【感想・ネタバレ】世界でもっとも正確な長さと重さの物語 単位が引き起こすパラダイムシフトのレビュー

あらすじ

長さや重さの単位をどう決めるかの変遷で知る科学史ストーリーです。科学史(特に物理学)のベースとなる普遍的な単位系に対する模索について、哲学っぽいトリビア的な知識を開陳します。

長さと重さの単位となるメートルやキログラムは従来では「原器」と呼ばれる人工物を基準としていましたが、長さの伸縮や重さの増減のために、信頼性が揺らいできました。本書の第12章の「さらばキログラム」は、キログラム原器との分離とキログラムの再定義を詳述しています。

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英米は未だにヤード・ポンド

度量衡は物理学を中心とした科学に必須なのはもちろんのことであるが、日常生活全般にとっても非常に重要なことである。秦の始皇帝が統一を果たしたとき度量衡の統一を行った という話があるが、科学だけではなく政治上の問題としても大変重要なことだと感じた。だから英米は未だにヤード・ポンド法なのだな。本書はやや重ための内容であるが時間をかけてしっかり読むと、それなりに面白く勉強になる。

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2022年12月04日

Posted by ブクログ

なぜアメリカはいつまでもインチやポンドを使い続けるのか、という疑問をずっと持っていた。
この本がそれに明確な答えを教えてくれるわけではないけど、そもそも単位というものに人が何を求めてメートル法やSI単位系が、可能な限り普遍的な宇宙の果てまで行っても同じように使える単位を求めることによって産まれてきたものだということがよくわかる。

チャールズ・サンダース・パースについて調べる

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2015年02月04日

Posted by ブクログ

物質の長さや重さを表す単位「度量衡」についてのお話、科学的な視点と哲学的な考察による二つの側面から描かれている。

そもそも我々が使っている1mという単位は、北極点から赤道までの距離の1千万分の1の長さ、というのが当初の取り決めだったようだ。18世紀にフランスが中心となり世界中にメートル単位を広めたのだが、当時産業革命の中心だった大英帝国勢が反対したのが、いまだに度量衡が統一されていない理由らしい。

植民地政策やたび重なる戦争により、今日世界の度量衡制度は均一化されつつあるが、本書に登場するアフリカ西部の、真鍮の錘を使った砂金の取り引きのような、趣きのある光景が見られなくなるのはチョット寂しい気がする。

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2014年12月24日

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