ニール・シュービンのレビュー一覧

  • あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史

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    宇宙が始まり、いま私の体が存在するまでのストーリーと、それを解明してきた歴史。
    すべてはもともとひとつであったこと、過去と現在のひとつひとつの結び付きが明快にわかりやすく書かれています。
    科学の知識がない私でも、子供の頃に読んだ冒険ファンタジーを読む感覚で楽しく頭に入りました。

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    2020年07月14日
  • あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史

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    バラバラだった西洋科学がつながりはじめた
    相対性理論から素粒子の時代になって
    ニューエイジと言われる総合的な視野による
    学問の扉が開いた
    それは東洋的で一成る特化した答から離れ
    対立と無関心の心の垣根を外して
    調和へ向かう共生的な解放の時代を模索し始めた

    古生物学者であるこの著者もそんな一人のようだ
    「人の中の宇宙・宇宙の中の人」という無限観とか
    宇宙観という視野の広い俯瞰した世界を紹介している
    美学に哲学から倫理学に宗教も含めた選択肢の中で
    物理も化学も生物学も全てを網羅した全体と
    それを支えているあらゆる部分が入れ子になった
    夢幻的な関係から人間とはどこから来て
    何をしようとしているのか

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    2015年02月08日
  • 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年

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    空を羽ばたくいきもの、海から陸に進出したいきものがどうやって進化したのか。とつぜん空飛んだり陸に上がる生物に進化したんだろうか。
    というテーマだが、みすず書房なので本の後ろに答えが書いてあった。

    〇面白かったところ
    ・トウモロコシはひとつぶひとつぶ違う胚で異なる遺伝子を持っている。
    ↑トウモロコシを食べるニワトリもおれもヴィーガンも多様性と進化を脅かす侵害者。

    ・ホヤの幼生はオタマジャクシのように泳いで回る

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    2025年03月23日
  • 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年

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    生物はどのように進化してきたか。例えば、既存の機能の転用やウイルスの遺伝子の利用など、進化の多様な手法が紹介される。また、歴代の科学者たちがどのように進化の謎に挑んできたかについても振り返るような内容だ。進化生物学の最新の知見をわかりやすくまとめた良書。

    「進化」を思考実験してみると疑問にぶち当たるのだが、例えば、足は速ければ速い方が獲物を狙いやすく、逆に逃げやすくもなる。これに進化の選択圧の作用が働くなら、圧倒的に速い種のみが残っていくという事には何故ならないのか。同様に、腕力や爪の鋭さもそうだろう。これを考えると辿り着くのは、結局、餌がいなくなるほど強くなっても滅びてしまうので、良い塩梅

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    2025年03月06日
  • 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年

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    批判者から「進化は漸進的にではなく一気に進む」と言われたダーウィンは、「漸進的な変化には機能の変化が伴う」と反論した。後世の研究は、正に「機能の変化」こそ、生命史上の大進化が起きたメカニズムを説明するキーワードだと明らかにした。古生物学者が発生生物学、遺伝学、ゲノム研究の成果から進化の謎に迫っていくサイエンス・ノンフィクション。


    太古の水棲生物が陸に上がるときに肺を持つことができたのはなぜなのか。飛ばない恐竜の表皮に今の鳥類と同じような羽毛が生えていたのはなぜか。なぜさまざまな動物の種で胚が似ているのか。こうした謎を解き明かす過程で、ダーウィンが残した「機能の変化」という言葉がいかに的確に

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    2024年07月03日
  • 進化の技法――転用と盗用と争いの40億年

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    ネタバレ

    30年ほどまえ、修士論文のために遺伝的アルゴリズムを研究していた。出来上がった論文はゴミだったが、いくつか知見を得ることはできた。最大の知見は、画像認識あるいは人工知能研究のためには当時の時点ではコンピュータのパワーが圧倒的に不足しているということ。
    当時、遺伝的アルゴリズムの研究者にどれほどの人材が参加していたかは不明だ。もともとが遺伝子のふるまいをごくごく単純にモデル化したにすぎないもので、実用に耐えうるのかという疑問が指導教員をして当方にテーマを授けさせたと感じている。単純なモデルに不安を感じたのは指導教員だけではなかったのだろう。門外漢が付け焼刃的な学習から得た遺伝子のそれっぽいふるま

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    2023年06月19日
  • あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史

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    「生物の体に記された宇宙全史」との副題が付けられているが、正に読み終わるとそれを実感する。ビッグバンから始まり、まず水素が、そしてヘリウムが生まれ、物質・反物質の不均衡から物質が生じ、超新星の爆発から周期律表の鉄以降の元素が出来て、それが幾多の銀河を形成して、我々の身体ですらそれら超新星爆発由来であるという、まことわかりやすい説明で、正に蒙を啓いたというのが実感である。その後は地球に話は集中するが、太陽系内の絶妙な位置関係、46億年前からの水、炭素の働きよる氷河期の繰り返し、大陸移動説の検証、などなど興味が尽きない。合間には関係する科学者のエピソードが散りばめられていて、単なる科学書の様な固さ

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    2020年05月17日
  • あなたのなかの宇宙 生物の体に記された宇宙全史

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    ネタバレ

    天文学者による宇宙論かと思っていたら、古生物学者であり解剖学者である著者が地球の形成、そして人類の進化を説いてくれる。それも、化学、地質学、気象学、生物学、遺伝学を織り交ぜての考古は何とも神秘的で魅力的な謎解きだ。とりわけ地層や岩石、化石から地球の太古の歴史が次々と知れる。地球は太陽の周りを365.26日で公転しており閏年があるのは知っていたが、一日が24時間ちょうどではなく、自転速度が日々バラバラで基本的には一日が長くなっていっているというのには驚いた。4億年前は一日が22時間だったんだ。

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    2014年11月27日