吉田三知世のレビュー一覧
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筆者が物理学の現状に疑義を感じ、いろんな人にインタビューしながら科学とはなんぞやと考えていく話。
「本書は、美意識に頼った判断がいかに現代の物理学の研究を推し進めているかという物語だ」と序文にある通り、いろいろな人が理論の優劣を考えるとき美しいかどうかを気にしてて、けして客観的でない”美”意識に客観的であれと考えている科学者の多くが惹かれている様が、時々挟まるとても皮肉が利いた文章で紹介されててとても面白い。基本的には実験の結果検証をすることで理論を洗練させてきたのだけれど、近年は実験するにも金も手間も時間もかかるモノばかりになり新たに生まれた理論全てを検証することなど実質的に不可能な状況なので事前に選別する何らかの手段が必要だって話もあり、かつてはそれがうまく機能してたが今はそうでもない話がありと、科学の現状と将来について期待と不安を感じる内容だった。
個人的にはところどころ「経済学批判かな?」と思える話を見かけて物理学も最先端の(検証が難しい)話になると同じようなことになってるのだなと思ったりしたのだけれど、後半に剛速球の経済学批判が入ってて大爆笑してたw -
Posted by ブクログ
ネタバレ有史以来どころか先史、言語の発生前からの文明の歴史について網羅的に学べる本。体感としてはゲーム「civilization」内にある「civilopedia」に近いかもしれないが、本著ではより現代からの後方視的な視点からちょくちょく「fallout」チックな皮肉が織り交ぜられていて大変好みであった。
が、本著の本題は科学技術そのものにあるわけではないと思う。歴史の中で人間が無駄なことばかりして過ごしており、無駄の山から這いずりつつ進歩してきたのかに主題があるように感じる。
冒頭の「簡単に持てたはずなのに、この技術なしに人類が過ごした歳月」がそれを端的に示している。簡単な発想による発明でも如何に困難なものか、その概念をすでにあったものとして享受できることがどれだけ世の中を豊かにしてきたのか実感できる。単純な思いつきを実行し形にして保存する実験的態度はまさしく近代になるまで欠片もなかったのだ。
そして、知的財産権がどれだけ人類史にとって革命的であったことか。現代文明の基礎たるコンクリートを1000年以上忘れ、延々と石を積むことほど愚かなこともないと思う。しかし、実際にそれをやったのが人類であった。現に科学的態度と知的財産権の組み合わさった近代で、ようやく人類は進歩の歩き方を身につけることができた。
人類の進歩の歴史は決して輝かしいものではなく、しょっちゅうつまづき、引き返し、無駄なことばかりしてきたが、近年ようやく科学的態度で進歩ぶることができた。今の生活、風習ひいては思考形式ですら長い積み重ねの賜物であり、全ての人間が巨人の肩に乗っている。
その雄大で無為にすぎる時間の流れに思いを馳せせるだけで、無駄と非効率、怠惰と停滞にあふれた現代もしっかりと未来に繋がるのだろうという後ろ向きな安心感が得られる。歴史上の全ての人間よりも、自分達が少しはマシになっていると自信を持てる。人類史だってダメダメだったのだ。世の中そう大したものではないが、少しづつなら進歩していけるのだろう。
追記
本著では科学技術のみにフォーカスしているため、政治形態や法律、経済の概念についての記載がない。「人に迷惑かけない限り好きにしててよい権利」を発明したのがたった300年とちょっと前であることや、信用創造で皆が「自分は金持ちだ」と満足できるようになったことなどが記されておらず、そこは少し不満である。それ以上に「ピカピカ光ってかっこいいが一切役に立たないもの」を交換、貯蔵、価値尺度として利用する(あるいはされる)通貨の概念にも触りくらいは触れて欲しかった。もしくは、そこに触れた続編が出ることに期待したい。 -
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ネタバレいわゆるサイエンス雑学の本。
タイムマシーンが汎用になっており、そのタイムマシーンにのった人が、大昔に取り残され、ゼロから文明を構築するにはどうしたらよいかを解説しているガイドブックが本書である、という設定。
文明を築くためのノウハウというか、発展に寄与してきた技術を独断的はあるものの体系としてまとめているので、うんちく好きな人や雑学好きなの人には面白く読めると思います。
文明を作ると謳っているだけあって、技術的な側面以外の基礎的な化学、生物学、医学その他もろもろが詰め込み過ぎ、長いなーとも感じました。
ホワット・イフ?(ランドール・マンロー著)の系統が好きな人には楽しめると思います。 -
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化合物の作成の仕方だけでなく、アボカドやピンクグレープフルーツの誕生の経緯や、リャマの排卵の仕組みなど、多くの知識を得られ、とても面白かった。
