前作『ジゼル』の世界観をそのまま引き継いだ第二章。
今回は『眠れる森の美女』がテーマ。
世界3大バレエで行くと、次回作は『くるみ割り人形』だな。
前作からのストーリーテラー(如月花音)の俯瞰的視点から見る探偵役は没入しやすく、読者参加型ともいっていいように思う。ミスリードにうまいこと誘導されている
...続きを読むので感情に同調しやすくてとても読みやすい。
ミルフィーユのように重なり合って生まれた繊細なミステリーは、おさまるべきところに綺麗におさまったように感じるエンディングにて大満足の結末。
前作『ジゼル』で感じた気味の悪さは軽減されていたがハッピーエンドを求める気持ちは今作の方が強かったように思う。
それはきっと今回準主役の立ち回りとなった石森達弘というキャラクター性によるものである。
他にも魅力的な新規キャラクターが多く登場したので、是非続編にも出てほしいですね!
秋吉さんの描く女性像は『暗黒女子』からずっとリアル。
(うわぁ〜。いるいる、こうゆう女。)と思いながらもページをめくる手が止まらないくらい、秋吉ワールドに引き込まれます。
ブラックユーモア、少しのホラーと繊細なミステリー。
そして納得の結末は、映画化されてもおかしくない一本!