嶽本野ばらのレビュー一覧
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「ミシン」続編。パンクバンドのギタリストが、突然の交通事故で亡くなる。ボーカルの美心は、彼の父親の愛人の娘、異母兄妹だった。二人は、同居して疑似家族のようだった。兄の死を受け入れられない美心は、ライブの最後にギターで撲殺して欲しいと頼むが、結局死にきれず、再びバンド活動。
続編は、パンクバンドのライブが中心になっている。ライブ経験はないけど、たぶん臨場感があるのだと思う。熱狂的なライブの最中に、デビュー当時からのファンが病死して、再び、責任を感じたバンドは行き先を見失っていく。
復活ライブで、美心は兄の歌と共に精神的にも復活していく。
社会や時代や大人に反抗し続ける少女のカッコいい生き様。 -
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明治に誕生し、大正から昭和初期、古屋信子さんを中心とした少女小説系の雑誌が人気を博していたそうです。第二次世界大戦で、出版界から姿を消していましたが、戦後、荒廃した日本の少女達の為、少女は少女らしくロマンチックにと、ジュニアそれいゆが創刊されます。残念ながら、さすがにその世代ではなく、この後、その流れの「小説ジュニア」を愛読していました。(早熟系小学生だったわ。)
その少女文化の継承者として、乙女のカリスマと言われているらしい野ばらさん。初読です。
文章が、ちょっと懐かしいお嬢様風。悪くない。
「世界の終わりという名の雑貨店」ではvivienneWestwoodの洋服を着た、顔に痣を持つ少女との言葉さえ要らない純愛を破滅的に。
「ミシン」では
MILKの洋服を愛するパンクバンドのボーカル少女と ファン以上の感情を持つ少女との依存的関係性を。これがエスなのかな?
少女達が、自分の着たい洋服を着て、自信を持ったり、元気になるのはすごく良い。
ご自身も洋服にこだわりがあり、ロリータファッションを牽引されているとか。
続けて続編いきます。 -
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ネタバレ“続・世界の終わりという名の雑貨店“ということで、『ミシン』に収録されていた『世界の終わりの雑貨店』の続編として書かれている。
「君」が亡くなり残された主人公は茫然自失の日々を過ごしていたが、ふと「君」に充てた手紙を書こうと思い立つ。その手紙を思いつきで出版社に送ったところ、ある一人の敏腕女性編集者の目に留まり、単行本として異例の新人小説家デビューをすることになる。ひとり残された世界で目的もなく暮らしていた主人公にとっては、社会と繋がる、まさに希望の手が差し伸べられた出来事であったと思う。
順調に思えた生活はある一人の少女との出逢いで一変する。とある教会のバザーで、「あなたと私は魂の双子なの」という、「君」を彷彿とさせる少女と出逢ってしまう。主人公は流れでその少女の家まで送っていくことになり、少女の神懸かり的な儀式を目撃する。普通であれば、誰かに相談したり病院に連れていくなどすると思うのだが、主人公はなぜかそういう行動を取らない。彼女と共に過ごす時間が増えていくことで、主人公の心と体は疲弊していく。
女性編集者はそうした主人公の変化を敏感に感じ取り、大切で守るべき存在をもう2度と失いたくないとの想いで主人公と彼女を離れさせようとするが、最終的に元鞘に収まる形となって、物語は終焉する。
主人公の「魂の双子」として現れた少女。「君」を救えなかった主人公の心に残る原罪のような呪い。最後のままであれば、きっと少女も主人公も、肉体も精神も疲弊し衰弱し、死にゆくだろう。果たしてそれで嶽本野ばらの描きたかった“純愛”は完結するのだろうか。救えぬと分かっていても誰かを一途に愛し貫き通す美しさを描きたかったのか。それを美しさと呼んでいいのか。
だが、物語はこれで終わりではないだろう。先の女性編集者にも覚悟があった。共通するのは、守るべき存在のそばに居続けることの尊さではないだろうか。どんな結末を迎えようと、そういう「ツインズ」に出会えたのであれば、主人公は幸せだったと言うべきだろう。いや、ツインズなのだとしたら、それは禁断の愛。決して堕ちてはいけない愛。
周りは絶対に止めるだろうが、最終的には本人の意思。あなたは、命を賭してまで守りたい愛すべき存在に出逢えていますか?そう最後に問われている気がした。
ただ、主人公の関係者ならば、何が何でも彼を止める。それも愛だ。 -
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友達からプレゼントされた。人から本をプレゼントされるのは2回目で、1回目は遠い昔のことだ。
自分から手に取るようなことはないであろう本を読む。うれしいできごとだ。
特にこの本は京都の古い喫茶店が出てくるのでプレゼントしてくれたのかなと思うが、一緒にいたもう1人の子にも同じ本をプレゼントしてたからなぁ…
もうなくなってしまった「みゅーず」。しみじみと思い出した。小説読みながら、遠い昔に戻った気がした。その中に「築地」「ソワレ」が出て来たのもうれしかった。次の小説の舞台の「フランソア」と私の中でもセットになっている。
「フランソア」は最近(といっても5年以上前かも)行ったけど、「築地」も「ソワレ」も全然行ってないので、つぶれてないか心配になって、今調べてみたら、現役だった。
「若王子」は行きたいと思っていたが行ったことはなかった。今調べたらやはり閉店していた。
「クンパルシータ」は知らなかったが、この店も閉店したようだ。
ついでに「夜の窓」も調べてみたら閉店してた。
ここまで来たら東京の店も調べよう!
「宵待草」はオーナーが変わったそうだ。
「クラシック」は閉店したが、あとのお店は今でもやっている!行きたい。
鎌倉、小樽もつぶれてない。
小説よりも喫茶店に惹かれてしまった。でも、この小説はそれで成功なんだと思う。読者にそこに行きたい、と思わせる力が小説にあったのだから。
私を遠い昔に連れて行ってくれて、それだけではなく不思議なことに、恋愛からものすごく遠くにいるはずなのに、なんだかすぐ近くにあるかのような錯覚を起こさせてくれて…
友よ、ありがとう。
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実話なのかな?リアリティのある借金地獄描写と野ばらさんらしいギャグとで不思議なかんじ。
税金を払うためにいくつもカードを作りそれが払えず電気が止まったと思ったら、巫女姿の魔法使いがでてきたり。
本の収入を前倒しにしてもらえないかと超現実っぽい交渉していたかと思えば最後はやっぱりぶっとび展開。
借金してるのにまったく貧乏くさく感じないこの高貴さは野ばらさんらしい!笑
そういえば「世界の終わりという名の雑貨屋」でも服を買うのをやめるつもりはない、お金がなくなったら借金してでも買うって言い切っていて、なんかもうダメすぎて一周回ってカッコいい。笑
最後ちょっとぶっとびすぎててなんのこっちゃとなりましたが、クスッと笑えて楽しめました。