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グーグル、アマゾンが君臨する現代のデジタル世界は、もとをたどれば数学者チューリングの構想した「チューリングマシン」に行きつく。そして理論上の存在だったチューリングマシンを現実の装置として創りあげたのが万能の科学者フォン・ノイマンだ。彼の実現した「プログラム内蔵型」コンピュータが数に関する概念を変え、デジタル宇宙を創生したのだ。しかし、フォン・ノイマンがそれを成し遂げたのは、産業や学問のしきたりにとらわれない、プリンストンの高等研究所という舞台あればこそであった。チューリングは何を考え、フォン・ノイマンはどう立ち回り、アインシュタインやゲーデルを擁した高等研究所はいかにしてその自由性を得るにいたったのか。そして彼らとともにコンピュータ開発を支えた科学者・技術者はいかにして関わりを持つようになり、現代に直結するどんな偉業を成し遂げたのか。高等研究所などに収められた詳細な文献や写真資料、豊富なインタビュー取材をもとに、大戦後の混乱でこれまで必ずしも明らかでなかった歴史事情や、知られざる人々の肖像をちりばめて綴る、決定版コンピュータ「創世記」。
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年10月29日
「チューリングの大聖堂」
非常に面白かった。600ページ近くの大著で登場人物が多く、第二次世界大戦前後のコンピューター開発の歴史を描いている。
チューリングをスタートとするコンピューター開発の群像を描いているが、その主人公はやはりノイマンである。
現在のプログラム内蔵型コンピューターをノイマン型コン...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月06日
まさにコンピュータ創世記。バイブル。
チューリングの構想、ノイマンが実現したこと、プリンストン高等研究所という舞台と科学者・技術者達。著者ジョージ・ダイソンが子供時代に直に感じ取ったこともとに、すべてが詳細に綴られている。
恐るべきは、ノイマンらがその創世記にすでにデジタル世界の本質・未来を捉えてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年03月13日
期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。
1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い。その後...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年07月15日
コンピュータ創世記。ライプニッツがいてチューリングがいてフォン・ノイマンがいた。戦争があってユダヤ人がいてアメリカがあった。そして数々の知性が交わった偶然が必然を作り出していきました。その必然としてのコンピュータは今、ビックデータ時代を迎え、また人間の知性とは何か?を問いかけています。きつかったけど...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年11月03日
まあ大変な本だ。写真だけで50ページ弱、登場人物の紹介に10ページ(しかも役に立つ)、第1章が始まるのが63ページからで原注も50ページを超えている。数学的な記載はとてもついていけないが、登場人物ごとのエピソード、IAS内の対立など当時の雰囲気はよく伝わる。しかし、話は時系列にそっていないので少し大...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年09月19日
コンピューター誕生の歴史は戦争にあり。世界一の頭脳が結集し、計算機を組み立てるさまは、自分など及びもつかない人々が新しい世界を作っていることに気付かされる。恐ろしい。
後半の数値生命体を巡る話は理解できなかった。自分の情報科学の、特に最新の技術に関する知識は貧弱だ。このままではいけない。勉強しよう。...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月24日
原注を含めると600ページを超える大著。
17世紀にライプニッツが「計算も論理も0と1だけを使って表現することが可能だ」と気づいてから電子計算機ができるまで、コンピュータの創世記における数学者や科学者、技術者の功績を追うノンフィクション。
多くの人物が登場しわかりづらい部分もあるが、その中心にはいつ...続きを読む
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