ある発明に必要な要素は揃っているのに、発明まで長い時間がかかっているものがある。著者は「恥ずかしい」と書いているが、実際はなかなか難しいし、現在でもそういうことがあるのだろうと思う。チャンスは転がっている。
発明・発見は何度も失われて再発見されるものがあり、記録とその伝承はとても大切であることを再認識した。失われたらしばらく恩恵も失われる。
中国は多くのことを早い段階で発明している。そして他者にしられないよう厳重に情報を管理していた。昔から情報の重要性を理解しており、現代でも受け継がれていて、ゆえに他者の情報を国家レベルで盗みにいくのだと感じた。
本書は図での説明が乏しく、どう動くものなのか把握が難しいものが結構ある。自分がタイムトラベルしたとしても、どれも発明するのは難しいというのが正直なところ。
『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』を楽しくした版、という印象。気楽に読める。 -
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学生の頃に、この本と出会いたかった!この本は未来の科学者を生み出してくれるだろう。
子供の頃、誰もが一度は、親が答えづらい質問をするだろう。私も小さい頃に、「地球上の生き物が一斉にジャンプしたらどうなるんだろう」と真剣に悩んだことがある。
子供の疑問には、夢と未来が詰まっていると思う。「なんで?なんで?」とキラキラした子供たちの未来を潰してしまっているのは、大人たちの心ない一言だろう。
<<それ、考える意味ある?>>
大人が発してしまうかもしれないこの言葉は、子供達の未来と夢、そして人類の科学の発展を潰してしまっているのかもしれないと思った。
この本には素晴らしい疑問が、夢いっぱいに詰まっている。
キラキラした夢と未来を抱えた子供達に、この本と出会って欲しい。そして、疑問を持つことの大切さを捨てないで大きくなって欲しい。 -
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「生物の体に記された宇宙全史」との副題が付けられているが、正に読み終わるとそれを実感する。ビッグバンから始まり、まず水素が、そしてヘリウムが生まれ、物質・反物質の不均衡から物質が生じ、超新星の爆発から周期律表の鉄以降の元素が出来て、それが幾多の銀河を形成して、我々の身体ですらそれら超新星爆発由来であるという、まことわかりやすい説明で、正に蒙を啓いたというのが実感である。その後は地球に話は集中するが、太陽系内の絶妙な位置関係、46億年前からの水、炭素の働きよる氷河期の繰り返し、大陸移動説の検証、などなど興味が尽きない。合間には関係する科学者のエピソードが散りばめられていて、単なる科学書の様な固さはない。読み終わって意外に思ったのは、科学界における女性の果たした役割の大きさである。この本はそのことを明らかにしてくれている。
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現実にはあり得ない状況を仮定し極めて科学的に考察する。知的好奇心を刺激する科学読み物。
「光速の90%の早さでなげられた野球のボールを打とうとしたら、どんなことが起こりますか?」
「地球にいる人間全員が一斉にレーザーポインターを月に向けたら、月の色は変わるでしょうか?」
「ステーキを高いところから落として、ちじょうに到達したときにちょうど食べごろにやけているようにするには、どれぐらいの高さから落としたらいいですか?」
「地球で普通に飛んでいる飛行機を、太陽系の他の天体の上空で飛ばそうとしたらどうなりますか?」
これらのようなトンデモ質問に質問にたっぷりのユーモアと科学知識で回答する笑える科学の質問箱。
中学生の子供にと思って買ったが難しかったよう。 -
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・西洋が世界の勝利者になったのは、西洋の思想、価値観、宗教が優れていたからではなく、
むしろ組織的な暴力をふるうことに優れていたからである。
・我が国の歴史の中で日本人ほど忌み嫌われた敵はいないだろう(ピュリッツァー賞受賞歴史学者アラン・ネヴィンス)
・原爆被爆者、峠三吉の詩「八月六日」 ”あの閃光が忘れえようか”
・原子爆弾の投下に「これは史上最大の出来事だ!」と喝采を叫んだトルーマンに対してある民主党党員が大統領宛に打った電報
「無辜(むこ)の人を死に至らしめる兵器に歓喜するなど、かりそめにもアメリカ合衆国の大統領たるもののなすべきことではない。
喜んだ理由が破壊ではなく、破壊に終止符を打ったことにあると明確にしていただきたい。」
・アイゼンハワー
私は2つの理由で原爆使用は反対だと言った。
第一に、日本は降伏する用意ができており、あのような恐ろしい兵器を使用する必要はなかった。
第二に、私は自国があのような兵器を用いる最初の国になるのを見たくはなかった。