吉田三知世のレビュー一覧

  • 世界でもっとも正確な長さと重さの物語 単位が引き起こすパラダイムシフト

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    物質の長さや重さを表す単位「度量衡」についてのお話、科学的な視点と哲学的な考察による二つの側面から描かれている。

    そもそも我々が使っている1mという単位は、北極点から赤道までの距離の1千万分の1の長さ、というのが当初の取り決めだったようだ。18世紀にフランスが中心となり世界中にメートル単位を広めたのだが、当時産業革命の中心だった大英帝国勢が反対したのが、いまだに度量衡が統一されていない理由らしい。

    植民地政策やたび重なる戦争により、今日世界の度量衡制度は均一化されつつあるが、本書に登場するアフリカ西部の、真鍮の錘を使った砂金の取り引きのような、趣きのある光景が見られなくなるのはチョット寂しい気がする。

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    2014年12月24日
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下

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    ネタバレ

    オリバーストーン監督による輝かしいアメリカ史の裏側。冷静な目でそのときアメリカはどうだったのかについて書かれています。この1巻では2つの世界大戦と原爆について。冷静なアメリカ人の目線の内容があり、今までの日本人としての目線で見ていたものに新しい気づきを与えていただけました。とはいえ、おおよそ想像のついた刺激のある話ではありません。今まで言われていたことに確信が付け足されたような形です。敢えて言うなれば、これをアメリカ人が書いたということは驚きでした。

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    2013年11月29日
  • チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来

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    まあ大変な本だ。写真だけで50ページ弱、登場人物の紹介に10ページ(しかも役に立つ)、第1章が始まるのが63ページからで原注も50ページを超えている。数学的な記載はとてもついていけないが、登場人物ごとのエピソード、IAS内の対立など当時の雰囲気はよく伝わる。しかし、話は時系列にそっていないので少し大変だ。コンピューターのデーターはランダムアクセスなのだからそれも仕方がないか。

    舞台はプリンストンにある高等研究所(IAS)、1930年に設立され33年に数学部門、34年に人文学、35年に経済・政治部門が開設された。その後人文と経済・政治応用は統合され歴史学となり自然科学が数学から派生している。

    主人公はフォン・ノイマンと言っていいだろう。数学者としてのノイマンはゲーム理論のミニ・マックス定理で知られるが、それよりもその天才ぶりを示すエピソードにはいとまがない。ノイマン以外にもハンガリー移民があまりにも優秀だったためハンガリー人=宇宙人説が流れたほどだ。IAS初代所長フレクスナーは学者のパラダイスを作ろうとし、教授の任命を始める。数学者オズワルド・ヴェブレン、アインシュタインについで当時29才のフォン・ノイマンら数名が選ばれた。ナチスドイツの迫害が始まりIASは研究者を救うため受け入れ、数学研究は純粋数学、応用数学とノイマングループができていった。

    戦争が始まるとノイマンは軍に協力を始めた。例えば弾道計算や爆弾の衝撃波そして後に水爆を起爆する際の爆縮レンズなどの研究をしている。このころ既にコンピューターと言う言葉が有るが、これは人間コンピューターで10桁の機械式電卓を使って20名ほどががらがらと計算をしていた。パンチカードを通し出てきた答えは次の電卓にまわされていく。

    コンピューターの原型は1967年に微積分を発見した数学者ライプニッツが構想している。一つの容器に開閉可能な穴を多数並べて空け、おはじきを落とす事で1と0を区別し、原始的なシフト・レジスタにより二進法の計算ができるようになっていた。

    1936年9月29日アラン・チューリングがプリンストン大学にやってきた。その5日後「計算可能数、ならびにその決定問題への応用」と言う11ページの論文の更正刷りが出来上がった。そこに書かれているのが万能チューリングマシーン、紙テープを読み取りそのブロックごとの記号を読み設定に基づいて記号を書くか消すかし、テープを移動する。この概念によって数が物事を行うようになった。コンピューターに興味を持っていたフォン・ノイマンはこの論文の可能性をすぐに理解し電子式のコンピューターの開発を始めた。

