秋吉理香子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めましての作家さん
初めての作家さんなのに、読みやすかった。
ジゼルという演目しか知らない人でも大丈夫なように、
各章の初めに短いあらすじを記載。
役割を演じるにあたってのディスカッションで、
演者の解釈を掘り下げ、舞台の流れを演者全体が共有する。
華やかさだけでなく、プロ意識と厳しさも描かれている。
更に事故?による配役変更で、あらすじをなぞるような展開。
深まる疑惑とバレエダンサーとしての熾烈な競争と嫉妬から
疑心暗鬼に囚われた団員たちの心の中のドロドロ。
進む物語と事件の真相。うまくまとまってたと思います。
久しぶりにバレエの色んなシーンを思い出しました。 -
Posted by ブクログ
秋吉理香子『終活中毒』実業之日本社文庫。
終活をテーマにした短編4編を収録。
終活の基本は不要な持ち物を兎に角処分することと分散している資産をまとめて、死後のことや資産のことを遺族に託すことだろう。最低でも借金を残してはいけない。
それでなくとも人が亡くなれば、葬儀や役所への届出、年金の停止や遺族年金の手続、インフラ関連の名義変更、遺産や不動産相続の手続と遺族が行なうことが多数あり、時間もお金も非常に掛かるのだ。政府肝入りのマイナンバーカードなど殆ど役に立たない。
自分も還暦を迎え、いつ死んでも恥ずかしくないように身の周りを整えておきたいと思っている。1年前に1万5千冊の蔵書を処分した。以来、半年に一度、読み終えた本は売却している。
さて本作。様々な終活が描かれる。イヤミスあり、感動あり、感涙あり。人生とは複雑で自分の思い通りにはならないが、最期の時は恥ずかしくないように整えておきたい。
『SDGsな終活』。世の中には金のためなら何でもやるという奴らが居る。玉の輿や逆玉など結婚で一攫千金を狙う奴らも居る。そんな世相を反映したイヤミス短編。
資産目当てで余命僅かな女性と結婚し、手を汚さずに遺産と保険金を受け取ることを繰り返していた医療関係者の30代の男性。男性が次に狙ったのは40代で資産3億円以上の女性だった。男性は難無く女性と結婚したのだが、女性は余命をSDGs活動につぎ込み、さらには治療が思いの外順調でなかなか死なず、男性は1日も早く死んで欲しいと願う。
『最後の終活』。人間は都合の良いことだけ覚えていて、都合の悪いことは忘れたり、過去の記憶を歪めて美化したりする変な生き物である。
交通事故で亡くした妻の三回忌が近付いたある日、家を出て疎遠になっていた息子が突然帰って来る。息子は老いた父親を手伝い、三回忌のために家のリフォームや終活のための不要品の処分の手配をする。
『小説家の終活』。なかなか面白いストーリー。小説家の終活と言うよりも、小説家同士の闘いと盗作を巡るストーリーだった。
直木賞を受賞し、一躍人気作家となった女性作家が亡くなる。かつて先輩後輩の関係にあり、一緒に取材旅行に行ったことで人気作家の座を奪われた主人公の先輩女性作家は煮え切らない気持ちだった。
『お笑いの死神』。お笑い芸人の多くはバイトが主な収入で、お笑いだけで生活出来るのはごく一握りらしい。解らないのは芸人が売れてくるとMCや司会をやったり、バラエティー番組で旅行しながら料理を食べたりとお笑いとは異なる分野に走ることだ。
売れない芸人には地方に移住して地方局の専属タレントになったり、東日本大震災の被災地に擦り寄って、被災地を応援しているフリをする芸人も居る。応援しているフリと書いたのは、その芸人が素人と絡む時、上から目線で上から発言を行なうからだ。
売れ過ぎて天狗になり、不同意性交とか闇営業で嘘をついたりする芸人よりもマシなのだが。
芸人仲間の女性と結婚し、娘も産まれ、これからという時に、芸歴13年で鳴かず飛ばずのお笑い芸人が癌で余命宣告を受ける。芸人はこれが自分の終活だとばかり、ピン芸人日本一を決める大会に出場する。治療を受けながら、病院から車椅子で舞台に向かう芸人。ついに決勝へとコマを進めるが。
本体価格780円
★★★★