是非つづきを書いて欲しい。今後あの妹がどうなるのか、救われないままだと苦しいなと思った。
そしてアイドルシャーリー。
いつもなん -
Posted by ブクログ
このシリーズは今20冊近く出てますが、途中で切らず読み続けてる、数少ないライトノベルの1つです。
とにかく絵が好みで手に取ったのですが、中身も面白かった!労働階級のクリスと、貴族の跡取り息子であるシャーロックの恋という王道もの?ですが、恋だけでなく仕立てる御嬢さんたちの複雑な状況や心境とか、ドレスに絡んでくる危険とか、読んでいて飽きません。
クリスとシャーロックだけでなく、登場してくる様々な人物それぞれの心情が細かく書かれているので、誰に対しても結構感情移入できるところがあります。クリスの臆病な性格も、シャーロックのもどかしい思いもリアル。
お互いの仕事とか、危険な出来事の間にも少しずつ育っ