    電気式コンピューターを作ろうとしていたのはノイマングループだけではなくある要素技術は他のチームの方がすすんでいるものもあったのだが、1945年にフォン・ノイマンが書いた「EDVACに関する報告の第一草稿」には階層メモリ、制御機構、中央算術演算ユニット、そして入出力チャンネルと言った構造やコード化された指令の定式化と解釈といった他のグループの発明を全て無効化するものだった。ENIACの開発者エッカートからはノイマンが手柄を独り占めしたように見えた様だが、ノイマンは公知化するのが目的だったと述べている。

    IASのコンピューターMANIACが当初利用されたのは気象予報やモンテカルロ法、水爆にデジタル生命体などだった。モンテカルロ法はソリティアを完成させる確率をスタン・ウラムが何時間も計算するよりも実際に100回繰り返して数える方が実際的だと考えた所から始まった。これを核分裂の中性子の生成に当てはめでたらめな乱数を元に計算した結果を統計的に扱うと結果は集束していく。モンテカルロ法はコンピューター将棋をプロレベルの実力にし一方ではサーチエンジンを生み出した。デジタル生命体は別の進化を遂げ、コンピューターウイルスとアプリを生み出した。

    作者のジョージ・ダイソンはIAS教授フリーマン・ダイソンの息子であり子供の頃プリンストンで暮らしていた。ダイソンが見つけたMANIACの技術者ジュリアン・ビゲローが残したメモにはこうある。
    要求:1語(40bd)について二つの命令を含ませる、各命令=C(A)=コマンド(1-10,21-30)・アドレス(11-20,31-40)
    はじめにコマンドラインが有った。必要だったのはC(A)だけであった。

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    2013年11月03日
  • チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来

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    コンピューター誕生の歴史は戦争にあり。世界一の頭脳が結集し、計算機を組み立てるさまは、自分など及びもつかない人々が新しい世界を作っていることに気付かされる。恐ろしい。
    後半の数値生命体を巡る話は理解できなかった。自分の情報科学の、特に最新の技術に関する知識は貧弱だ。このままではいけない。勉強しよう。
    なお、全編通して時間と人物が交錯し、不必要なエピソードが混在する読みにくい構成だった。

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    2013年09月19日
  • チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来

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    原注を含めると600ページを超える大著。
    17世紀にライプニッツが「計算も論理も0と1だけを使って表現することが可能だ」と気づいてから電子計算機ができるまで、コンピュータの創世記における数学者や科学者、技術者の功績を追うノンフィクション。
    多くの人物が登場しわかりづらい部分もあるが、その中心にはいつも天才ジョン・フォン・ノイマンがいた。彼が現在のデジタル社会の礎を作ったのは間違いない。

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    2013年08月24日
  • チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来

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    大変読みにくい。プリンストン高等研究所を舞台にコンピュータ黎明期を描いてるのだが,多くの人間が錯綜し,時系列も行きつ戻りつするので流れがつかみにくい。この点は訳者あとがきを先に読んでおく方が良かった。技術的な内容について噛み砕いた説明がないのも不親切に感じた。
    それでも,コンピュータが熱核兵器や分子生物学と密接に関わって発展してきたことや,理論家と技術者がうまく協力してコンピュータを作り上げてきたことなど,重要な指摘も多いし,関係者の証言を多数盛り込んだ資料的価値は高い本なのだと思う。読みこなすのはちょっときつい。

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    2013年07月29日
  • チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来

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    あまりに長い。あまりに意味が分からない。もっと分かりやすく書くことも可能であったはず。
    だけど、コンピュータの創世について、雰囲気は分かった。いまある世界が、まだまだ始まりに過ぎないことも。
    ノイマンさんが、あと20年生きていたら?あるいは、いま生きていたら?
    この著者の手腕によるところが大きいと思いたいのだが、それは意外に不吉なことに思えた。。。

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    2013年05月06日
  • 世界でもっとも美しい10の物理方程式

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    ちょっとタイトル負け。
    ニュートンやアインシュタインの業績の背後に深い宗教的な思考や強い美意識があった。

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    2011年10月30日