吉田三知世のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元NASAのエンジニアでウェブコミック著者のランドール・マンロー氏の著書です。
著者の運営するウェブサイト「WHAT IF?」に寄せられた奇抜な質問に対し、真面目に科学的に回答したものを一冊にまとめた本です。
身近なことをベースにした質問が多く、自分なりの答えを想像しつつ読み進めると面白いです。
ほとんど、自分の予想は外れてましたが、まぁ、著者の回答が本当に正解なのかも定かではありませんが。。。
個人的には、FEDEXのデータ伝送速度、死者のFacebookなどの質問がお気に入りです。
SF漫画を読むような軽い気持ちで読むには最適な本です。
面白かった! -
Posted by ブクログ
生物に起こる進化は特殊進化理論であり、世界には一般進化理論とも呼ぶべき進化の法則がある。すべてのものごとは進化している。そして進化は計画されたもの(=創造説)ではなく、小さな変化の積み重ねによって達成される。上からの計画はたいてい失敗するよ。…というのがあらましです。
進化≒ボトムアップと創造≒トップダウンの対立が本書のテーマです。そしてだいたいの章では成功したボトムアップが失敗するトップダウンにとって代わられてしまって嘆かわしい。という結論になります。
ここで疑問なのはトップダウン式の機構が作り上げられるのも進化の結果なんじゃないの?というものです。他のボトムアップものとトップダウンのものが -
Posted by ブクログ
物質の長さや重さを表す単位「度量衡」についてのお話、科学的な視点と哲学的な考察による二つの側面から描かれている。
そもそも我々が使っている1mという単位は、北極点から赤道までの距離の1千万分の1の長さ、というのが当初の取り決めだったようだ。18世紀にフランスが中心となり世界中にメートル単位を広めたのだが、当時産業革命の中心だった大英帝国勢が反対したのが、いまだに度量衡が統一されていない理由らしい。
植民地政策やたび重なる戦争により、今日世界の度量衡制度は均一化されつつあるが、本書に登場するアフリカ西部の、真鍮の錘を使った砂金の取り引きのような、趣きのある光景が見られなくなるのはチョット寂し -
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Posted by ブクログ
まあ大変な本だ。写真だけで50ページ弱、登場人物の紹介に10ページ(しかも役に立つ)、第1章が始まるのが63ページからで原注も50ページを超えている。数学的な記載はとてもついていけないが、登場人物ごとのエピソード、IAS内の対立など当時の雰囲気はよく伝わる。しかし、話は時系列にそっていないので少し大変だ。コンピューターのデーターはランダムアクセスなのだからそれも仕方がないか。
舞台はプリンストンにある高等研究所(IAS)、1930年に設立され33年に数学部門、34年に人文学、35年に経済・政治部門が開設された。その後人文と経済・政治応用は統合され歴史学となり自然科学が数学から派生している。