作品一覧 2021/11/05更新 あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史 試し読み フォロー 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> ニール・シュービンの作品をすべて見る
ユーザーレビュー あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史 ニール・シュービン / 吉田三知世 宇宙が始まり、いま私の体が存在するまでのストーリーと、それを解明してきた歴史。 すべてはもともとひとつであったこと、過去と現在のひとつひとつの結び付きが明快にわかりやすく書かれています。 科学の知識がない私でも、子供の頃に読んだ冒険ファンタジーを読む感覚で楽しく頭に入りました。 Posted by ブクログ あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史 ニール・シュービン / 吉田三知世 バラバラだった西洋科学がつながりはじめた 相対性理論から素粒子の時代になって ニューエイジと言われる総合的な視野による 学問の扉が開いた それは東洋的で一成る特化した答から離れ 対立と無関心の心の垣根を外して 調和へ向かう共生的な解放の時代を模索し始めた 古生物学者であるこの著者もそんな一人のよう...続きを読むだ 「人の中の宇宙・宇宙の中の人」という無限観とか 宇宙観という視野の広い俯瞰した世界を紹介している 美学に哲学から倫理学に宗教も含めた選択肢の中で 物理も化学も生物学も全てを網羅した全体と それを支えているあらゆる部分が入れ子になった 夢幻的な関係から人間とはどこから来て 何をしようとしているのかを理論的に紐解こうとしている ここで物質という摩擦界における形ある部分的存在と 形のない意識という全体的存在が相対する相互作用を イメージしながら感情に溺れず客観的に理解と思いを 深めていかなければならない 科学者とは思えない文章の上手さも在って 特に出だしからの前半が面白い それでも人間社会で長く続いてきた農耕による余剰生産物によって 始まった依存社会の行き止まりとなるだろう資本金融主義で 洗脳された弱肉強食論や権利意識や競争原理が染み込んでいる なごりから抜け出せない部分が多々あるようで ダーウィニズムなどそのパニクった抵抗勢力は計り知れない Posted by ブクログ 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年 ニール・シュービン / 黒川耕大 30年ほどまえ、修士論文のために遺伝的アルゴリズムを研究していた。出来上がった論文はゴミだったが、いくつか知見を得ることはできた。最大の知見は、画像認識あるいは人工知能研究のためには当時の時点ではコンピュータのパワーが圧倒的に不足しているということ。 当時、遺伝的アルゴリズムの研究者にどれほどの人材...続きを読むが参加していたかは不明だ。もともとが遺伝子のふるまいをごくごく単純にモデル化したにすぎないもので、実用に耐えうるのかという疑問が指導教員をして当方にテーマを授けさせたと感じている。単純なモデルに不安を感じたのは指導教員だけではなかったのだろう。門外漢が付け焼刃的な学習から得た遺伝子のそれっぽいふるまいを付け足した、やくたいもない論文だらけだった。この分野に未来はあるのだろうかと思ったものだ。 遺伝子の振る舞いは、これまで思っていたものよりも静的ではない。免疫が外部からの侵入者と常に戦っているように、ウィルスという外敵だけでなく、自らのコピーミスとも戦っている。稀な出来事ではないらしい。 そんなことを本書を学んだ今ならば、少しは面白い遺伝的振る舞いを仕込めたかもしれないなどと懐古する。 「何事も、当然のことながら、私たちが始まったと思った時に始まっているわけではない」 この言葉の意味するところは、進化という言葉に想起される個人的なイメージを払拭した。進化のために遺伝子セットが生み出されるのではなく、すでに存在する遺伝子が必要に応じてオンオフされるということだ。本書ではサンショウウオの例と、浮袋を持つ魚の例があげられている。 サンショウウオの食餌は、水棲時においては吸い込む方式で、陸棲時はカエルのように舌を伸ばして捕食する。舌を伸縮する方法は筋力によるものではなく、いわば指先につまんだなめらかなものを弾き飛ばすようなもので、エラだったものが変化したものだという。環境要因で遺伝子がオンオフされて、同一個体でそう成るという。 地球上の生物の進化は海から始まり、陸に上がったといわれている。陸に上がったから肺が発生したのではなく、まず浮袋に類するものがあり、それが変化したのだという。 そしてまた、遺伝子に対する漠然とした疑問が本書で解消された。すべての細胞に含まれるという遺伝子は、適材適所の発現をなにによって制御しているのかというものである。 遺伝子の中には発生をコントロールする遺伝子がある。中学の理科だったろうか、胚葉の部位が身体の部位に対応していることを学んだのは。遺伝子の並びもそれに準じている、ということらしい。 Posted by ブクログ あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史 ニール・シュービン / 吉田三知世 「生物の体に記された宇宙全史」との副題が付けられているが、正に読み終わるとそれを実感する。ビッグバンから始まり、まず水素が、そしてヘリウムが生まれ、物質・反物質の不均衡から物質が生じ、超新星の爆発から周期律表の鉄以降の元素が出来て、それが幾多の銀河を形成して、我々の身体ですらそれら超新星爆発由来であ...続きを読むるという、まことわかりやすい説明で、正に蒙を啓いたというのが実感である。その後は地球に話は集中するが、太陽系内の絶妙な位置関係、46億年前からの水、炭素の働きよる氷河期の繰り返し、大陸移動説の検証、などなど興味が尽きない。合間には関係する科学者のエピソードが散りばめられていて、単なる科学書の様な固さはない。読み終わって意外に思ったのは、科学界における女性の果たした役割の大きさである。この本はそのことを明らかにしてくれている。 Posted by ブクログ あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史 ニール・シュービン / 吉田三知世 天文学者による宇宙論かと思っていたら、古生物学者であり解剖学者である著者が地球の形成、そして人類の進化を説いてくれる。それも、化学、地質学、気象学、生物学、遺伝学を織り交ぜての考古は何とも神秘的で魅力的な謎解きだ。とりわけ地層や岩石、化石から地球の太古の歴史が次々と知れる。地球は太陽の周りを365....続きを読む26日で公転しており閏年があるのは知っていたが、一日が24時間ちょうどではなく、自転速度が日々バラバラで基本的には一日が長くなっていっているというのには驚いた。4億年前は一日が22時間だったんだ。 Posted by ブクログ ニール・シュービンのレビューをもっと見る