感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2011年02月25日
様式美のエンターテイメントと感じた。
短編集です。
語り口は美しいけど、獄本野ばらさんはフィクションらしい都合の良い美しさに収まってないところが好きだ。
「Religion」のセックス目的の男たちとか、ボーナストラックの「Notsubo」もそうだけど。美しい幻想だけではなりたたない世界というの...続きを読むをしっかり描いているし、美しさが生み出すグロテスクが輝いている。
Posted by ブクログ 2014年04月29日
久しぶりの野ばらちゃん。
短篇それぞれに何かしらの偏愛アイテムが潜んでいる。
ゴシック、ロリータ要素は薄め。耽美なお話は多い。
表題作である『Sleeping Pill』は睡眠導入剤に魅入られた主人公が、オリジナルでブレンドした薬で毎夜眠りにつく。
敬体と常体が入り乱れる文章はルールから反している...続きを読むけれど、夢のように曖昧で揺れ動く物語の空気にマッチしていた。
短い中で物語も巧みである。
『Somnolency』
眠り病の薬を研究する異端の医者の元に女が訪ねてくる。
『Double Dare』
ゴシックロリータ好きの主人公が登場するホラーテイストミステリ。
お洋服が取り上げられるのはこの話だけ。
『Pierce』
両耳に40個のピアスをあけている女の子が運命の相手と出会う話。
読んでいて痛い。
『Pearl Parable』
この辺りから耽美色が濃くなる。
クレオパトラが真珠に溶かした酒を飲んだというエピソードを下敷きにした掌編。
『Religion』
悪魔崇拝をテーマにした常識を超越した愛を描いた話である。綺麗にまとめたらそうだがかなりエログロ。
そう感じる読者を投影する人物を最後に持ってきたのが毒が効いていていい。
ただエログロ。
『Chocolate Catana』
娘に向精神薬を混ぜたチョコレートを食べさせ続ける変態的な父親の話。
読者が主人公の変態ぶりを哲学に昇華できるかが鍵。
『Notsubo』
野ばらちゃんにしては珍しいタイプの話。
ロリータでも耽美でもない。軽いテイストのホラー。
Posted by ブクログ 2011年03月13日
わたしも睡眠導入剤を使用しているため、眠りに導く薬を女になぞらえた描写はまさにその通りと思った。
Pierceが一番面白く、かつ嶽本野ばら的だろう。ピアス穴を彼に開ける時の描写が官能的ですばらしい。
Posted by ブクログ 2021年12月11日
再読。表題作の「Sleeping Pill」がとても好きです。不穏な雰囲気がありながら、潔癖なまでに美に貫かれた世界観は野ばらさんならでは。真珠をテーマにした「Pearl Parable」も着想がユニークで面白いです。「Chocolate Cantata」は狂気が入り交じる禁断の近親愛。読んでいると...続きを読むチョコレートの成分に戦きつつも、食べたくなります。どのお話も楽しく読みました。やっぱり野ばらさん、好きです。
Posted by ブクログ 2013年11月04日
短編が八篇。表題のスリーピングピルは睡眠薬の名が出て心が躍った。出てきた薬は全て知っているが、あんなふうにあだ名をつけたことはないので新鮮だった。その他に心に残っているのは真珠を作るメイドの話。クレオパトラとカエサルの勝負の話は興味をひかれた。
いつものファッションの描写がないのが寂しかったので☆三...続きを読むつ。
Posted by ブクログ 2013年08月14日
短編小説だと倒錯、陶酔の仕様がないのでいいかもしれないと思いながら読みました。逆にあっさり、ふーんで終わってしまうので、野ばらちゃん!と、言いたい時には向かないかも。
notsuboが普通にジャパニーズホラーな感じで、あれあれ?お洋服や文化への薀蓄は??と、なりましたが、そういうニュージャンルも、悪...続きを読むくないよ(偉そうですみません)
Posted by ブクログ 2011年10月02日
帯には『偏愛』と書いてありましたが
『狂愛』であると思いました。
怖い残酷なおとぎ話のよう。
こんなに誰かを想って狂うなんてことがあるのかしら私にも。
ピアスをあける快感だけは
わかる気がしました。
Posted by ブクログ 2020年06月18日
睡眠導入剤、alice auaa、ピアス、チョコレート…様々な偏愛を描いた短編集でした。好きです。
「Sleeping Pill」「Religion」「Chooses Cantata」が特に好きでした。睡眠導入剤も、チョコレートも、わたしも依存してるかもなぁ。。でもこんなに、チョコレートが麻薬だとは...続きを読む知りませんでした。ますます、食べたい。