大変読みにくい。プリンストン高等研究所を舞台にコンピュータ黎明期を描いてるのだが,多くの人間が錯綜し,時系列も行きつ戻りつするので流れがつかみにくい。この点は訳者あとがきを先に読んでおく方が良かった。技術的な内容について噛み砕いた説明がないのも不親切に感じた。
それでも,コンピュータが熱核兵器や分子生物学と密接に関わって発展してきたことや,理論家と技術者がうまく協力してコンピュータを作り上げてきたことなど,重要な指摘も多いし,関係者の証言を多数盛り込んだ資料的価値は高い本なのだと思う。読みこなすのはちょっときつい。